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その日の夜不思議な夢を見た。
目の前に白くて青い縞をした虎が見えていた。
「私は白虎、かつてこの地を守っていたものだ。
今は鬼に敗れて力を失いつつある。
おぬしのあの傷、それは私の責任だ。
対価を得たにも拘わらず鬼を倒せなかった私が苦肉の策として人間の子どものに封印してしまった私の失態だ。」
だから何だというのだ。
その白虎とやらが謝ったところで俺の傷が無くなるわけでもない。
鬼とやらが居なくなるわけでもない。
結局ただ自分の自己満足のために謝りたかっただけじゃないのか。
「その通りだ。
私が封印してしまったがあまりにおぬしと同化してしまった。
だがその傷は治せる手段があるのだ。
たった一回きりだがそれを治せる治癒魔法が存在する。
だからどうかこれを行使できるようにするから頼む。この何もすることができない私を許せとは言わない。
だがお主を人柱にしてしまったことを謝罪させてくれ。」
治癒魔法ね。
一応俺のこの背中の鬼は命には問題ないんだよな。
「ああ。」
なら今日俺があった女の子知ってるか。
「私も何とか力の切れ端を持ってきたばかりなのでどれに該当するのかは解らないがビョウインとやらの外であっていた少女というのなら肯定だ。」
「ならその子を治してみてくれよ。」
「同情か?」
「違う。」
「ならなぜ?現状を打破できるのだぞ。」
「俺のは生きていける。
生き地獄にするか天国にするかは俺次第だ。
まあ人並みの幸せが遅れるだろう。
でもあいつは違う。
明日死ぬかもしれない命を助けたらこれから降りかかる辛いことと楽しいことの両方が降りかかる。
俺はその人生を見てみたいのさ。」
白虎は押し黙った。
話だけを聞けばなんとひねくれた人物なのだろうか。
自分が助かることにも裏があると思っているのかもしれないがある意味で己の現状に満足しているのかもしれない。
「見返りは求めないのか。」
「俺はただ助けただけ、それを誇りに思うことはあるかもしれないが、その先については責任を持たない無責任な男なのさ。」
「承知した。」
人一人の命を己の将来を、全てが虐げられる日々になるかもしれない未来になる可能性が極めて高かった現状を投げ捨てて命を救うのだから誇るくらいのことはしても良いかもしれない。
でも俺の根底にあるのは生きること自体が希望だった彼女に生きること与えたとき本当に感謝をし続けるのかが気になった。
俺にとって生きることはもう絶望でしかない。
要は自分の考えが正しいことを証明したいだけなんだ。
普通ではない人間が普通になれば今までと同じになると思いたいんだ。
「カカカ、白虎面白いことをしているな私にも混ぜさせろ!」
「な!貴様何故ここに入れる!」
「もう私に敵対する気などありはせんよ。母を殺された仇は討ったしのやるせない気持ちを人間たちにぶつけたにすぎぬ。」
突然現れた角付きの巨躯の人間を冷静に見据えて観察し始める。
アレが俺の身体に居る鬼とやらか。
男にしか見えないのだけども女のようにも感じられた。
「ならなぜあの子に傷跡を負わせたのだ。」
「私じゃないさ。こやつが生まれてくるときに傷を負ったのは事実、その際に私の一部が漏れ出したのに過ぎん。」
「ならとっとと治すべきだ。おぬしの力を吸い出せばいいだけの話では無いのか!」
「「それは無理だ。」」
俺と鬼の口が揃った。
完全に俺の身体とこの鬼と同化している。無理に吸い出そうとすればどちらかに力が完全に飲まれる。
俺には長年一緒に居たからわかる。
これはもう無理矢理はがしていい者じゃないと。
白虎の治癒魔法の時は引きはがしても良いとは思ったがこの鬼の力とあの傷は格が違い過ぎるように感じた。
「こやつの言う通りだが少し語弊がある。こやつの身体は白虎と俺の完全に融合しているのだ。こやつの治癒とはこやつよりに力を全て持っていくことに他ならぬのだよ。」
「む、私の治癒魔法ならば確かに一回きりなら治せるが、おい鬼、おぬしの力でこの子の願いをかなえるのだ。」
「そいつも無理だ。アレは神に魅入られている。見ればわかるだろ。お前も忘れたか神どもに魅入られたモノは同じ神の力でしか治せぬことを。」
「ち、なまじ強いだけの悪霊が!」
言い争っている中で要所要所を拾ってまとめ上げてみる。
1.俺の中で白虎と鬼と完全に融合している。
2.白虎の治癒魔法は特別なもので神の力を宿している。
3.俺と今日あった美少女の傷(病気)は神の力が干渉してできたもので同じ神の力でしか治せない。
4.鬼は神を追い詰めるくらいの力を持っているが神ではない。
ざっと考えるとこんなものだろうか。
他にも鬼と白虎で与えられる力にも差がありそうだが今は良い。
「まあいい。俺の望みは先ほども言ったとおりだ。アレに希望と言う名の絶望を与えてくれ。」
「ひねくれてんな。ま、俺には関係ないけどな。
まあ俺からも力を授けてやるから白虎は言う通りにしときな。
こいつは治したところでどうすればいいか正常な判断ができなくなるって思ってるだけだ。」
白虎はしぶしぶと言った感じで
