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スライム道

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87 税金とは

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　一人カラオケに行った次の日。
　俺はミウスさんと共にふるさと納税サイトを見ていた。
　というのもミウスさんの方がこの世界でお金を稼いでいたため、来年は確定申告をしなくてはならない状況に成っていたのだ。

　確定申告とは。

　確定申告（かくていしんこく）は、日本の租税に関する申告手続を言い、次の諸点を指す。

　個人が、その年1月1日から12月31日までを課税期間として、その期間内の収入・支出、医療費や扶養親族の状況等から所得を計算した申告書を税務署へ提出し、納付すべき所得税額を確定すること
　法人が、原則として定款に定められた事業年度を課税期間としてその期間内の所得を計算した申告書を税務署へ提出し、納付すべき法人税額を確定すること
　消費税の課税事業者である個人または法人が、課税期間内における消費税額を計算した申告書を税務署へ提出し、その納税額を確定すること。

　ふるさと納税は先に税金を納めてしまうという制度だったりする。
　そのほかにも返礼品が来るが、地元にも行うことができ、この場合、返礼品は送るもらうことはできないが、そのかわりと言ってはなんだが道路などの公共物に対しての修理などの税金の使われ方を指定することが可能となっている。

　つまりは、自分の現在住んでいる地域にふるさと納税しても利はあると言う事。
　このまま行くと来年は税務署のお世話になりそうだし、額の計算都合上彼らの採算が合う気がしたので緊急を要するわけではないが念ためにふるさと納税を行わないかとの提案だった。

「牧草一年分？」

「それに需要があるのはミウスさんだけだと思うけど、今は人間と同じものを食べているけど、これからは別のモノを食べる必要になるけど大丈夫？」

　牧草１年分だなんて本来必要のないものだし、よく見たら天然芝のふるさと納税だったことからミウスさんでも食べられそうではあるけど、いつもは人間と同じものを食べているわけだし、俺は牧草を食べられない旨を伝えればなんとかなるかな。
　天然芝なんてここら一体の山からそれらしいのを採ってきたり、タネを植え付けて定着させられるだけの腕をじいちゃんはもってるしあまり意味がないかな。
　庭を造る趣味は良いと思うけどミウスさんは明らかに食べることが目的っぽいし牛と同じ分量を食べるとしたらそんなにない。
　牧草一年分と言っているけど、面積の分量から見るに増やすことを前提に言っているしね。

「むむむ、夫婦が完全に違うものを食べるのは離婚の前兆に成る可能性がある。
　....牧草が食べられないのは残念。」

「筋肉とかは維持するためなら嗜好品程度なら育てても良いから、他のするだけだよ。」

「わかった。」

　ミウスさんは聞き分けよく他の特産品が無いか見ていた。

「これがいい。」

　といって見せたのは家畜用のブラシだった。
　…わからないでもない。

「それって俺にやれってことかな？」

「うん。」

「まあいいか。
　ホントに偶にだからね。」

　ブラッシングは完全後回しにするとして、他にもいくつか見繕いふるさと納税を行った。
　他人事だが、これから就職するにあたって必要な事項である確定申告などの税金に関する現場を見れたと思えば大変ではあったがいい経験を積めたと思う。
　他にも積立nisaなどの節税対策を行っていく。
　ミウスさん自体はあまり興味が無いことではあったが、それでも将来この世界に永住するかもしれないと思っているのかそこそこ熱心に見てくれた。

「それでミウスさんって他に好みでもあるの？」

「特にない。
　でもこのあたりに合ったこれは好き。」
　
　天然芝ではなくミウスさん好みの牧草に成りそうな草の苗が無いか聞いてみたところ差し出されたのが二つだ。

　クローバー（シロツメクサ）
　日本芝と外来シバ科植物の交雑種

　最後の方は結構面倒そうなのあったなあと思いつつ恐らく九州や沖縄にある日本芝が渡りに渡って今の状況に成っているんだろうと思いつつ見逃す。
　ただ育てるのは、数年先になりそう。
　生態系に影響が与えられないとも限らないので試験的にビニールハウスのような生態系を模したものを作って問題が無いか調べた上で植えることにする。
　在来植物を上回る繁殖力は無さそうだが、実際山にすら根付いているので気を付けておかないと一気に増える可能性もあるため良く調べておく必要がある。

「うーんとりあえずクローバーは良いけど、もう一つの方は当分先かな。
　他の生態系を及ぼす可能性もあるし、それなりに調べてからじゃないと普段食卓に出す山菜とかが無くなってしまうかもしれないから後回しに成るけどいいかい？」

「構わない。
　ふだんおいしいごはんを食べれてるし。
　それと今日はありがとう。
　税金関係についてはあまりわからなかったから助かる。」

「僕もあまり得意というわけではないけどね。
　なんなら初めてだし。
　じいちゃんがやっているのを多少見たから知っているだけだからね。」

　じいちゃんは年金暮らしというわけではなく、何かしらの職業を持っている。
　あまり伝えようとはしないため道場以外に何かやっているのだろう。

「それでも助かった。
　だからありがとう。」
　
「うん、これから一緒に勉強しようね。」

　言質を取ったと思ったのはミウスさんだけだったりする。

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