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葵の花言葉は「正す」3
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「ごめんなさい。せっかく来てもらったのにお待たせして」
「私からもごめんなさいね。来夢は片付けが苦手なものだから普段から片付けなさいと言っているのだけどね。私の教育が行き届いていないばかりに……」
「マ、ママ」
葵さんはまだまだ高校生になっても片付けをできない来夢さんの育て方を間違ったとでも言うような感じで頭に手を当て眉間にしわを寄せていた。
夏目さんはそれに対して苦笑いを浮かべている。
来夢さんは涙目で(´・ω・`)しょぼくれている
「互いに子育てには苦労しますね」
「秋芽さんを見る限りは良い子そうに見えるけどやっぱり外用と家用とで使い分けているわよね。隣の芝生は青く見えるっていうけれど現実はデメリットが見えてないだけよね」
「そうそう、どんなに青く見えてもね。子育ては苦労するわ」
マダムたちの会話は如何にもといった感じの子育ての愚痴、おそらくは当初の予定であった女子会もこのように愚痴を言い合うために集まったように思えてきた。
来夢さんはまだしょぼくれているためとりあえず慰めようと来夢さんの頭をヾ(・ω・*)なでなでしようとしたとき別の頭が割り込んできた。
「あれ甘夏さん?」
銀髪、スーパープラチナブロンドの艶やかな御髪は来夢さんの御髪よりも通りが良くとても手入れされているのが判った。
甘夏さんはしてやったりというドヤ顔を決めており、勝ち誇っていた。
対して来夢さんだが怒るようなことはせず
「蒼汰君、私を慰めようとしてくれてありがとう。そこの玲奈さんに盗られちゃったけど気持ちだけでもとっても嬉しかった」
男に対して独占欲を見せながらも束縛する気はない。
甘夏さんのような独占欲の剝き出しのような女性は世の童貞に好まれる傾向にあるが実際に付き合い始めて破局するケースも珍しくない。
独占欲が強いということはそれだけ束縛をしたがる傾向にあり、好きな人の行動全てを自分に向けて欲しい、そしてそれが当然であると思う。
もちろん蒼汰のような既に独身を極めたような趣味を持つに人間に対して言えば独占欲の強い女性というのは恋愛の対象外になりやすいのだ。
だがある程度の独占欲を見せておかなければ男性を惹きつけることは難しい。
その塩梅が今一番いいくらいになる回答を来夢さんはしていた。
「これ、玲菜。少しは来夢さんを見習いませんか」
「お、お母さんはお父さんが盗られてもいいっていうんですか!」
甘夏さんはあくまでも自分の行動は正当防衛のようなものだと主張するが春菊さんにそれは愚の骨頂だ。
甘夏さんは何度同じ失敗を繰り返さば学習するのだろうか。
恋は盲目というが、淑女を体現しているような人間に対して子どものような癇癪を起す甘夏さんは火に油を注いでいるようにしか見えなかった。
「恋は下心、愛は真心《真ん中の心》、下心しか無い人に盗られても何も思いまへん。むしろ私の魅力が足りんかった。それだけのことです。他人様を束縛する暇があったら振り向いてもらえるよう自分磨きに専念したほうが余程有意義ですよ」
「く」
「流石春菊さん」
「来夢のほうが一歩リードという感じかしら」
春菊さんの言うようなことは理想論だと言う人間もいるだろう。
だがその言っている本人がその理想を体現した人間ならぐうの音も出せない。
そんなのあなただけだろうと言うこともできたかもしれない。
しかしそれでは来夢さんに弱みを見せることとなる。
現に自分が割り込んできても起こることはせずにむしろ蒼汰への印象を良くすることに成功している。
これでは玲菜にとっての評価が下がるばかりであった。
故に甘夏さんは黙るしかなかった。
「ねえ春菊さん」
「あ、お見苦しいところを見せてしまって申し訳ございません」
「いえそれよりも玲菜ちゃんのことに関してなんだけど……」
「玲奈の…葵さんが玲菜に?」
「そう、玲菜ちゃんはまだ恋をしている段階なんでしょう。来夢と違って恋を終えたわけじゃないからしばしば暴走してしまうのはしょうがないんじゃないかしら」
「けどそのせいで蒼汰さんに迷惑をかけるのは……」
この空気を支配していた春菊さんのペースを葵さんのペースに持って行った。
葵さんはさながら委員長を諭す熟練の生徒指導教員のような気づかせることを教育方針としたやり方。
「(´∀`*)ウフフ、春菊さんもエリクソンさんに告白、プロポーズされたときは今の玲菜ちゃんのように行動を起こすまでは行かないけどあの人のことばかり考えて気になってしょうがなかったじゃない。あの頃春菊さんは22歳、17歳の玲菜ちゃんに求めるのは酷ってものよ」
「でも……」
ちらりと来夢さんと見やる。
春菊さんは来夢さんは既に出来ていると言いたいのだろうか。
「確かに来夢はできているかもしれません。でも当初私たちが引っ越すときは大荒れで蒼汰君と離れ離れになりたくないと一月は泣いていましたし、それこそ年上に見られていたとはいえ蒼汰さんに恋をして愛に変わって今に至るまでの思いの努力の幅が違いすぎますよ」
