22 / 119
22
しおりを挟む
「ふう、今日も学校だな。」
とは言っても夏休みの宿題を提出されるだけがの授業がここ数日続くだけだ。
山道を自転車で走って電車に向かう。
道中では様々な野生動物を見ることのできる生きた秘境。
ハクビシン
ネコ
クマ
リス
キツツキ
であってももう人間に慣れているのか襲うことも逃げることもしない。
「mou(@_@)」
牛!?
今まで牛は見てこなかった。
しかもその模様は忘れる筈もないホルスタインの模様。
気づいたら全速力で坂を下っていた。
「momomou!(~゜)~~~」
本来下りで早く走ろうとする生物はいない。
だが、目の前の牛は躊躇なく突進してきた。
『はい辞め!』
「mou?(。´・ω・)?」
牛が天へと召されていった。
「momou!?」
『個体名無し、所属世界6797897897891421432143527308番、規約違反により世界より強制退去を願います。』
「mou~(ToT)/~~~」
牛は涙を流しながら別れを惜しむ星となって消えていった。
「あ、朝から何だったんだ。」
恐ろしい化け物の脅威は去った。
でも心残りがあるとするならば。
「異世界への無料パスポートもしくはパスポートが普通に手に入るのか?」
◇◇◇◇
「今回あなたは世界52389075832969番に対して破壊行動を行いましたね。世界52389075832969番は神界規定によって破壊行動が違反となる世界です。」
地球の女神がそこに居た。
「mou!(神《カオス》はそんなこと言ってなかった!)」
「カオス神ですか。あのお方はまたどこぞの世界をほっつき歩いていると思ったらそんなところに居たのですね。」
「mou(あの神何やってんだ?)」
ほっつき歩いている姿は見たことが無いが放浪神らしい。
放浪の旅は良いものだけど疲れることが多い。
けどアレは昼寝ばっかりしてるし神と神以外では規格が違うと思うことにした。
私は出来れば全てカオスのせいにして早く未来の伴侶を追いかけたいです。
「仕方がありません。今回はカオス神に免じて見なかったことにしますが二度と規定を犯さないように教育は受けていただきます。」
「mou(・ω・)ノ」
「きちんと勉強すれば1時間程度で終わります。でも終わらなかった場合は…………。」
「mou(終わらなかった場合は……?)」
ためにためを作って女神はにっこり笑顔で言った。
「1万年ほど勉強していただきます。」
笑顔なのに蛇睨まれたカエルのように身体がじっとして動きたがらないです。
マジ怖いっす。
でもこれじゃあ伴侶獲得できないっす。
伴侶様は人間だから寿命が来ちゃいまっせ。
「大丈夫です。神界での時間は数百分の一ですから充分朝のホームルームには間に合います。さ、早く人間形態になりなさい。」
「…………ひっ……………………。」
◇◇◇◇
学校に最寄りの駅に着いたは良いのだが今朝のこと以上にうるさい人物が俺の隣を歩いていた。
加藤 明日香さんだ。
駅のホームで待ち伏せされていたようで泣く泣く隣を歩かせている。
「ねえ、刀赤さんってお家がとても遠いの?」
「……。」
「好きな人とか居るの?」
「……。」
「私たちがベストカップルって噂がたったら付き合ってくれる?」
「……。」
「沈黙は肯定で良いの?」
「……。」
仕方が無いのでスマートフォンを取り出して携帯辞書のページを見せる。
黙秘権
「ずるいよう。」
「……。」
「むむむ。」
(# ゚Д゚#)
顔をいきなりタコのように膨らませていることから笑いでも誘っているだろうか?
「ねえアレ何かしらね。」
「倦怠期のカップルかしら。」
「でもそれにしても男の子の背中が下着をつけているのに目立つくらい盛り上がっているわね。」
「もしかしてあっち側の人なんじゃない。」
「え、じゃあやり捨て?」
主婦の方々はありもしない噂話が大好きだ。
学校の人間ですら変わらないのだから、こういう部分を気にしても変わらないのだろう。
またいつものことだと思っているとスッと隣から気配が移動したのを感じた。
「あなたたちにありもしない噂話をする資格があるんですか!」
「な、なによ。」
「あなた方も女性です。それに私の先輩でもあるから知っているでしょうに私が恋した人の傷は特に女性に起きやすい病気です。あなたたちは確かに子どもを産む辛さを知ったんでしょう。なら自分とは違う人の痛みを抉るようなことが何でできるんですか?」
こういう時なぜか昔読んだ漫画を思い出すんだよな。
やろうとすることをしなければ何も変わらない。
だから当たって砕けても良いくらいの気持ちでやってみろ。
「あ、あな「すみません。うちのクラスメイトがご迷惑をおかけしました。」……もういいわ。こっちも悪かったしごめんなさいね。」
深々と頭を下げてその場を後にした。
「何で自分のことをそんなに卑下にするんですか。」
「……。」
「また黙ってえ!」
昔はよブチキレていたよ。
でも、どんなに否定しても無意味だってわかってるんだよ。
「もう、いいです。
そういえばまた転校生が来るみたいですよ。
なんでも海外からの転校生だとか。
でも安心してくださいね。
私は転校生がイケメンだったとしてもあなたのことを見捨てたりしませんから。
まあ私のような強烈な印象を残した転校生なんてそうそういないと思いますけどね。」
見捨ててくれ、そう思った。
とは言っても夏休みの宿題を提出されるだけがの授業がここ数日続くだけだ。
山道を自転車で走って電車に向かう。
道中では様々な野生動物を見ることのできる生きた秘境。
ハクビシン
ネコ
クマ
リス
キツツキ
であってももう人間に慣れているのか襲うことも逃げることもしない。
「mou(@_@)」
牛!?
