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魔法のある世界で
58.知ってしまった真実
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私は、地球人類を滅ぼしたのが神様だったのかと悲しくなった。
「神様に私達、愚かな地球人類は見捨てられたのね…だから滅ぼされたのね…」
『いえ、それは違います。地球の間違った方向への進化があれ以上続いては、地球だけではなく銀河や他の階層の世界まで壊すことになる所まで行ってしまったのです。ロイス博士の世界の人々は、その他の世界すべてを生き残らせる為に苦渋の決断をしたのです。地球を滅ぼしたのではなく他の世界を救っただけなのです。』
「ロイス博士が地球を破壊する決断を?」
『いいえ、ロイス博士は最後の最後まで地球温存派で評議会に地球を生き残らせるよう呼びかけ、他の方法を模索していました。しかし地球人類は悪魔の最終兵器の種を作りだしてしまいました。核融合の果てにその効果が銀河をも請わせかねないほどの果てしない暴発連鎖の化学兵器を!あと一段階の研究が進んでしまって偶然にでもその兵器が発動してしまえば、次元を越えて太陽系銀河どころか宇宙全体、ブラックホールやホワイトホールの果てすら壊滅するような暴発が起きるという事実が分かったのです」
「あの隕石が落とされた場所でそんな開発が…」
『そうです。あの隕石はただの隕石ではありません。あの隕石の表面は核ですら貫く事は出来ない膜で覆われていましたが中身から発する磁場は地球の核内にある物質を限りなく無限に近い状態にまでの膨張を誘発しビッグバンを起こさせる為の起爆原として投与されたものでした』
「でも、博士は地球を守りたかったと…そうか…博士一人が反対したところで無理だったのね?」
『そうです。ロイス博士も、もう地球を庇いだてする事は叶いませんでした。そしてロイス博士は地球を破壊し、その後に新たな星の再生の為の任を与えられました。ロイス博士はそこでも悩みました。悪の種を持たない健全な人類だけでも残せないものかと…』
「それで博士として宇宙空母”テラズノア”に自分も乗りこんだのね?」
『そうです。たまたま生き残った人類の中にも悪の種を宿さない者を博士は探しました。そして博士が見つけたのは綺羅様ただ一人でした』
「ええっ?ノアズテラに乗り込んだ地球人類がいくら僅かと言ったって千人近くはいた筈よ!」
『綺羅様だけだったのです。悪の種とは環境や状況に流されて壊れてしまう精神とそれにひきずられる細胞です。綺羅様だけがあの状況の中、未来を夢見る力を宿していた唯一無二の地球人類でした』
「そ…そんな」
『そしてロイス博士は、地球と太陽がぶつかる寸前までの十年の月日をノアズテラで貴女と過ごしました。そして研究と称して貴女様の事を観察する日々の中、綺羅様を心から愛しく思っていったのです』
その言葉に私は愕然とした。
「えっ?何ソレ!ロイス博士は私の事が好きだったって事なの?そ、それって恋愛感情?」
『同種族ではないので、どうなのでしょう?そもそも恋愛感情と言うものが私には分かりかねますが、ロイス博士の種族から見れば地球人類は、人間とオラウータンほどの差がありますので…』
「あ~、な、なるほど…ペットに対する愛情みたいなもんか…動物愛護的な?」
ちょっと、どきどきしたのに、何だかがっかりである。
「でも、だったら尚更、何で自分ではなく私だけを生き残らせたの?”悪の種”を持たない人間が何人かいればその人間も助けるつもりだったのでしょう?」
『評議会からの許可が下りなかったのです。博士の地球人類への愛情が、強すぎる事に疑念を抱いた評議会は綺羅様という悪の種を宿さない地球人類がいるという報告を信じてくれなかったからです。ですから評議会は敢えて、”卵”に必要な素材を一人分しかロイス博士に与えませんでした』
つまり、神と称される人類の評議会の皆さまはロイスの地球人愛が強すぎる為に冷静な判断が出来なくなっていると判断していたのだ。
だから、また新たな世界を危機に陥らせるかもしれない遺伝子を次の世界に持ちこませないようにしょうとした措置だった。
「そんな!じゃあ、ロイス博士は私を生かす為に自分が犠牲になったの?未来がないからと諦めたフリをして!彼はこんな再生の未来がある事を知っていたのに!」
『そうです』
「タマチャン…ロイス博士は…私のせいで…」
『綺羅様が気に病むことは欠片もありません。ロイス博士自身が望んだ事なのデスから!』
「そんな、ロイス博士の望みって…」
『綺羅様の安寧!より平和に!より幸せに!…でございます』
「新たな生命の星の未来さえ、タマチャンに預けて?」
『そうです!』
「そんな…」
『綺羅様が何故落ち込むのか私には分かりかねますが、それは無意味です。それにロイス博士は自分の命を綺羅様と同じく”種”として残しております』
「えっ?どういう事?」
『博士もまた自分の血液をこの星に”種”として残したのです。大量の魔素を含む自分の”血液”と細胞をカプセルに詰めて私にばらまかせたのですから』
「ええっ!じゃあ、その細胞があればロイス博士も蘇らせることが出来たのでは?私を再生出来たんだから!」
『それは、ロイス博士は望んでいませんでしたので、全てこの大地に撒いてしまいました』
「何て事を!」私は大きく肩を落とした。
『私はロイス博士のプログラムで行動しておりますので、指示以外の行動は致しません。評議会に逆らった行動を起こしたロイス博士はそのまま生きていたら捕獲され罰せられたでしょう』
「それって、やっぱり私のせいよね?」
『ロイス博士の意思で、綺羅様の罪ではありません。綺羅様が望んだことではないのですから』
タマチャンは、そう言ったが私は、納得できずに暫く”卵”から出る事ができなかった。