「では治療するがもう封印は意味が無いから解くぞ。」
「あいよ。」
また意識が薄れていった。
目の前に白くて青い縞をした虎が見えていた。
「私は白虎、かつてこの地を守っていたものだ。
今は鬼に敗れて力を失いつつある。
おぬしのあの傷、それは私の責任だ。
対価を得たにも拘わらず鬼を倒せなかった私が苦肉の策として人間の子どものに封印してしまった私の失態だ。」
だから何だというのだ。
その白虎とやらが謝ったところで俺の傷が無くなるわけでもない。
鬼とやらが居なくなるわけでもない。
結局ただ自分の自己満足のために謝りたかっただけじゃないのか。
「その通りだ。
私が封印してしまったがあまりにおぬしと同化してしまった。
だがその傷は治せる手段があるのだ。
たった一回きりだがそれを治せる治癒魔法が存在する。
だからどうかこれを行使できるようにするから頼む。この何もすることができない私を許せとは言わない。
だがお主を人柱にしてしまったことを謝罪させてくれ。」
治癒魔法ね。
一応俺のこの背中の鬼は命には問題ないんだよな。
「ああ。」
なら今日俺があった女の子知ってるか。
「私も何とか力の切れ端を持ってきたばかりなのでどれに該当するのかは解らないがビョウインとやらの外であっていた少女というのなら肯定だ。」
「ならその子を治してみてくれよ。」
「同情か?」
「違う。」
「ならなぜ?現状を打破できるのだぞ。」
「俺のは生きていける。
生き地獄にするか天国にするかは俺次第だ。
まあ人並みの幸せが遅れるだろう。
でもあいつは違う。
明日死ぬかもしれない命を助けたらこれから降りかかる辛いことと楽しいことの両方が降りかかる。
俺はその人生を見てみたいのさ。」
白虎は押し黙った。
話だけを聞けばなんとひねくれた人物なのだろうか。
自分が助かることにも裏があると思っているのかもしれないがある意味で己の現状に満足しているのかもしれない。
「見返りは求めないのか。」
「俺はただ助けただけ、それを誇りに思うことはあるかもしれないが、その先については責任を持たない無責任な男なのさ。」
「承知した。」
人一人の命を己の将来を、全てが虐げられる日々になるかもしれない未来になる可能性が極めて高かった現状を投げ捨てて命を救うのだから誇るくらいのことはしても良いかもしれない。
でも俺の根底にあるのは生きること自体が希望だった彼女に生きること与えたとき本当に感謝をし続けるのかが気になった。
俺にとって生きることはもう絶望でしかない。
要は自分の考えが正しいことを証明したいだけなんだ。
普通ではない人間が普通になれば今までと同じになると思いたいんだ。
「カカカ、白虎面白いことをしているな私にも混ぜさせろ!」
「な!貴様何故ここに入れる!」
「もう私に敵対する気などありはせんよ。母を殺された仇は討ったしのやるせない気持ちを人間たちにぶつけたにすぎぬ。」
突然現れた角付きの巨躯の人間を冷静に見据えて観察し始める。
アレが俺の身体に居る鬼とやらか。
男にしか見えないのだけども女のようにも感じられた。
「ならなぜあの子に傷跡を負わせたのだ。」
「私じゃないさ。こやつが生まれてくるときに傷を負ったのは事実、その際に私の一部が漏れ出したのに過ぎん。」
「ならとっとと治すべきだ。おぬしの力を吸い出せばいいだけの話では無いのか!」
「「それは無理だ。」」
俺と鬼の口が揃った。
完全に俺の身体とこの鬼と同化している。無理に吸い出そうとすればどちらかに力が完全に飲まれる。
俺には長年一緒に居たからわかる。
これはもう無理矢理はがしていい者じゃないと。
白虎の治癒魔法の時は引きはがしても良いとは思ったがこの鬼の力とあの傷は格が違い過ぎるように感じた。
「こやつの言う通りだが少し語弊がある。こやつの身体は白虎と俺の完全に融合しているのだ。こやつの治癒とはこやつよりに力を全て持っていくことに他ならぬのだよ。」
「む、私の治癒魔法ならば確かに一回きりなら治せるが、おい鬼、おぬしの力でこの子の願いをかなえるのだ。」
「そいつも無理だ。アレは神に魅入られている。見ればわかるだろ。お前も忘れたか神どもに魅入られたモノは同じ神の力でしか治せぬことを。」
「ち、なまじ強いだけの悪霊が!」
言い争っている中で要所要所を拾ってまとめ上げてみる。
1.俺の中で白虎と鬼と完全に融合している。
2.白虎の治癒魔法は特別なもので神の力を宿している。
3.俺と今日あった美少女の傷(病気)は神の力が干渉してできたもので同じ神の力でしか治せない。
4.鬼は神を追い詰めるくらいの力を持っているが神ではない。
ざっと考えるとこんなものだろうか。
他にも鬼と白虎で与えられる力にも差がありそうだが今は良い。
「まあいい。俺の望みは先ほども言ったとおりだ。アレに希望と言う名の絶望を与えてくれ。」
「ひねくれてんな。ま、俺には関係ないけどな。
まあ俺からも力を授けてやるから白虎は言う通りにしときな。
こいつは治したところでどうすればいいか正常な判断ができなくなるって思ってるだけだ。」
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