換金スキルとショップスキルでバグ技大金持ち〜無限に増える1円玉でスキルを買いまくる~

スライム道

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「おいちょっと面貸せよ。」

今朝登校して見れば不良の挨拶のようなことを言われた。
この学園には不良と呼ばれる人はいない。
しかし血気盛んな若者は居る。

特に運動部の中でも格闘技系の奴らは暇さえあれば練習試合を他校に申し込みトラウマを植え付けると恐れられている。

他校から通称は合法的不良。
うちの学校では評判のいい運動部の化けの皮を被っている。

そんな彼らが自分に話しかけるのは珍しかった。

「結構一方的だけど要件は何かな。
 要件すらも教室では聞けないような内容なら私は行く気はないよ。」
「よ、要件は恥ずかしくて言いづらいんだが…。」
「恥ずかしいって羞恥心が出るようなこと?」
「あ、ああそうだ。」
「中学2年生辺りの思春期に発症する病気のことがバレたとかソレともモテたいとかそんなことなら俺は知らないよ。」

なぜわかったという顔をするクラスメイト。

一切関わりのない彼らに自分に相談することがあるとしたらこのくらいしか思い浮かばない。
もしくは宿題の答えを見せてくれとかその辺りだろう。

もし相談されても特にアドバイスできる立場にないし経験も一切ない。

自分は基本的に嫌われ者の立ち回りをしているし黒歴史的なことの経験は小学校低学年で終わっている。

「お、俺今までモテたことないんだ。
 ブサイクだしむさいって言われてるし制汗剤つけても汗かくしニキビだって多いからお前ほどじゃないけどケロイドが身体にできてる。
 さ、最近幹がモテ始めたからなんでモテ始めたのか聞きたくてさ。」

確かこの子は大山先生が顧問を務める柔道部の奴だったはず。
俺の傷はケロイドと医学的には診断されている。
彼の傷がケロイドかそうでないかは知らないが大山先生のお節介だろうか。
それとも彼自身も同じ体験をしたからこその共感をしているのか。

何にせよ今になって言うからには虫が良すぎる。

「じゃあ君はモテたいのかい。
 もし君がケロイドをコンプレックスにしているのなら今更モテても何かしらの勘繰りを入れる先入観が出るんじゃない。
 その先入観ありきでも良いなら今の現状を君に明け渡したいくらいだよ。」

現状が最良かどうかは本人が判断するのは当然。
モテているかどうかすらまだ確信を持てない疑心暗鬼な思考をするクラスメイト達が多い中で彼がモテていると確信をもって話したのは初めてではあった。
彼なりの勇気を振り絞ったのは認める。
でも今まで自分のしてきた純然なる集団の意思に流されるままに加担していた。

「すまん。」

彼は心底落ち込んでいた。
元々気の弱い性格だったのかもしれない。
身体が大きく、筋肉が付くたびに人は自身を付ける弱い自分を騙すように精神を高ぶらせることが多いが彼は違うようだ。
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