「神様に私達、愚かな地球人類は見捨てられたのね…だから滅ぼされたのね…」
『いえ、それは違います。地球の間違った方向への進化があれ以上続いては、地球だけではなく銀河や他の階層の世界まで壊すことになる所まで行ってしまったのです。ロイス博士の世界の人々は、その他の世界すべてを生き残らせる為に苦渋の決断をしたのです。地球を滅ぼしたのではなく他の世界を救っただけなのです。』
「ロイス博士が地球を破壊する決断を?」
『いいえ、ロイス博士は最後の最後まで地球温存派で評議会に地球を生き残らせるよう呼びかけ、他の方法を模索していました。しかし地球人類は悪魔の最終兵器の種を作りだしてしまいました。核融合の果てにその効果が銀河をも請わせかねないほどの果てしない暴発連鎖の化学兵器を!あと一段階の研究が進んでしまって偶然にでもその兵器が発動してしまえば、次元を越えて太陽系銀河どころか宇宙全体、ブラックホールやホワイトホールの果てすら壊滅するような暴発が起きるという事実が分かったのです」
「あの隕石が落とされた場所でそんな開発が…」
『そうです。あの隕石はただの隕石ではありません。あの隕石の表面は核ですら貫く事は出来ない膜で覆われていましたが中身から発する磁場は地球の核内にある物質を限りなく無限に近い状態にまでの膨張を誘発しビッグバンを起こさせる為の起爆原として投与されたものでした』
「でも、博士は地球を守りたかったと…そうか…博士一人が反対したところで無理だったのね?」
『そうです。ロイス博士も、もう地球を庇いだてする事は叶いませんでした。そしてロイス博士は地球を破壊し、その後に新たな星の再生の為の任を与えられました。ロイス博士はそこでも悩みました。悪の種を持たない健全な人類だけでも残せないものかと…』
「それで博士として宇宙空母”テラズノア”に自分も乗りこんだのね?」
『そうです。たまたま生き残った人類の中にも悪の種を宿さない者を博士は探しました。そして博士が見つけたのは綺羅様ただ一人でした』
「ええっ?ノアズテラに乗り込んだ地球人類がいくら僅かと言ったって千人近くはいた筈よ!」
『綺羅様だけだったのです。悪の種とは環境や状況に流されて壊れてしまう精神とそれにひきずられる細胞です。綺羅様だけがあの状況の中、未来を夢見る力を宿していた唯一無二の地球人類でした』
「そ…そんな」
『そしてロイス博士は、地球と太陽がぶつかる寸前までの十年の月日をノアズテラで貴女と過ごしました。そして研究と称して貴女様の事を観察する日々の中、綺羅様を心から愛しく思っていったのです』
その言葉に私は愕然とした。
「えっ?何ソレ!ロイス博士は私の事が好きだったって事なの?そ、それって恋愛感情?」
『同種族ではないので、どうなのでしょう?そもそも恋愛感情と言うものが私には分かりかねますが、ロイス博士の種族から見れば地球人類は、人間とオラウータンほどの差がありますので…』
「あ~、な、なるほど…ペットに対する愛情みたいなもんか…動物愛護的な?」
ちょっと、どきどきしたのに、何だかがっかりである。
「でも、だったら尚更、何で自分ではなく私だけを生き残らせたの?”悪の種”を持たない人間が何人かいればその人間も助けるつもりだったのでしょう?」
『評議会からの許可が下りなかったのです。博士の地球人類への愛情が、強すぎる事に疑念を抱いた評議会は綺羅様という悪の種を宿さない地球人類がいるという報告を信じてくれなかったからです。ですから評議会は敢えて、”卵”に必要な素材を一人分しかロイス博士に与えませんでした』
つまり、神と称される人類の評議会の皆さまはロイスの地球人愛が強すぎる為に冷静な判断が出来なくなっていると判断していたのだ。
だから、また新たな世界を危機に陥らせるかもしれない遺伝子を次の世界に持ちこませないようにしょうとした措置だった。
「そんな!じゃあ、ロイス博士は私を生かす為に自分が犠牲になったの?未来がないからと諦めたフリをして!彼はこんな再生の未来がある事を知っていたのに!」
『そうです』
「タマチャン…ロイス博士は…私のせいで…」
『綺羅様が気に病むことは欠片もありません。ロイス博士自身が望んだ事なのデスから!』
「そんな、ロイス博士の望みって…」
『綺羅様の安寧!より平和に!より幸せに!…でございます』
「新たな生命の星の未来さえ、タマチャンに預けて?」
『そうです!』
「そんな…」
『綺羅様が何故落ち込むのか私には分かりかねますが、それは無意味です。それにロイス博士は自分の命を綺羅様と同じく”種”として残しております』
「えっ?どういう事?」
『博士もまた自分の血液をこの星に”種”として残したのです。大量の魔素を含む自分の”血液”と細胞をカプセルに詰めて私にばらまかせたのですから』
「ええっ!じゃあ、その細胞があればロイス博士も蘇らせることが出来たのでは?私を再生出来たんだから!」
『それは、ロイス博士は望んでいませんでしたので、全てこの大地に撒いてしまいました』
「何て事を!」私は大きく肩を落とした。
『私はロイス博士のプログラムで行動しておりますので、指示以外の行動は致しません。評議会に逆らった行動を起こしたロイス博士はそのまま生きていたら捕獲され罰せられたでしょう』
「それって、やっぱり私のせいよね?」
『ロイス博士の意思で、綺羅様の罪ではありません。綺羅様が望んだことではないのですから』
タマチャンは、そう言ったが私は、納得できずに暫く”卵”から出る事ができなかった。
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※同タイトルの掲載不可との事で、1.2.番外編をまとめる作業をします
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