25 / 84
エーデルワイスの花言葉は「大切な思い出」2
しおりを挟む
「へえ来夢さんも輪廻開戦見てるんだ」
「うん、六道が好き」
「俺も六道のラスボス感は好きかな」
今作のアニメの話で盛り上がってると来夢は蒼汰の服の裾を掴み始めた。
「ん?どうかした?」
「家で遊ぶ」
「うーん今日は他にもよりたいところはあったけど……」
「久しぶり会った、もっと色々話したい」
どうして来てくれないのと身長の逆転した幼馴染の涙目的お願いは蒼汰の揺れ動く心の天秤を傾けるには十分だった。
今日は動画関係の作業は無いため良いかと思い始めた。
「じゃあ甘夏さんに連絡してからならいいよ」
「うん」
早速甘夏さんに電話を掛ける。
プ
——ガチャ——
「蒼汰さんどこに行っていたんですか!もう少しで衛星の監視システムの作動をお父さんに脅…お願いしてしまうところじゃなかったじゃありませんか」
ワンコールどころか一音で出た甘夏さんには驚いたがわざわざ自分を探すのに衛星を使って探そうというのだ。
金持ちの考えることはわからん。
「というか甘夏さん今エリクソンさんのことを脅そうとしたよね」
「そんなことは無いですよ。それより今どこに居るんですか!」
「今は行きつけの店に居るんだけど、来夢さん、ストリートピアノを弾いていた僕の幼馴染に会って家に来ないかって誘われてるから甘夏さんには申し訳ないけど一旦家に帰って貰えないかな?」
「バキバキバキバキ!!」
「え、甘夏さんそっちに何かあったの!?」
トゥートゥー
突如電話が切れた。
「なんか大きな音ともに電話が切れたみたい。心配だから探そうと思う。ごめんね来夢さん」
「大丈夫だよ。あとその電話はまたかかってくると思うよ」
その言葉と共に再度電話が鳴りだした。
「けどこれ知らない番号?」
「とりあえず出てみたら?多分それ海外の番号だよ」
確かに0120でも080や090でもない番号から始まっていたのでとりあえず来夢さんに促されるままに通話ボタンを押す。
「すみません蒼汰さん玲菜です。携帯を壊してしまいましたので仕事用の電話で掛けさせていただいております。それで忘れてた幼馴染でしかも女の家に上がり込むとは何事ですか!」
「携帯が壊れたって明らかに潰れるような感じで破壊される音が聞こえたんだけど」
「気のせいです。少々経年劣化が激しかったために壊れてしまったようです」
「でも甘夏さんの携帯はあいふぉ「それよりも!」……はい」
「それよりもそのハイエナの家に上がり込むことです!私は蒼汰さんをそんな風に育てたつもりはありません」
「いやそもそも俺は甘夏さんに育てられた覚えは無いんだけど」
「チッ」
電話の向こう側で舌打ちが聞こえた。
対して来夢さんは心配そうにのぞき込んでいた。
電話の音が外部にも聞こえていたのだろう。店長もドン引きしている。
「蒼汰さん、いいんですか?パソコンのデータがどうなっても、それどころか帰る場所も無くなるかもしれませんよ?」
こ、怖ええ!!
もはやヤンデレじゃなくてヤクザだよ。
極道入ってるよ!
「さあ早くハイエナの家に行くことを断りなさい!」
どう答えたモノかと考え込んでいると最速で催促しろとのお答えが来た。
仕方ないと思いつつ来夢さんに断ろうとしたとき……
「甘夏さんでしたっけ?それは日本の法律では脅迫罪にあたりますのでお引き取りを。それともし蒼汰の帰るところが無くなったら我が家に住んでもらうだけですしパソコンのデータは等に関しては法廷で会いましょうか?」
電話を取り上げ甘夏さんと張り合う異次元の生物を宿した幼馴染が居た。
まるで後ろに地獄の鬼が住み着いているかのように静かに空気が重くなっていく。
あまりの重圧感に店長は倒れ込んでいた。
「あなたはハイエナ!」
「群れから虐げられたライオンはハイエナにたかる」
「Shut up!You are rude!《黙れこの無礼者が!》」
段々化けの皮が剥がれてきている。
というか甘夏さんは怒ると英語に成るんだ。
こんなにも怖い声で言われているというのに来夢さんは一切動じることなく淡々とメモを取りながら対処法を考えていた。
そして彼女の導き出した答えとは
「あなたは一旦落ち着くべき、なんならあなたも一緒に来ればいい」
「ha?」
「え?」
甘夏さんと蒼汰の声が重なる。
甘夏さんにとっても予想外過ぎる言葉だったのか怒りを遠い彼方へ吹き飛ばしてくれたようだ。
「私があなたの家に蒼汰さんとお邪魔する?」
「そう」
「わかりましたそれなら許可を出します。今から合流しますので現在地を言ってください」
そういって来夢さんの家に甘夏さんと一緒に行くことが決まった。
来夢さんは甘夏さんに現在地を伝え電話を切り俺に返すとこう言った。
「大丈夫、束縛し続けなきゃ蒼汰を傍に置けない女なんかに私は負けないから」
まるで告白ともとれるその言葉、否、告白に甘夏さんの幻影は薄れつつあった。
だがそれは恋愛ではなく親愛のような気もした。
何はともあれ幼馴染との再会は蒼汰に様々な感情を植え付ける要因となるのだった。
「うん、六道が好き」
「俺も六道のラスボス感は好きかな」
今作のアニメの話で盛り上がってると来夢は蒼汰の服の裾を掴み始めた。
「ん?どうかした?」
「家で遊ぶ」
