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ソメイヨシノの花言葉は「優れた美人」
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どうもスライム道です
執筆頑張っていきます
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4月6日
今日から新学期、高校2年生の幕開けである。
俺の通う私立秀専学園は都内にある進学校でお金持ちやら芸能人やらが多く集まる学校となっている。ただそれだけならばよくある学校の一つと言えよう。だがこの学園には他の学び舎を探しても中々ないものが存在していた。
時代が進むにつれ教育方針も変化していくべきだと何代か前の理事長が訴え現役社会人に必要な必須スキルであったり資格に必要な講習を希望者は無料で受けさせてくれるのだ。だがその反面学費はべらぼうに高い。
そんなお金のかかる学園に何故俺がこれたかと言うと数少ない特待生枠を勝ち取ったからである。
連絡に関しても紙の資料はほぼ使わず一斉通知で行うようになっている。クラス発表も同じで前日の朝には既に発表されているため迷うことなく教室に向かえる。
「はあ、憂鬱だ」
「なんだよ蒼汰、イベント昇華できなかったのか?」
今話しかけている奴の名前は根田《コンダ》 科夫《カプ》ゲーム会社の息子で俺のやっているスマホゲームのプロデューサーと懇意にしている人物だ。
「そんなところだよ。春休みに実家の手伝いさせられちゃってさやりたいところまで勧められなかったんだよ」
「まあ元気出せよ今度ボカロのライブチケットやるからさ」
「おう根田は気が利くな」
「良いってことよ。そういえば話を変えるけどこのクラスに編入生が来るらしいぜ。なんでもハーフで絶世の美少女だって噂してるぜ」
「編入生?いくら絶世の美少女だろうが俺は3次元に興味はねえぞ」
「お前ならそういうと思った。2次元の方が好きだものな」
そんな他愛もない話をしていると1年次に担任でもある黒髪のミディアムボブの優しそうな女教師こと皇《すめらぎ》 実《みのる》先生がやってきた。
「皆さん静粛に……していますね。流石です。噂には聞いているとは思いますが新学期よりこの新しいクラスで学ぶ編入生が居ます。甘夏《あまなつ》さん入ってください」
綺麗な銀髪を揺らしながら教室に入ってくる美少女が見えた。そのあまりの美貌に男子生徒のほとんどが思わず声を上げた。
「初めまして甘夏《あまなつ》玲菜《レイナ》と申します」
「甘夏さんは主にヨーロッパでの生活が長く、1年間は日本語を学んでいてそれが修了しましたので今回この学校に成りました。日常会話においては問題ないと思いますがご迷惑おかけしてしまうかもしれません。ですがそれに対するからかいなどは行わないように」
皇先生はいじめなどに関しては敏感な先生だ。いじめの発端になりかねないモノは徹底的に注意してくるのでよくない顔を居る生徒も居るが今回のような新しい環境に放り出される編入生には持ってこいっだったのだろうと俺は思った。
「皆さんよろしくお願いします」
甘夏さんは頭を下げ皆に挨拶した。
「それじゃあ華道君の隣の席が空いているからそこに座ってください」
皇先生の赴くままに席に向かってくる甘夏さんであったが突然動きがフリーズした。
「………え、お花屋さん?」
「……どっかで会いましたっけ?」
この時俺は甘夏さんという美少女のことを微塵も思い出せていなかった。
「春休みのあたりに一度○○県の○○町で一度お会いしませんでしたか?」
「確かに実家のあるところだけど客としてきたなら俺は多分覚えていないと思う。客の顔なんてあんまり覚えないし」
「そうでしたか」
「甘夏さん華道さんもうよろしいですか授業を始めたいので」
「すみません」
◇◇◇◇
授業が終わると俺は園芸部に顔を出していた。園芸部と言っても実質お嬢様学校に近いこの学校で土いじりをする奴はまずおらず苗付けなどの汚れ作業は学校で雇っている校舎の管理人がやっていたりする。俺は偶にではあるがその作業を手伝っていたりする。今日もその手伝いだった。
「すまねえな坊主そろそろ桜の木に寿命が迫ってきそうなものがあるからその苗付けに駆り出しちまって」
「別に構わないよ。講習もないしね」
「でもよ学生だろ青春をこんなむさくるしいおっさんどもと一緒に過ごすことはないだろうに」
「いいよ仲のいいクラスメイトなんて根田くらいしかいないから」
「なんだよ好きな女子とかいねえのかよ」
「この学校の女子のほとんどがお嬢様みたいなもんだぜ。何を腹に居れてるかわからないような連中となんてまっぴらごめんさ。それだったら本でも読んでた方がましさ」
「まあ都会は田舎と違ってデカい図書館も多いしむしろ価値観一緒の趣味も一緒の彼女を見つける手段なんていくらでもあるしな」
おっさんとたわいもない話をしながら搬入が来るのを待つ。
「うお、アレも生徒か?」
おっさんが見つめた方を向くと甘夏さんが居た。桜が彼女の周りにひらひらとゆっくり落ちるさまは一つの芸術的な絵となっていた。
「なんかあんな美人と花見にでも見に行った日には桜じゃなくて美人の方ばっか見てるだろうな」
「うーん、花より容姿が優れた美人か」
「お、ソメイヨシノの花言葉にかけたのか?」
「まあそんなとこおっちゃん搬入きたよ」
「じゃあ作業しますか」
俺は桜の苗付けを行い始めた。
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一応物語のプロットは考えていますがこんな花や石を出してほしいなどのご要望があれば感想にてお知らせください
