換金スキルとショップスキルでバグ技大金持ち〜無限に増える1円玉でスキルを買いまくる~

スライム道

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「ストレスを発散すると言ったら一人カラオケだよね。」

 人にもよるけど、声を出すことでストレスを発散する人は多いはず。
 運動などでも発散できるだろうけど、そこは陰キャの捻くれ者で、ケロイド状の傷があった人間。
 無理。

 カラオケは陽キャのイメージが強いって?
 オタクどもはカラオケで日々アニソンを歌っている輩も多いのだよ。

「ま、歌うのはDZだけど。」

 アニソンオタクでも知っている人は知っているロックである。
 大体お父さん世代が歌っているような曲だけど、ストレスを発散するという点では一番いい曲になるかもしれない。
 全力で歌ってもいいし、うまくなりたいから歌っている人は一定数いる。
 世代的にも歌っていておかしくない歌だから発散できる。

 一人の時間が欲しいと思いながら最近家が侵略されていることを鑑みれば、多少の外出くらいいいだろう。
 と鷹をくくり、カラオケ店に入った。
 一人で入るのは人生初かもしれない。
 家族で入ったことはあった。

「あの時は楽しかったね。」

 コンコン。

「あ、はい。」

「ドリンクをお持ちしました。」

 明日香さんがいた。
 大方、お小遣い稼ぎなのだろう。
 ここは無視だ、無視。

 いったお店に知り合いがいたら必ず無視。
 そのオーラを出せば大抵相手も察する。

 が、相手は話すなオーラをものともしない相手だった。

「幹さんがカラオケに来るなんて珍しいですね。
 いつも家にはまっすぐ帰っているとお義祖父様がおっしゃっておりましたが、今日は気分転換ですか?」

 無視!
 次の曲を入れよう!

「もう!
 なんで、答えてくれないんですか!
 ここで泣き叫びますよ!」

 男女平等のかけらも見当たらない冤罪率多々ありの伝家の宝刀。
 それやられたら、俺のほうが絶対不利です。
 昨今、こういった脅しで金をとる輩は増えておりますし、事情を説明すれば納得してくれると思いますが、圧倒的に不利なのは男性側。
 男性側はたとえ裁判を起こしても勝てる確率が非常に低いそうです。

 せっかくのオアシスを奪われて、心苦しいが仕方がない。

「ナンデココデバイトシテイルンデスカ。」

 他人のふりをしたかったけど、じいちゃんに聞けばわかること。
 ここは話さなくてはならない。

「社会勉強です!」

「明日香さん、なら仕事中は知人と出くわしたとしても、多少会釈する程度に収めておかないと業務を怠っているとみられる場合があるから早めに戻ろうね。」

 正論で返す。
 それで収まってくれ。
 世の高校生はこれでは収まらないらしいが、ここは非常識人、常識を取り入れようとしている人間なら素直に言うことを聞いてくれるはず。

 ここで退なかったら、このお店にクレームを入れるしかない。
 お店側にも迷惑をかけていることを自覚させるにはこれしかないのだ。
 頑張れ学ぶ力、こちらは最終奥義を使いたくないんだ。

「ええと?
 ここには知り合いが来ることも多いだろうから、しゃべってもいいよってここの店長がおっしゃっておりましたが?」

 テンチョー!!
 アンタ、何てことしてくれたんだ!
 アルバイトって社会勉強でしょう!
 社会の厳しさの一端を教えてやってくれよ!
 これじゃあ最終奥義使っても意味ないやん!
 むしろテンチョー首になっちゃうよ。

 たった一度の来店で首を飛ばせるレビュークレームを出す客はどんな客だと言いそうだが、的確なところを言えば警察が動いたりするのである。
 カラオケ店の場合密室で完全個室での飲食店ととれるので衛生的な観点でも閉店させる要因で来たりする。

 尚、現在はこの状況だと恐喝罪などに問われる可能性がある、会話する意思がないことからできる内容だ。
 あくまで、匿名でのタレコミになるけど、訴えればこっちが勝てるかどうかは微妙。
 隣人トラブルの延長線上にあるとして、警察が動かない可能性もある。

「僕も歌いたいからここにきているわけだし、時間制限もあるから出て行ってくれる。」

「それは失礼しました。
 ではまた、おうちで会いましょう!」

 会わなくていいよ。
 あー、俺にはオアシスになる場所は存在しないのか。

 でも、ドリンクは頼んだ以降何も頼むまいと決めて、それから2時間思う存分歌った。
 のどが枯れたけど問題なし。

「あの子は元気にしているだろうか。
 よくカラオケに連れて行ったものだが、そろそろお父さんに会いに行ってもいいか聞いてみるか。」

「そうね。
 私としても会いたい気持ちでいっぱいだけど。
 あの子がそれを許してくれるかしら。」

「わからないが、あそこにいる人と同じくらいの年だよな。
 息子は。」

 すぐそばに。
 かつて失ったものがいることを誰も知ることはなかった。
 その双方が会いたいと思いながら会いたくないと思う、相反する感情を持ち続ける限りは決して交わることのない線が出ていた。

「DZを歌っているのは珍しいな。」

「そうかしら?」

「歳が歳だし、まあ私くらいなら当然だが。」

「じゃあ楽しませてもらうわね。」

 人影が目に入ったとき。

「あの人たちは....」

 無言でじいちゃんにメールを送った。
 それが互いのためになると信じて。
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