葵の花言葉は「正す」「信じる心」
一人の一母親としても指導者としても葵さんは頼もしかった。
「私からもごめんなさいね。来夢は片付けが苦手なものだから普段から片付けなさいと言っているのだけどね。私の教育が行き届いていないばかりに……」
「マ、ママ」
葵さんはまだまだ高校生になっても片付けをできない来夢さんの育て方を間違ったとでも言うような感じで頭に手を当て眉間にしわを寄せていた。
夏目さんはそれに対して苦笑いを浮かべている。
来夢さんは涙目で(´・ω・`)しょぼくれている
「互いに子育てには苦労しますね」
「秋芽さんを見る限りは良い子そうに見えるけどやっぱり外用と家用とで使い分けているわよね。隣の芝生は青く見えるっていうけれど現実はデメリットが見えてないだけよね」
「そうそう、どんなに青く見えてもね。子育ては苦労するわ」
マダムたちの会話は如何にもといった感じの子育ての愚痴、おそらくは当初の予定であった女子会もこのように愚痴を言い合うために集まったように思えてきた。
来夢さんはまだしょぼくれているためとりあえず慰めようと来夢さんの頭をヾ(・ω・*)なでなでしようとしたとき別の頭が割り込んできた。
「あれ甘夏さん?」
銀髪、スーパープラチナブロンドの艶やかな御髪は来夢さんの御髪よりも通りが良くとても手入れされているのが判った。
甘夏さんはしてやったりというドヤ顔を決めており、勝ち誇っていた。
対して来夢さんだが怒るようなことはせず
「蒼汰君、私を慰めようとしてくれてありがとう。そこの玲奈さんに盗られちゃったけど気持ちだけでもとっても嬉しかった」
男に対して独占欲を見せながらも束縛する気はない。
甘夏さんのような独占欲の剝き出しのような女性は世の童貞に好まれる傾向にあるが実際に付き合い始めて破局するケースも珍しくない。
独占欲が強いということはそれだけ束縛をしたがる傾向にあり、好きな人の行動全てを自分に向けて欲しい、そしてそれが当然であると思う。
もちろん蒼汰のような既に独身を極めたような趣味を持つに人間に対して言えば独占欲の強い女性というのは恋愛の対象外になりやすいのだ。
だがある程度の独占欲を見せておかなければ男性を惹きつけることは難しい。
その塩梅が今一番いいくらいになる回答を来夢さんはしていた。
「これ、玲菜。少しは来夢さんを見習いませんか」
「お、お母さんはお父さんが盗られてもいいっていうんですか!」
甘夏さんはあくまでも自分の行動は正当防衛のようなものだと主張するが春菊さんにそれは愚の骨頂だ。
甘夏さんは何度同じ失敗を繰り返さば学習するのだろうか。
恋は盲目というが、淑女を体現しているような人間に対して子どものような癇癪を起す甘夏さんは火に油を注いでいるようにしか見えなかった。
「恋は下心、愛は真心《真ん中の心》、下心しか無い人に盗られても何も思いまへん。むしろ私の魅力が足りんかった。それだけのことです。他人様を束縛する暇があったら振り向いてもらえるよう自分磨きに専念したほうが余程有意義ですよ」
「く」
「流石春菊さん」
「来夢のほうが一歩リードという感じかしら」
春菊さんの言うようなことは理想論だと言う人間もいるだろう。
だがその言っている本人がその理想を体現した人間ならぐうの音も出せない。
そんなのあなただけだろうと言うこともできたかもしれない。
しかしそれでは来夢さんに弱みを見せることとなる。
現に自分が割り込んできても起こることはせずにむしろ蒼汰への印象を良くすることに成功している。
これでは玲菜にとっての評価が下がるばかりであった。
故に甘夏さんは黙るしかなかった。
「ねえ春菊さん」
「あ、お見苦しいところを見せてしまって申し訳ございません」
「いえそれよりも玲菜ちゃんのことに関してなんだけど……」
「玲奈の…葵さんが玲菜に?」
「そう、玲菜ちゃんはまだ恋をしている段階なんでしょう。来夢と違って恋を終えたわけじゃないからしばしば暴走してしまうのはしょうがないんじゃないかしら」
「けどそのせいで蒼汰さんに迷惑をかけるのは……」
この空気を支配していた春菊さんのペースを葵さんのペースに持って行った。
葵さんはさながら委員長を諭す熟練の生徒指導教員のような気づかせることを教育方針としたやり方。
「(´∀`*)ウフフ、春菊さんもエリクソンさんに告白、プロポーズされたときは今の玲菜ちゃんのように行動を起こすまでは行かないけどあの人のことばかり考えて気になってしょうがなかったじゃない。あの頃春菊さんは22歳、17歳の玲菜ちゃんに求めるのは酷ってものよ」
「でも……」
ちらりと来夢さんと見やる。
春菊さんは来夢さんは既に出来ていると言いたいのだろうか。
「確かに来夢はできているかもしれません。でも当初私たちが引っ越すときは大荒れで蒼汰君と離れ離れになりたくないと一月は泣いていましたし、それこそ年上に見られていたとはいえ蒼汰さんに恋をして愛に変わって今に至るまでの思いの努力の幅が違いすぎますよ」
葵の花言葉は「正す」「信じる心」
一人の一母親としても指導者としても葵さんは頼もしかった。
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