「うーん今日は他にもよりたいところはあったけど……」
「久しぶり会った、もっと色々話したい」
どうして来てくれないのと身長の逆転した幼馴染の涙目的お願いは蒼汰の揺れ動く心の天秤を傾けるには十分だった。
今日は動画関係の作業は無いため良いかと思い始めた。
「じゃあ甘夏さんに連絡してからならいいよ」
「うん」
早速甘夏さんに電話を掛ける。
プ
——ガチャ——
「蒼汰さんどこに行っていたんですか!もう少しで衛星の監視システムの作動をお父さんに脅…お願いしてしまうところじゃなかったじゃありませんか」
ワンコールどころか一音で出た甘夏さんには驚いたがわざわざ自分を探すのに衛星を使って探そうというのだ。
金持ちの考えることはわからん。
「というか甘夏さん今エリクソンさんのことを脅そうとしたよね」
「そんなことは無いですよ。それより今どこに居るんですか!」
「今は行きつけの店に居るんだけど、来夢さん、ストリートピアノを弾いていた僕の幼馴染に会って家に来ないかって誘われてるから甘夏さんには申し訳ないけど一旦家に帰って貰えないかな?」
「バキバキバキバキ!!」
「え、甘夏さんそっちに何かあったの!?」
トゥートゥー
突如電話が切れた。
「なんか大きな音ともに電話が切れたみたい。心配だから探そうと思う。ごめんね来夢さん」
「大丈夫だよ。あとその電話はまたかかってくると思うよ」
その言葉と共に再度電話が鳴りだした。
「けどこれ知らない番号?」
「とりあえず出てみたら?多分それ海外の番号だよ」
確かに0120でも080や090でもない番号から始まっていたのでとりあえず来夢さんに促されるままに通話ボタンを押す。
「すみません蒼汰さん玲菜です。携帯を壊してしまいましたので仕事用の電話で掛けさせていただいております。それで忘れてた幼馴染でしかも女の家に上がり込むとは何事ですか!」
「携帯が壊れたって明らかに潰れるような感じで破壊される音が聞こえたんだけど」
「気のせいです。少々経年劣化が激しかったために壊れてしまったようです」
「でも甘夏さんの携帯はあいふぉ「それよりも!」……はい」
「それよりもそのハイエナの家に上がり込むことです!私は蒼汰さんをそんな風に育てたつもりはありません」
「いやそもそも俺は甘夏さんに育てられた覚えは無いんだけど」
「チッ」
電話の向こう側で舌打ちが聞こえた。
対して来夢さんは心配そうにのぞき込んでいた。
電話の音が外部にも聞こえていたのだろう。店長もドン引きしている。
「蒼汰さん、いいんですか?パソコンのデータがどうなっても、それどころか帰る場所も無くなるかもしれませんよ?」
こ、怖ええ!!
もはやヤンデレじゃなくてヤクザだよ。
極道入ってるよ!
「さあ早くハイエナの家に行くことを断りなさい!」
どう答えたモノかと考え込んでいると最速で催促しろとのお答えが来た。
仕方ないと思いつつ来夢さんに断ろうとしたとき……
「甘夏さんでしたっけ?それは日本の法律では脅迫罪にあたりますのでお引き取りを。それともし蒼汰の帰るところが無くなったら我が家に住んでもらうだけですしパソコンのデータは等に関しては法廷で会いましょうか?」
電話を取り上げ甘夏さんと張り合う異次元の生物を宿した幼馴染が居た。
まるで後ろに地獄の鬼が住み着いているかのように静かに空気が重くなっていく。
あまりの重圧感に店長は倒れ込んでいた。
「あなたはハイエナ!」
「群れから虐げられたライオンはハイエナにたかる」
「Shut up!You are rude!《黙れこの無礼者が!》」
段々化けの皮が剥がれてきている。
というか甘夏さんは怒ると英語に成るんだ。
こんなにも怖い声で言われているというのに来夢さんは一切動じることなく淡々とメモを取りながら対処法を考えていた。
そして彼女の導き出した答えとは
「あなたは一旦落ち着くべき、なんならあなたも一緒に来ればいい」
「ha?」
「え?」
甘夏さんと蒼汰の声が重なる。
甘夏さんにとっても予想外過ぎる言葉だったのか怒りを遠い彼方へ吹き飛ばしてくれたようだ。
「私があなたの家に蒼汰さんとお邪魔する?」
「そう」
「わかりましたそれなら許可を出します。今から合流しますので現在地を言ってください」
そういって来夢さんの家に甘夏さんと一緒に行くことが決まった。
来夢さんは甘夏さんに現在地を伝え電話を切り俺に返すとこう言った。
「大丈夫、束縛し続けなきゃ蒼汰を傍に置けない女なんかに私は負けないから」
まるで告白ともとれるその言葉、否、告白に甘夏さんの幻影は薄れつつあった。
だがそれは恋愛ではなく親愛のような気もした。
何はともあれ幼馴染との再会は蒼汰に様々な感情を植え付ける要因となるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん
菊宮える
恋愛
高校生ユウトが始めたバイト、そこは女子ばかりの一見ハーレム?な店だったが、その中身は男子の思い描くモノとはぜ~んぜん違っていた?? その違いは読んで頂ければ、だんだん判ってきちゃうかもですよ~(*^-^*)
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる