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「幹、アメリカの友人に会いに行くが、お前も来るか。」

「じいちゃんのお友達?久々に聞いたけど、今度はアメリカの人なの?」

 じいちゃんが戦争時代の友人と会うのは非常に珍しい。
 連絡自体は取り合っているが、ほとんどが海外の人間であるため滅多のことは会うことが無い。
 彼らにも仕事があるし、バカンスという長期休暇があっても行き先は、彼らの家庭を優先していることが多い。

 海外、外国の人達は大抵英語が話せると勘違いしがちだが、外国人の中でもっとも話しているのが多いのが英語なだけで全世界共通言語と言うわけではない。
 次に多いのが中国語などで単に人口が多いから話している人が多いって言うだけのものもある。
 この言語の壁というの非常に難しく、英語は基礎的な部分は体中の言語に通ずるものがあるため、皆英語を習い保存し、なんとなくと言う意味合いで単語をつなぎ合わせることができるから英語を使っていると言うだけである。
 日本語に関して言えば中国を学んでいればある程度知ることができるかもしれないが、基本的には日本語に関しては訓読み音読み及びひらがな、カタカナ和製、英語など複数の言語を混ぜて使っている会話が多く、非常にわかりづらくなっているのが現状だ。
 その言語の壁を突破すべく、いろいろな言語を覚える必要があると言うところで、日本語はある意味えないでは最も高い言語として設定されている。
 それに加えて、じいちゃんの話からすると、戦場で覚えるためにいろんな言語さらに加えて覚えているため、じいちゃんの日本がもはや海外語学って言うレベルを日本語になってる。

 もっと簡単にいうなら、方言だ。
 英語や他の言語が本場の発音で言われるから方言としか表現のしようがない多言語内蔵日本語を話されている。
 慣れればどうってことはないけど、実際聞き取りづらい人もいるんだよね。

 話は逸れたが、その多言語内蔵日本語を話す原因にもなった友達と今回打ち合わせがあるということだった。
 今は異世界言語理解あるおかげで大体理解はできるけど、あの濃い人たちの相手をするのはやや気が滅入る。
 かなりフレンドリーな方達で俺の傷についてもとやかく言わない人たちなのだが、その分濃い人が多い。
 会えていない人も多くいるけど、初めて会う人は大抵濃い。

「久々のバカンスで日本に訪れるそうだ。
 なんでも10年ぶりのバカンスらしくてな。
 仕事が片付いたからこっちに来るらしい。」

 10年ぶりってどんなブラック企業?
 アメリカとかのバカンスって不正監査を行うための休暇期間だよね。
 それが10年無いとか自営業じゃないとおかしく無い?

 若者にしては労働基準法に詳しすぎる自分に屁奇癖しつつ、どんな人が来るのだろうかと少し思いはせていた。
 じいちゃん以外で信頼できるタイプの人と会うのは、またとない機会だ。

「孫も連れてきているらしく、なんでもこちらに留学するらしい。
 その下見もかねてじゃな。」

 詳しく聞くと別の県で学びたいことがあるらしく、高校をこちらで卒業後その大学に進学したいとのこと。
 すでにあちらでの大学修了まで行っている秀才なのだそう。
 大学の卒業論文などに関しては成績としては中程度だが大学自体は超名門で飛び級するに足りえる成績として評価されたらしい。

 はっきり言ってミウスさんと同等程度の会話ができそうだけど、秀才か。
 天才と言わずに秀才っていうってことは勉強が好きでそうなったのかと思いつつ。
 今では慣れてきた初めましての人に心馳せた。

「それで物は相談なんじゃが、この辺りではなく幹が学校に通っているあたりを案内してほしいのじゃよ。
 高校は幹が通う学校にいくらしくてのう。
 他にも案内するところはあるのじゃが、わしはあのあたりの地理に関しては疎くてな。」

 最近は転移を覚えてからほとんどじいちゃん家で過ごしているがマンション自体は解約していないし、あの周辺であればいろいろ話せはする。
 病院に通うためにあのマンションは借りていただけだし、現在は必要ないものでもある。
 いっそ解約しようかじいちゃんに提案したこともあったが、ミウスさんから逃れる場所の避難場所にしてみてはどうかとのアドバイスをじいちゃんからいただいた。

 バレるところではあるが、男が一人になりたい分別は理解してくれるミウスさんではあるので、取っておくにいいこととした。

「ほかにどこか案内するの?」

「東京を案内する。
 幹の行っている学校のあたりも十分都会だが一度世界の都会を見てみたいとの希望があってのことじゃ。」

 アメリカは一見して大都会のイメージついているがそれは一部の都市だけで、大半は日本でいう政令指定都市になっていない県庁所在地程度の都会だとじいちゃんは言う。
 政令指定都市クラスにまでなるとそこまで多くないらしい。
 日本も似たようなものであるため、実際都会はほんの一握りといったところか。

 一部観光に力を入れている都市も存在するがそこまで地元民が活気だっているかというと時期によるため、そこまで都会ではない。

「地元スーパーや飯屋、あとは最寄りの家電量販店を教えてやればよい。
 場合によっては幹に負担を強いることになるかもしれないが、それは許してくれ。」

「うん。」
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