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芝生(イネ)の花言葉は「神聖」4
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一目惚れという言葉がある。
一目見た瞬間恋に落ちるというものだ。
一目惚れは信用ならないと言われるが生物学的に見れば証明された現象だ。
例えば外国人に惹かれたりする人は新しい遺伝子を入れたがっているという意味では正しい行為だ。
様々な遺伝子を取り込むことで様々な環境に適応しようとする。
つまりエリクソンさんと春菊さんのカップルは生物学的に考えればエリクソンさんが異なる遺伝子を求めた結果、様々な日本の遺伝子を兼ね備えている春菊さんを求めるということである。
甘夏 玲菜という遺伝子もまた華道 蒼汰という遺伝子を求めている。
だがそれがどのような理由かはわからない。
何故なら日本人の春菊の出身地という遺伝子情報的には必要のない土地の環境下でなぜ蒼汰という人物を求めたのかを蒼汰は理解できなかった。
「甘夏さんはどうして僕に一目惚れしたんだろうか?」
ポソリと思わず呟いた。
もちろん部屋に居る全員が聞いていた。
「それはもちろん!」
蒼汰さんがカッコいいからですよ
……と言おうとした甘夏であったがそれは口にすることは無かった。
何故なら蒼汰が悲しそうな顔をしていたからだ。
「蒼汰君はいつもそう、自分で抱え込んで勝手に考えて納得しようとして理解されなくても良いけど気付かせようとヒントは出す。そして自分が素直を実行しようとしたくない」
素直
読んで字のごとくその人の素を直すことだ。
誰もが言われたことのあるであろう言葉。
来夢さんは的を射ている。
まるで人を信用できないと言わんばかりのその態度、親でさえ愛想尽かす皮肉めいた性格。
「例えるなら哲学者、ソクラテスの弟子たちのように教えることなく気付かせようとする。それはまさに教育の原点ですね。華道 蒼汰さんと言いましたか。その考えは社会において厳しいモノと成るでしょう。ですがそれは誰よりも優れた人生の宝に成る。それだけは覚えておいてください」
「夏目さん」
「申し遅れましたが私は四季 夏目っていうの、もしうちの会社に来ることに成ったら歓迎するわよ蒼汰さん」
此処にいる一般庶民は蒼汰だけのようだった。
このマンションに来る人物だ。知り合いというだけでもお金持ちに成りやすいのだろうか?
「夏目さん、蒼汰君はもうサラリーマンの平均年収を超える仕事をしているよ。多分親名義だけど」
「親名義でお仕事?」
「動画作成してるよ」
「ちょっとまって来夢は何故そんなことを知ってるの?今日会うまで蒼汰くんの居場所はわからなかったんでしょう?」
「私は最初の頃からのファンだよ。ほら蒼汰君これ」
来夢さんはスマホを掲げ検索エンジンのアカウントを見せる。
そこには蒼汰の初めてのチャンネル登録者と成ったアカウントが記載されていた。
「これがなによりの証拠、最初は蒼汰君だとはわからなかった。でも面白いと思った。だからチャンネル登録もしたし今でもファンを続けている。気が付いたのは蒼汰が初めての生配信、丁度1年くらい前の時期に行ったときに花言葉が零れたことが要因」
「生配信の時に花言葉なんて言ったけ?」
「アレはモンアドの実況で納品クエスト芝生稲穂の納品をするときに漏らしてたよ」
「ごめん覚えてないや」
「もう削除されてるし調べようは無いけど私は覚えている」
「えええ!!もう削除されちゃったんですか?」
甘夏さん今ここシリアスな場面
「玲菜、今はシリアスな場面よ」
「玲菜ちゃん空気は読まなくても良いから話を読もうか」
「玲菜さん人が話しているときに横やりを入れるモノではありませんよ」
「玲菜さん、今は私が蒼汰と話しているところ」
甘夏さんは総スカンを喰らって大人しく引き下がるがあの生配信もといライブ配信の際は初めてだったこともあり恥ずかしい記録に成るかもしれないと限定プレミアム公開にして動画ごと削除していた。そのため良く覚えていないのが実情である。
「その時蒼汰君、蒼汰はこういってた。芝生は元々イネ科の植物を植えたのが始まりで今の西洋芝生も日本芝生もどちらもイネ科だって、そして芝生は個人の領地や奉ること場所としても使われることが多いから「神聖な場所」として捉える人も居るって制作者の気持ちになって解説してたよ」
そこまで言われてようやく思い出した。
確かにそのような実況はした記憶がある。
蒼汰が実況するゲームはオープンワールドであったりミステリー系などの設定が凝ったモノが多く制作者がどのような意図をして制作したのかを自分なりにまとめてそれを解説するというモノだ。
その時は自分のついつい染みついた花屋の癖が出てしまったのかもしれない。
「蒼汰は花言葉の説明をするとき必ずワントーン声が低くなる。実況の時もそうだったからなんとなくわかった。今までまったり実況で声はわからなかったけどこれは蒼汰だと確信した。それからアキバにも蒼汰が出没することも知ったしお父さんにお願いしてストリートピアノをアキバに設置してもらった。だから蒼汰とも巡り合えた。今日が初めてだったけど蒼汰に会えるまで何日でもやる予定だった」
アキバはオタクたちにとっての芝生、神聖な場所だった。
