換金スキルとショップスキルでバグ技大金持ち〜無限に増える1円玉でスキルを買いまくる～

61-1

「じゃあお休み。」
「お休み。」

結局話はうやむやにして寝るに至った。
発情牛はもういないがまた発情されると面倒なので縛って隣の部屋に捨てておいた。

「今日もいろんなことがあったな。」

布団に着いたは良いものの中々寝つけずにいた。

「ちょっと夜食でも作って食べようかな。」

じいちゃんとの鍛錬やミウスさんの相手をして物理的に疲れていると身体が感じているせいだと思い何か料理でもしようと思った。

「ちょっと外で焚火でもしながらなんか焼くかな。」

田舎の贅沢というものをやろうと思う。
焚火なんかその代表例だ。
あまり煙が出ないように調整しつつキャンプ場としても扱われていたところまで下りればいくら火を焚こうとお小言を言われることはない。

「とりあえず野菜がいくつかあったしそれとなにか……あ、じいちゃんが取ってきた鹿があるね。」

じいちゃんは取ってきた獲物をどうしようととやかく言わない。
あまり料理もしないので炊事の担当は主に自分だし今年の分の保存食も大体作り終わっているので文句を言われることは無いだろう。

「ふう、薪もこのくらいあれば大丈夫でしょう。」

余り煙を燻てる気は無いので肉はとても少なめに後は野菜で一人焚火を始めた。
風に揺られて不均一な光と熱の揺らめきを見るのはとても楽しい。
時折聞こえてくるパチパチとした弾ける音も自然と眠気を誘う。

「五覚を会得してから見ないでよかったモノが見えるようになったけど、なんか見たくないときには見えなくなるわけじゃないんだね。」

何者かがこちらに視線を向けていることに気が付きはしたが遠慮の視線を感じたのでそのままにしていた。
それよりも今は目の前にある野菜と肉を楽しむことにした。

「コーヒーも飲みたいけど寝る前だしここはカフェインレスのタンポポコーヒーでも入れておこうか。」

持ってきたのはニンジン、レンコン、カボチャ、鹿のすじ肉。

野菜たちは厚めにカットすることで野菜チップス特有の香ばしさとカリっとした心地良い食感と共に中身特有のニンジンは脆さ、レンコンは粘り気のある味わいに、カボチャはほくほくかつねっとりとした味わいをしている。
軽く塩を振っただけで満足できる味わいになるが今回は塩は使わずに鹿のすじ肉を噛みながら塩分をほとんど取らずに他の味覚を楽しんでいた。

すじ肉はとても硬く本来焼いて食べる食材では無いが異世界に行ったおかげなのかそれとも普段からそこそこ硬い食べ物を食べさせられてきた賜物なのかは知らないがゼラチン質の旨味がゆっくりと口の中に広がりつつも噛むことの楽しさを思い出す食事に成り立っていた。