換金スキルとショップスキルでバグ技大金持ち〜無限に増える1円玉でスキルを買いまくる~

スライム道

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「ッツ、私は。」
「目が覚めたか。
 なんとなくは覚えてるよ。
 鬼の女王さん、さっきは八つ当たりをしてすまなかった。」
「いやそれは良い。
 お前は怒る前のそれと一緒か?」
「そうだけど。」
「なんであんな危険なことができる。
 仮にもお前自身だろ。
 なぜ餓鬼、鬼と契約をした。
 私が言うのもなんだが鬼は欲望の塊だ。
 そんなやつと契約すればどうなるかわかったもんじゃないぞ。」

鬼、悪魔との契約の代価として魂を頂戴する。
絵物語、吟遊詩人などの神話の語部たちから言われ続けた誰でも知っていること。
決して迷信ではない魂の契約は半身とはいえ承諾して良いものなのか。
悪魔自体の契約の違反につながらないのか。

気になる点はいくつもあるが今まで女王は一度も魂の契約を結んだことはなく。
人間、生物の命をとても重くみていた。

「倫理とかそんなのってさ。
 命は重いっていつから決まったんだ。
 命は昔から軽いものだって習ってきてるはずだけどな。
 女王さんも俺の学んできたことを見ればわかるはずなんだけどな。」

確かにのぞいていたがその中では命は軽いなんて表現を使っていたことは一度も……。
一度、あったかもしれない。
誰かが死んだとかそんなことではなく。
学校の何気ない授業中に一度だけ命の重さについて教えられていたことが。

「社会の授業だったかな。
 道徳を教える上で切っても切れない授業だよね。
 命の軽さを知るには良い機会だったよ。
 命を重くみているのは先進国の方が多い。
 他は労働力という意味だったりの意味合いだって多いし宗教のやってきた命の冒涜なんて大量にある。」

命は冒涜されるためにある。
倫理、価値観は時代ごとに異なり、命の冒涜に思えることは必然と行われ続けている。

「お前の言いたいことはわかった。
 だけどなその命の冒涜で救われた命もあるんだよ。」
「神にでもなったつもりか。」
「まだ私は神じゃねえ。
 でも今ここで至ればいいだけだ。」

《牛の獣鬼女王の願い》は《山姥の願い》に変化しました。

「人間になりゃあいいだけのことだ。」

彼女の身体は若い女子、女子高生のようになっていた。

「これで私もアンタらと同じ人間になったわけだだからお前の呪いも解ける。
 無理にでもそうなってもらう。
 お前のクソくだらない屁理屈を真っ向から叩き潰すためにな。」

山姥は古来より巫女としての側面が強い鬼だ。
半妖半人としてこの世に顕現するには十分すぎる功績を残している女王は晴れて人間道に降り立つ決心をした。

「学校で会おうな。」

そして幹の視界は黒く塗りつぶされた。
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