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「誰が強いかなんて分からないでしょう。
 それは女性マンガでも男性マンガでも変わりません!
 カッコいい男らしさとは漢気、戦争のことを言うのは憚られますが織田信長に忠誠を誓った豊臣秀吉のような大悪党とその子分。
 良いですな、良いですな。
 歴史漫画はコアなファンが多いですからな。
 その点で言えば、再現しようとした漫画家も多いかもしれませんがここまで構想を練る漫画家は今の日本ではいないでしょう。」

某アメコミの映画のSF社長も女性になりそうだけど、発想力が男性と女性とでは根源が異なるせいかゾンビゲームなんかは元の世界とほとんど変わらない状態で作られている。
ある程度男女共通の感性が揃えば、一定のエンターテインメントは出来る。

女性には無い、漢気、極道などの兄弟ってやつだ。

「じゃあ帰ったら、また再現の方お願いします。」

「ええ、もちろんもちろん!
 お仕事よりも優先して書かせていただきます!」

「仕事よりも優先するモノとは?」

「処女臭い、芽亜里(メアリ)殿にはわかりませんな。」

「わかりませんな。」

「なら、貞雄様は私の胸を抱いて溺死してください。」

ごぼぼぼぼ。

溺死するほど胸は無いから胸骨に頬を喰い込ませられている気分です。
あ、でも柔らかい部分も存在はするよ。
全身を包み込むだけの胸囲が無いので骨まで達する音がした。

「貞雄殿が死にかけてはおりませんかな。」

「はほうあほだしゅだじゃほうがは。」

「ナニイッテルカワカリマセン。」

「落ちたら死にモノですよ。」

「非処女のあなたには言われたくない!
 私はこれから貞雄様と大切な会話をしますので失礼します。」

失礼いたしますとは一体何をされるのでしょうか。
もがき苦しむ意識の中で家に連行されそうになるが、ここで負けじと顔をどうにか掴む。
このド田舎スローライフで培った薪割の握力は伊達じゃない。
多分リンゴを割るくらいの握力は存在する。

「ふ、ふぐぅ。」

「見事なアイアンクローですな。
 古い映像でしか見られませんがマッスルスタイルのプロレスラーが行う技それは見事でした。
 彼の技はそれに近いと言えるでしょう。
 乙女のハートも鷲掴みなアイアンクローですな。」

「しょ、しょんなこといってにゃいでたふけて。」

「ふ、私を罵った罪をその身で償いなさい。」

「では誠先生おやすみなさい。
 私は芽亜里(メアリ)を教育してから寝ますので。」

「お大事に。」

ずるずるとアイアンクローをしたまま歩いていく。
そのたびうめき声を上げていくが、だんだん喘ぎ声に聞こえた。

「ふむふむ、これが夢にまで見た肉食系男子の調教行為ですな。
 お隣さんに男性が来るのはネタに困らなくていいですな。
 エロ漫画も良きかな良きかな。
 彼のように昔の少年心を漫画にすればエロ漫画、否少年漫画になるのですな。
 もっと少年心をくすぐるマンガを描いてみとうものです。」
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