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魔法のある世界で
70.真剣に悩めるラーラ
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「「何て事だ!」」
先王(お父様)と現王(お兄様)が口を揃えて唸っている。
昨日の王宮での私の挨拶?を終えた後から次から次へと私への求婚の申し込みが絶えないとの事なのだ。
「ふうっルゼルジュ様の心配が本当になってしまいましたわね」
サラさんがため息交じりでそう言ったが、私には、何故皆がそんなに困り顔なのかわからない。
「断れば良いだけの話ではありませんか?」
きょとんとして私が言うと三人は一斉に振り返った。
「「「そんな簡単な問題ではない(のです)!」」」
「え?」
「この国の王家の姫君ともなれば十歳を越えて婚約者の一人もいないのは通常では考えられません。それこそ姫様自身に何か問題があるともとられかねないのです」
「それは、もともと三歳児だったんだから問題ありって事で良いのでは?」
「そうは、参りませんわ!”時狭間”から生還した者は皆、見た目の年齢以上の知識を得るのは周知の事実ですから」
「そ…そうなんだ」
「それに昨日のラーラの皆への言葉をそれを裏付けている」とお父様が言った。
「ああ、同感だ。皆への思いやりの溢れる素晴らしい言葉だった」とお兄様まで何かべた褒め?である。
「つまり”時狭間”で成長してしまった事はむしろ嫁に迎えるのには喜ばれるってことに?」
「「「そう言う事だ(ですわ)!」」」
「う~ん…でも、私は嫌ですから断って下さい。私は以前から言っていますがお父様以外の方と結婚なんて嫌ですから」
「「「えっ?」」」
三人がもの凄く驚いた顔で振り返る。
「えっ?って何ですか?お父様、私は前から言っていたではありませんか?」
「いや、そうは言っても…ラーラ、私と年齢だってものすごく離れて…」
「そっ!そうですよルゼルジュ様とは今のお姿だったとしても二十歳以上は違いますよ?」
と、焦ったように私を諭す二人にお兄様が、異議を唱えた。
「いやっ!いやいやいや!まてっ!父上!サラ!それ以前に親子ではないか!何を言っているんだ!」
「「「あ!」」」と私やお父様やサラさんは今さらな声をあげた。
そうだった。
私とお父様が実は赤の他人だと言う事をサラさんと当のお父様は分かっているがお兄様は知らないのだ。
それを知るのは今ここにいるサラさんとお父様とサラさんの元部下のボブさんとアルさんを除いたらあとはタマちゃんくらいだ。
「何が”あっ?”だ!全くもってあり得ないだろう!」とお兄様が憤慨している。
「あ~、うん、まぁ、そうだな」と、お父様が答える。
「そうですね」とサラさんが苦笑しながら答えて…私はふてくされた。
「ソウデシタネ…」と抑揚のない声で答えてちらりとお父様とサラさんを見てうつむいた。
『『まさか!マジか(ですか)?』』と言わんばかりに目配せしながらサラさんとお父様は顔を見合わせていたが、無論、私は真剣ですとも!
こんな事ならこの国では行き遅れと後ろ指さされてもいいからタマちゃんのお勧めどおり25歳くらいにまで成長しちゃえば良かったのかもと後悔してしまった。
お父様の恋人になりたい…。
強くて優しくて子煩悩な素敵な人…。
いかつい顔も逞しい体つきも全部がラーラの綺羅の理想そのものである。
最初はあまりにも歳の差が激しすぎたせいで諦めていたものの自分が成長できるのならば…と、意識しだしたらもう自分の望む相手はお父様しか考えられないのである。
実際は親子でも何でもないのだから…。
三十六歳と十四歳(見た目)…う~ん。
に…二十二歳くらいならいいんじゃないかしら…?私は気にしないし…(なんせ中身は三十二歳なんだし)貴族や王族の婚姻ならそれくらいの歳の差、普通にありそうなものである。
ああ、こんな事になら”娘”になんてならなければ良かった。
やっぱり家出でもして赤の他人として出直すべき?