執筆頑張っていきます
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4月6日
今日から新学期、高校2年生の幕開けである。
俺の通う私立秀専学園は都内にある進学校でお金持ちやら芸能人やらが多く集まる学校となっている。ただそれだけならばよくある学校の一つと言えよう。だがこの学園には他の学び舎を探しても中々ないものが存在していた。
時代が進むにつれ教育方針も変化していくべきだと何代か前の理事長が訴え現役社会人に必要な必須スキルであったり資格に必要な講習を希望者は無料で受けさせてくれるのだ。だがその反面学費はべらぼうに高い。
そんなお金のかかる学園に何故俺がこれたかと言うと数少ない特待生枠を勝ち取ったからである。
連絡に関しても紙の資料はほぼ使わず一斉通知で行うようになっている。クラス発表も同じで前日の朝には既に発表されているため迷うことなく教室に向かえる。
「はあ、憂鬱だ」
「なんだよ蒼汰、イベント昇華できなかったのか?」
今話しかけている奴の名前は根田《コンダ》 科夫《カプ》ゲーム会社の息子で俺のやっているスマホゲームのプロデューサーと懇意にしている人物だ。
「そんなところだよ。春休みに実家の手伝いさせられちゃってさやりたいところまで勧められなかったんだよ」
「まあ元気出せよ今度ボカロのライブチケットやるからさ」
「おう根田は気が利くな」
「良いってことよ。そういえば話を変えるけどこのクラスに編入生が来るらしいぜ。なんでもハーフで絶世の美少女だって噂してるぜ」
「編入生?いくら絶世の美少女だろうが俺は3次元に興味はねえぞ」
「お前ならそういうと思った。2次元の方が好きだものな」
そんな他愛もない話をしていると1年次に担任でもある黒髪のミディアムボブの優しそうな女教師こと皇《すめらぎ》 実《みのる》先生がやってきた。
「皆さん静粛に……していますね。流石です。噂には聞いているとは思いますが新学期よりこの新しいクラスで学ぶ編入生が居ます。甘夏《あまなつ》さん入ってください」
綺麗な銀髪を揺らしながら教室に入ってくる美少女が見えた。そのあまりの美貌に男子生徒のほとんどが思わず声を上げた。
「初めまして甘夏《あまなつ》玲菜《レイナ》と申します」
「甘夏さんは主にヨーロッパでの生活が長く、1年間は日本語を学んでいてそれが修了しましたので今回この学校に成りました。日常会話においては問題ないと思いますがご迷惑おかけしてしまうかもしれません。ですがそれに対するからかいなどは行わないように」
皇先生はいじめなどに関しては敏感な先生だ。いじめの発端になりかねないモノは徹底的に注意してくるのでよくない顔を居る生徒も居るが今回のような新しい環境に放り出される編入生には持ってこいっだったのだろうと俺は思った。
「皆さんよろしくお願いします」
甘夏さんは頭を下げ皆に挨拶した。
「それじゃあ華道君の隣の席が空いているからそこに座ってください」
皇先生の赴くままに席に向かってくる甘夏さんであったが突然動きがフリーズした。
「………え、お花屋さん?」
「……どっかで会いましたっけ?」
この時俺は甘夏さんという美少女のことを微塵も思い出せていなかった。
「春休みのあたりに一度○○県の○○町で一度お会いしませんでしたか?」
「確かに実家のあるところだけど客としてきたなら俺は多分覚えていないと思う。客の顔なんてあんまり覚えないし」
「そうでしたか」
「甘夏さん華道さんもうよろしいですか授業を始めたいので」
「すみません」
◇◇◇◇
授業が終わると俺は園芸部に顔を出していた。園芸部と言っても実質お嬢様学校に近いこの学校で土いじりをする奴はまずおらず苗付けなどの汚れ作業は学校で雇っている校舎の管理人がやっていたりする。俺は偶にではあるがその作業を手伝っていたりする。今日もその手伝いだった。
「すまねえな坊主そろそろ桜の木に寿命が迫ってきそうなものがあるからその苗付けに駆り出しちまって」
「別に構わないよ。講習もないしね」
「でもよ学生だろ青春をこんなむさくるしいおっさんどもと一緒に過ごすことはないだろうに」
「いいよ仲のいいクラスメイトなんて根田くらいしかいないから」
「なんだよ好きな女子とかいねえのかよ」
「この学校の女子のほとんどがお嬢様みたいなもんだぜ。何を腹に居れてるかわからないような連中となんてまっぴらごめんさ。それだったら本でも読んでた方がましさ」
「まあ都会は田舎と違ってデカい図書館も多いしむしろ価値観一緒の趣味も一緒の彼女を見つける手段なんていくらでもあるしな」
おっさんとたわいもない話をしながら搬入が来るのを待つ。
「うお、アレも生徒か?」
おっさんが見つめた方を向くと甘夏さんが居た。桜が彼女の周りにひらひらとゆっくり落ちるさまは一つの芸術的な絵となっていた。
「なんかあんな美人と花見にでも見に行った日には桜じゃなくて美人の方ばっか見てるだろうな」
「うーん、花より容姿が優れた美人か」
「お、ソメイヨシノの花言葉にかけたのか?」
「まあそんなとこおっちゃん搬入きたよ」
「じゃあ作業しますか」
俺は桜の苗付けを行い始めた。
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一応物語のプロットは考えていますがこんな花や石を出してほしいなどのご要望があれば感想にてお知らせください
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