酔っぱらってダンジョン行ってたらお姉さん持ち帰りしてて朝チュンしてた件~スキル乳化の美肌ボディエステは女性冒険者を虜にする~

スライム道

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86 ハチロク

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「そろそろ着きますね。」

一般車両も多くすれ違っていることからそれなりにケガをする人は居るのだろう。
不意にこちらに並走してくる車が見えた。
多分世界一有名な豆腐店の名前が書かれていてもおかしくないパンダトレノ。

「ハチロク?」
「なにかいいましたか?」
「ハチロクって車が横切ったものでつい魅入ってしまいました。」
「ハチロク?」
「もう200年も前の国産車ですからね走っている車を見ればそりゃ驚きますよ。」

しかもパンダトレノと来た。
エンジンもまんま当時のままとは考えにくいが今のダンジョンエネルギー社会ではあまり褒められたボディではない。
この高級車も球体に近い滑らかな車体にするのが省エネで良いとされている。
角ばった車は今現在走っているところを見るのは本当に稀だ。

流石に2世紀も経てば車の構造も大きく変わっている。
今まで下部の問題に弱かったところが技術革命が起き、オフロードでも座高がそこまで必要としない車が誕生した。

「けどまだまだ現役で走っている感じだよな。」

運転してみたい。
無茶苦茶運転してみたい。
旧車って面倒なとこあるけど乗ってみたい欲求は強くなる。

手入れなんかは今工場が存在しないので完全な職人の手でメンテナンスを行う必要がある。
維持費だけでコストは高級車1台よりも高いと言われているのでもはや時代の憧れしかなくなる。

「それに機械制御を一さ入れていないマニュアル車だ。
 今だと免許を取るのもかなり時間がかかるしお金もかかる。
 これに乗ってる人はほんとに車好きなんだな。」

それが手に取るようにわかる綺麗さとエンジン音。
マフラーも相当良いモノだと2世紀前の2次元オタクの葵にはすぐに分かった。

「今では温室効果ガスを出すとして税金が3倍近くにまで値上がりしていて、
 環境に携わる仕事をしている企業所属アドベンチャラーは結構叩かれやすく、
 風潮もありますし、
 ああいった旧時代の車は使用しないようにと通達されていることが大半です。
 つまりアレに乗っている方は完全ソロの個人で雇われている方かと見受けられますね。」
「あ、環境に配慮した再生可能エネルギーを作っている会社で排気ガスを出す車を運転するのは外聞が悪いですもんね。」
「ハイ、私どももその辺りを考慮しなければならないので副業がレーサーの方を除いて自家用車などは全てダンジョンエネルギーを変換して作られた特殊エネルギー貯蔵装置や水素、電気を用いて走る車に限定するよう徹底しています。」
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