そんな事を考えてしまうくらいには私は真剣だった。
先王(お父様)と現王(お兄様)が口を揃えて唸っている。
昨日の王宮での私の挨拶?を終えた後から次から次へと私への求婚の申し込みが絶えないとの事なのだ。
「ふうっルゼルジュ様の心配が本当になってしまいましたわね」
サラさんがため息交じりでそう言ったが、私には、何故皆がそんなに困り顔なのかわからない。
「断れば良いだけの話ではありませんか?」
きょとんとして私が言うと三人は一斉に振り返った。
「「「そんな簡単な問題ではない(のです)!」」」
「え?」
「この国の王家の姫君ともなれば十歳を越えて婚約者の一人もいないのは通常では考えられません。それこそ姫様自身に何か問題があるともとられかねないのです」
「それは、もともと三歳児だったんだから問題ありって事で良いのでは?」
「そうは、参りませんわ!”時狭間”から生還した者は皆、見た目の年齢以上の知識を得るのは周知の事実ですから」
「そ…そうなんだ」
「それに昨日のラーラの皆への言葉をそれを裏付けている」とお父様が言った。
「ああ、同感だ。皆への思いやりの溢れる素晴らしい言葉だった」とお兄様まで何かべた褒め?である。
「つまり”時狭間”で成長してしまった事はむしろ嫁に迎えるのには喜ばれるってことに?」
「「「そう言う事だ(ですわ)!」」」
「う~ん…でも、私は嫌ですから断って下さい。私は以前から言っていますがお父様以外の方と結婚なんて嫌ですから」
「「「えっ?」」」
三人がもの凄く驚いた顔で振り返る。
「えっ?って何ですか?お父様、私は前から言っていたではありませんか?」
「いや、そうは言っても…ラーラ、私と年齢だってものすごく離れて…」
「そっ!そうですよルゼルジュ様とは今のお姿だったとしても二十歳以上は違いますよ?」
と、焦ったように私を諭す二人にお兄様が、異議を唱えた。
「いやっ!いやいやいや!まてっ!父上!サラ!それ以前に親子ではないか!何を言っているんだ!」
「「「あ!」」」と私やお父様やサラさんは今さらな声をあげた。
そうだった。
私とお父様が実は赤の他人だと言う事をサラさんと当のお父様は分かっているがお兄様は知らないのだ。
それを知るのは今ここにいるサラさんとお父様とサラさんの元部下のボブさんとアルさんを除いたらあとはタマちゃんくらいだ。
「何が”あっ?”だ!全くもってあり得ないだろう!」とお兄様が憤慨している。
「あ~、うん、まぁ、そうだな」と、お父様が答える。
「そうですね」とサラさんが苦笑しながら答えて…私はふてくされた。
「ソウデシタネ…」と抑揚のない声で答えてちらりとお父様とサラさんを見てうつむいた。
『『まさか!マジか(ですか)?』』と言わんばかりに目配せしながらサラさんとお父様は顔を見合わせていたが、無論、私は真剣ですとも!
こんな事ならこの国では行き遅れと後ろ指さされてもいいからタマちゃんのお勧めどおり25歳くらいにまで成長しちゃえば良かったのかもと後悔してしまった。
お父様の恋人になりたい…。
強くて優しくて子煩悩な素敵な人…。
いかつい顔も逞しい体つきも全部がラーラの綺羅の理想そのものである。
最初はあまりにも歳の差が激しすぎたせいで諦めていたものの自分が成長できるのならば…と、意識しだしたらもう自分の望む相手はお父様しか考えられないのである。
実際は親子でも何でもないのだから…。
三十六歳と十四歳(見た目)…う~ん。
に…二十二歳くらいならいいんじゃないかしら…?私は気にしないし…(なんせ中身は三十二歳なんだし)貴族や王族の婚姻ならそれくらいの歳の差、普通にありそうなものである。
ああ、こんな事になら”娘”になんてならなければ良かった。
やっぱり家出でもして赤の他人として出直すべき?
そんな事を考えてしまうくらいには私は真剣だった。
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