だからこそ純粋なるオタクたる蒼汰が来ると確信していたのだった。
一目見た瞬間恋に落ちるというものだ。
一目惚れは信用ならないと言われるが生物学的に見れば証明された現象だ。
例えば外国人に惹かれたりする人は新しい遺伝子を入れたがっているという意味では正しい行為だ。
様々な遺伝子を取り込むことで様々な環境に適応しようとする。
つまりエリクソンさんと春菊さんのカップルは生物学的に考えればエリクソンさんが異なる遺伝子を求めた結果、様々な日本の遺伝子を兼ね備えている春菊さんを求めるということである。
甘夏 玲菜という遺伝子もまた華道 蒼汰という遺伝子を求めている。
だがそれがどのような理由かはわからない。
何故なら日本人の春菊の出身地という遺伝子情報的には必要のない土地の環境下でなぜ蒼汰という人物を求めたのかを蒼汰は理解できなかった。
「甘夏さんはどうして僕に一目惚れしたんだろうか?」
ポソリと思わず呟いた。
もちろん部屋に居る全員が聞いていた。
「それはもちろん!」
蒼汰さんがカッコいいからですよ
……と言おうとした甘夏であったがそれは口にすることは無かった。
何故なら蒼汰が悲しそうな顔をしていたからだ。
「蒼汰君はいつもそう、自分で抱え込んで勝手に考えて納得しようとして理解されなくても良いけど気付かせようとヒントは出す。そして自分が素直を実行しようとしたくない」
素直
読んで字のごとくその人の素を直すことだ。
誰もが言われたことのあるであろう言葉。
来夢さんは的を射ている。
まるで人を信用できないと言わんばかりのその態度、親でさえ愛想尽かす皮肉めいた性格。
「例えるなら哲学者、ソクラテスの弟子たちのように教えることなく気付かせようとする。それはまさに教育の原点ですね。華道 蒼汰さんと言いましたか。その考えは社会において厳しいモノと成るでしょう。ですがそれは誰よりも優れた人生の宝に成る。それだけは覚えておいてください」
「夏目さん」
「申し遅れましたが私は四季 夏目っていうの、もしうちの会社に来ることに成ったら歓迎するわよ蒼汰さん」
此処にいる一般庶民は蒼汰だけのようだった。
このマンションに来る人物だ。知り合いというだけでもお金持ちに成りやすいのだろうか?
「夏目さん、蒼汰君はもうサラリーマンの平均年収を超える仕事をしているよ。多分親名義だけど」
「親名義でお仕事?」
「動画作成してるよ」
「ちょっとまって来夢は何故そんなことを知ってるの?今日会うまで蒼汰くんの居場所はわからなかったんでしょう?」
「私は最初の頃からのファンだよ。ほら蒼汰君これ」
来夢さんはスマホを掲げ検索エンジンのアカウントを見せる。
そこには蒼汰の初めてのチャンネル登録者と成ったアカウントが記載されていた。
「これがなによりの証拠、最初は蒼汰君だとはわからなかった。でも面白いと思った。だからチャンネル登録もしたし今でもファンを続けている。気が付いたのは蒼汰が初めての生配信、丁度1年くらい前の時期に行ったときに花言葉が零れたことが要因」
「生配信の時に花言葉なんて言ったけ?」
「アレはモンアドの実況で納品クエスト芝生稲穂の納品をするときに漏らしてたよ」
「ごめん覚えてないや」
「もう削除されてるし調べようは無いけど私は覚えている」
「えええ!!もう削除されちゃったんですか?」
甘夏さん今ここシリアスな場面
「玲菜、今はシリアスな場面よ」
「玲菜ちゃん空気は読まなくても良いから話を読もうか」
「玲菜さん人が話しているときに横やりを入れるモノではありませんよ」
「玲菜さん、今は私が蒼汰と話しているところ」
甘夏さんは総スカンを喰らって大人しく引き下がるがあの生配信もといライブ配信の際は初めてだったこともあり恥ずかしい記録に成るかもしれないと限定プレミアム公開にして動画ごと削除していた。そのため良く覚えていないのが実情である。
「その時蒼汰君、蒼汰はこういってた。芝生は元々イネ科の植物を植えたのが始まりで今の西洋芝生も日本芝生もどちらもイネ科だって、そして芝生は個人の領地や奉ること場所としても使われることが多いから「神聖な場所」として捉える人も居るって制作者の気持ちになって解説してたよ」
そこまで言われてようやく思い出した。
確かにそのような実況はした記憶がある。
蒼汰が実況するゲームはオープンワールドであったりミステリー系などの設定が凝ったモノが多く制作者がどのような意図をして制作したのかを自分なりにまとめてそれを解説するというモノだ。
その時は自分のついつい染みついた花屋の癖が出てしまったのかもしれない。
「蒼汰は花言葉の説明をするとき必ずワントーン声が低くなる。実況の時もそうだったからなんとなくわかった。今までまったり実況で声はわからなかったけどこれは蒼汰だと確信した。それからアキバにも蒼汰が出没することも知ったしお父さんにお願いしてストリートピアノをアキバに設置してもらった。だから蒼汰とも巡り合えた。今日が初めてだったけど蒼汰に会えるまで何日でもやる予定だった」
アキバはオタクたちにとっての芝生、神聖な場所だった。
だからこそ純粋なるオタクたる蒼汰が来ると確信していたのだった。
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