今まで牛は見てこなかった。
しかもその模様は忘れる筈もないホルスタインの模様。
気づいたら全速力で坂を下っていた。
「momomou!(~゜)~~~」
本来下りで早く走ろうとする生物はいない。
だが、目の前の牛は躊躇なく突進してきた。
『はい辞め!』
「mou?(。´・ω・)?」
牛が天へと召されていった。
「momou!?」
『個体名無し、所属世界6797897897891421432143527308番、規約違反により世界より強制退去を願います。』
「mou~(ToT)/~~~」
牛は涙を流しながら別れを惜しむ星となって消えていった。
「あ、朝から何だったんだ。」
恐ろしい化け物の脅威は去った。
でも心残りがあるとするならば。
「異世界への無料パスポートもしくはパスポートが普通に手に入るのか?」
◇◇◇◇
「今回あなたは世界52389075832969番に対して破壊行動を行いましたね。世界52389075832969番は神界規定によって破壊行動が違反となる世界です。」
地球の女神がそこに居た。
「mou!(神《カオス》はそんなこと言ってなかった!)」
「カオス神ですか。あのお方はまたどこぞの世界をほっつき歩いていると思ったらそんなところに居たのですね。」
「mou(あの神何やってんだ?)」
ほっつき歩いている姿は見たことが無いが放浪神らしい。
放浪の旅は良いものだけど疲れることが多い。
けどアレは昼寝ばっかりしてるし神と神以外では規格が違うと思うことにした。
私は出来れば全てカオスのせいにして早く未来の伴侶を追いかけたいです。
「仕方がありません。今回はカオス神に免じて見なかったことにしますが二度と規定を犯さないように教育は受けていただきます。」
「mou(・ω・)ノ」
「きちんと勉強すれば1時間程度で終わります。でも終わらなかった場合は…………。」
「mou(終わらなかった場合は……?)」
ためにためを作って女神はにっこり笑顔で言った。
「1万年ほど勉強していただきます。」
笑顔なのに蛇睨まれたカエルのように身体がじっとして動きたがらないです。
マジ怖いっす。
でもこれじゃあ伴侶獲得できないっす。
伴侶様は人間だから寿命が来ちゃいまっせ。
「大丈夫です。神界での時間は数百分の一ですから充分朝のホームルームには間に合います。さ、早く人間形態になりなさい。」
「…………ひっ……………………。」
◇◇◇◇
学校に最寄りの駅に着いたは良いのだが今朝のこと以上にうるさい人物が俺の隣を歩いていた。
加藤 明日香さんだ。
駅のホームで待ち伏せされていたようで泣く泣く隣を歩かせている。
「ねえ、刀赤さんってお家がとても遠いの?」
「……。」
「好きな人とか居るの?」
「……。」
「私たちがベストカップルって噂がたったら付き合ってくれる?」
「……。」
「沈黙は肯定で良いの?」
「……。」
仕方が無いのでスマートフォンを取り出して携帯辞書のページを見せる。
黙秘権
「ずるいよう。」
「……。」
「むむむ。」
(# ゚Д゚#)
顔をいきなりタコのように膨らませていることから笑いでも誘っているだろうか?
「ねえアレ何かしらね。」
「倦怠期のカップルかしら。」
「でもそれにしても男の子の背中が下着をつけているのに目立つくらい盛り上がっているわね。」
「もしかしてあっち側の人なんじゃない。」
「え、じゃあやり捨て?」
主婦の方々はありもしない噂話が大好きだ。
学校の人間ですら変わらないのだから、こういう部分を気にしても変わらないのだろう。
またいつものことだと思っているとスッと隣から気配が移動したのを感じた。
「あなたたちにありもしない噂話をする資格があるんですか!」
「な、なによ。」
「あなた方も女性です。それに私の先輩でもあるから知っているでしょうに私が恋した人の傷は特に女性に起きやすい病気です。あなたたちは確かに子どもを産む辛さを知ったんでしょう。なら自分とは違う人の痛みを抉るようなことが何でできるんですか?」
こういう時なぜか昔読んだ漫画を思い出すんだよな。
やろうとすることをしなければ何も変わらない。
だから当たって砕けても良いくらいの気持ちでやってみろ。
「あ、あな「すみません。うちのクラスメイトがご迷惑をおかけしました。」……もういいわ。こっちも悪かったしごめんなさいね。」
深々と頭を下げてその場を後にした。
「何で自分のことをそんなに卑下にするんですか。」
「……。」
「また黙ってえ!」
昔はよブチキレていたよ。
でも、どんなに否定しても無意味だってわかってるんだよ。
「もう、いいです。
そういえばまた転校生が来るみたいですよ。
なんでも海外からの転校生だとか。
でも安心してくださいね。
私は転校生がイケメンだったとしてもあなたのことを見捨てたりしませんから。
まあ私のような強烈な印象を残した転校生なんてそうそういないと思いますけどね。」
見捨ててくれ、そう思った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる