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ところ変わって幹の祖父はとある人物と会談を行なっていた。
幹は誰と合っているか知らない。
これは幹たっての希望での会談であったが、当の本人を除け者してまで慎重に行うべき会談だった。
これは彼の父親と母親との会談である。こうなってしまったのは、カラオケをしていた幹を見つけたこの両親のせいである。
彼らは懐かしいんだ。
だから会いたいと思った。
それは至極当然のこと、至極当然だからこそ行ってはいけない。
なぜならば、すでに未来の日常において、両親と言う存在はなかったのだ。
なくなって、当然の存在に再び合間見る事は自我の否定につながりかねない。
「お義父さん、幹にあわせていただくことはかなわないのでしょうか。」
「幹が今まで積み上げてきたモノを見てお主らは非常識だと口にしないと誓えるのか。
ワシはそうは思わん。
主らは今まで幹を見ずに過ごしてきたじゃろうて、少なくとも今の幹はワシと近い考えを持っておる。
主ら自体ワシをよく思っておらんし、その中で幹と相まみえてみろ。」
今まで信用してきた者たちが壊れていく様を見た。
彼の心情を察するにもっと壊れてしまうのではないかさらに見放されてしまうのではないかそう考えてしまいそうになって、不安がどんどん重なっていく。
両親はその言葉を受け止めようとすることができなかった。もちろん、自分たちがその考えに至らなかった。
叶わない。ただ、会いたい。
その一心がその可能性嫌われてしまう見放されてしまうと言う可能性を否定することができなかった。
この父親は本当に人間の悪い部分も良い部分もわかっている。
どちらも見てきた。
どちらも見てきたからこそわかる感性が今の彼を支えていたのだろう。
愛し貴息子であってもわからない、親心と言うものがこの父親にはあった。
それに比べて自分はどうだろう受け入れることだけを目標とした父親など見放されたと思ってもしょうがない。
「私が今幹に会うと未来はどんな表情をされるでしょうか私には分かりませんが、お義父さんならお分かりいただけるでしょうか。」
「それは私にもわからんなぁ。
私が思うに未来は泣いてしまうかそれとも怒ってしまうだろういやただ泣くだけかもしれない。
表情は変えずになぁ。
幹から1つ相談があってなぁ。
過去のケジメとして一回だけ会ってやってもいいと提案があったんじゃ。
歌を歌う場所で見たと言っておってなぁ。
おそらくは決別のために会おうと言っておるのじゃろ。
今の幹にお主らがあったところで、ワシとしては親子の縁を切る話をするためだけに会うようにしか思えん。
お主らはそれで満足はせぬだろうて、幹に家族と言うものはそれ以上にありがたいものじゃそれだけに、わしは幹が未来にも家族を捨てるのは早すぎると思っておる。
さらに孤独にはなって欲しくは無いのからのう。
私は今でもおぬしらと家族を置いて戦争してたことを未練に思ってこそ、ワシは後悔はしておらん。
自分がやるべきことをやれたそれだけで満足じゃなぜ日本に原爆が落とされたか、その意味を理解することができた。
やれなかったことに対する後悔はあれどワシは満足しておる。
でも幹は満足できるだけのもう一つのもんを持っておらん。
だから今はまだ、待ってくれ、もう少しで幹がもんを手に入れられそうなんじゃ。」
子どもの将来を思う心は親心があれば誰も変わらない。
育ての親でも生みの親でも。
変わらないものだからこそ、彼らの考えは理解しあえるだけの知を持っていた。
感情は今すぐにでも会いたい。
でも、会ったらもう二度と会えないかもしれないことが脳裏を過る。
「はい。」
「ありがとうございましたお義父さん。
私たちもまだ過去の幹しか見ていられなかったようです。」
「ならええ。
今は二人、いや三人か。
思いを寄せる女子らが幹に何か植え付けようとしてくれておる。
今はそれを待たれよ。
曽孫が当分できそうにないのは非常に残念だがの。」
最後の最後にジョークを混じらせるかの茶目っ気に、思いのほかツボに入ったのか幹の両親は笑っていた。
ウインクまでするものだから、年齢に似合わず若者と言ったところなのか。
「幹はモテますか。」
「ああ、もともと幹は芯のある子じゃったし、一緒に居れば惹かれるところもあろう。
それに、ひねくれてはいるが今の世の中、さほど珍しくない部類じゃろうて。
少々突き放しすぎなところもあるがな。」
もともとケロイド状に変異していた呪いによって、人とかかわること自体が嫌だった子だ。
ひねくれているのは致しかないにしても、そうかモテるのか。
何に惹かれるかはその人次第だけど、惹かれるだけの魅力を持つことができたそれは素晴らしいことなのかもしれない。
「孫ができないというのは異性として見れていないのでしょうか。」
「そうじゃなあ、まだ観察対象と言ったところかのう。
犬猫を見ているようだが、好意的な視線ではある。
動物園の動物程度な認識じゃろうな。
キャバクラに通っとる男子よりか達観した目をしておる。」
「思春期なのにそれはどうなのかとも思いますが、幹にはそれだけでも大きな前進ですね。」
「あなた、キャバクラに行ったことがあるのかしら?」
「あ....」
「近況報告はするが、あまり頻繁にはできん。
二月に一回ほど手紙を出すがあまり期待はせぬようにな。
ワシはこれで帰る。」
夫婦喧嘩は犬にでも食わせておくのが正解。
幹は誰と合っているか知らない。
これは幹たっての希望での会談であったが、当の本人を除け者してまで慎重に行うべき会談だった。
これは彼の父親と母親との会談である。こうなってしまったのは、カラオケをしていた幹を見つけたこの両親のせいである。
彼らは懐かしいんだ。
だから会いたいと思った。
それは至極当然のこと、至極当然だからこそ行ってはいけない。
なぜならば、すでに未来の日常において、両親と言う存在はなかったのだ。
なくなって、当然の存在に再び合間見る事は自我の否定につながりかねない。
「お義父さん、幹にあわせていただくことはかなわないのでしょうか。」
「幹が今まで積み上げてきたモノを見てお主らは非常識だと口にしないと誓えるのか。
ワシはそうは思わん。
主らは今まで幹を見ずに過ごしてきたじゃろうて、少なくとも今の幹はワシと近い考えを持っておる。
主ら自体ワシをよく思っておらんし、その中で幹と相まみえてみろ。」
今まで信用してきた者たちが壊れていく様を見た。
彼の心情を察するにもっと壊れてしまうのではないかさらに見放されてしまうのではないかそう考えてしまいそうになって、不安がどんどん重なっていく。
両親はその言葉を受け止めようとすることができなかった。もちろん、自分たちがその考えに至らなかった。
叶わない。ただ、会いたい。
その一心がその可能性嫌われてしまう見放されてしまうと言う可能性を否定することができなかった。
この父親は本当に人間の悪い部分も良い部分もわかっている。
どちらも見てきた。
どちらも見てきたからこそわかる感性が今の彼を支えていたのだろう。
愛し貴息子であってもわからない、親心と言うものがこの父親にはあった。
それに比べて自分はどうだろう受け入れることだけを目標とした父親など見放されたと思ってもしょうがない。
「私が今幹に会うと未来はどんな表情をされるでしょうか私には分かりませんが、お義父さんならお分かりいただけるでしょうか。」
「それは私にもわからんなぁ。
私が思うに未来は泣いてしまうかそれとも怒ってしまうだろういやただ泣くだけかもしれない。
表情は変えずになぁ。
幹から1つ相談があってなぁ。
過去のケジメとして一回だけ会ってやってもいいと提案があったんじゃ。
歌を歌う場所で見たと言っておってなぁ。
おそらくは決別のために会おうと言っておるのじゃろ。
今の幹にお主らがあったところで、ワシとしては親子の縁を切る話をするためだけに会うようにしか思えん。
お主らはそれで満足はせぬだろうて、幹に家族と言うものはそれ以上にありがたいものじゃそれだけに、わしは幹が未来にも家族を捨てるのは早すぎると思っておる。
さらに孤独にはなって欲しくは無いのからのう。
私は今でもおぬしらと家族を置いて戦争してたことを未練に思ってこそ、ワシは後悔はしておらん。
自分がやるべきことをやれたそれだけで満足じゃなぜ日本に原爆が落とされたか、その意味を理解することができた。
やれなかったことに対する後悔はあれどワシは満足しておる。
でも幹は満足できるだけのもう一つのもんを持っておらん。
だから今はまだ、待ってくれ、もう少しで幹がもんを手に入れられそうなんじゃ。」
子どもの将来を思う心は親心があれば誰も変わらない。
育ての親でも生みの親でも。
変わらないものだからこそ、彼らの考えは理解しあえるだけの知を持っていた。
感情は今すぐにでも会いたい。
でも、会ったらもう二度と会えないかもしれないことが脳裏を過る。
「はい。」
「ありがとうございましたお義父さん。
私たちもまだ過去の幹しか見ていられなかったようです。」
「ならええ。
今は二人、いや三人か。
思いを寄せる女子らが幹に何か植え付けようとしてくれておる。
今はそれを待たれよ。
曽孫が当分できそうにないのは非常に残念だがの。」
最後の最後にジョークを混じらせるかの茶目っ気に、思いのほかツボに入ったのか幹の両親は笑っていた。
ウインクまでするものだから、年齢に似合わず若者と言ったところなのか。
「幹はモテますか。」
「ああ、もともと幹は芯のある子じゃったし、一緒に居れば惹かれるところもあろう。
それに、ひねくれてはいるが今の世の中、さほど珍しくない部類じゃろうて。
少々突き放しすぎなところもあるがな。」
もともとケロイド状に変異していた呪いによって、人とかかわること自体が嫌だった子だ。
ひねくれているのは致しかないにしても、そうかモテるのか。
何に惹かれるかはその人次第だけど、惹かれるだけの魅力を持つことができたそれは素晴らしいことなのかもしれない。
「孫ができないというのは異性として見れていないのでしょうか。」
「そうじゃなあ、まだ観察対象と言ったところかのう。
犬猫を見ているようだが、好意的な視線ではある。
動物園の動物程度な認識じゃろうな。
キャバクラに通っとる男子よりか達観した目をしておる。」
「思春期なのにそれはどうなのかとも思いますが、幹にはそれだけでも大きな前進ですね。」
「あなた、キャバクラに行ったことがあるのかしら?」
「あ....」
「近況報告はするが、あまり頻繁にはできん。
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