オタク草食系男子は超肉食ヤンデレ宝石令嬢に美味しくいただかれます~純愛から狂愛へダイヤモンドの瞳は狙った獲物を逃さない~

スライム道

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ホウレンソウの花言葉は「活力」3

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今までエプロンをしていたため気が付かなかったが来夢さんも蒼汰や玲菜と同じ秀専学園の制服を着ていた。
しかし時間があまり無かったので通学路を歩きながら話すことにした。

「来夢さんは僕の後輩なんだ」
「うん軽音部や合唱部なんかで兼任してるよ」
「秋葉原で見せられたピアノを見せられれば音楽関係の部活は引っ切り無しですよね」
「けど今日から顔出すのやめようと思ってる」

__「どうして?」

という無粋な質問は蒼汰、玲菜には出なかった。
鈍感系ラブコメに良くある解り切ったお決まり的行動は実際野暮というものだ。

3の法則という理論がある。
3という数字は大きくも小さくも見える指標となる数字という理論だ。
即ち3回好意を向けられたならそれを疑うのは失礼に辺り真実と判断すべきという考え方になる。
もちろんそれでも疑う人物は居るが……ここではそこまで疑い深い人物は居なかった。

「それならさ、来夢さんには僕の園芸部の方で音楽を奏でくれないかな?花にも音楽は良いって聞くしお願いできる?」
「もちのろん!」

しかし蒼汰よ
ここに居る人物は3人だぞ……

「ギリギリギリギリ」

歯軋りの音が歩道に響き渡る。
通行人たちは思わずギョッとしてこちらを見てくる。
そこの道を歩いていた小学生に限っては「あれは修羅場ね。ハーレムにおける平等な関係は絶対に成り立たないのよ」と現実おままごとのマニュアル書いてる幼稚園児みたいなことを言っている。
しかし小学生の言っていることも道理な話

「蒼汰さん、私はまだ部活に入っていませんので私も園芸部に入ってもよろしいでしょうか?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

今度は違った意味で視線を浴びる。
男子小中学生からの尊敬の眼差しだ。
某悪魔閣下化する方の幽霊的存在では無くマジの原作物の方の使い手かと言われいる始末。

「も、もちろんだよ甘夏さん。顧問の先生は生物の佐々木先生だから入部届は提出しておいてね」
「はい!」

半ば強引に勝ち取ったように見えるがそもそもそんなことしなくても部活の顧問は余程の問題がない限り部活は自由に決めさせるものだ。
恋は戦争とは言うが同じ標的にそこまで突っかかるのもどうかと思う。
ライトノベルも嗜みつつもリアルでは求めずあくまでも文章や画面の中で浸りたい。
だからリアルで恋愛はしたくないのだ。

「玲菜さんそれは少し強引だし蒼汰君が了承するべきことじゃないよ」
「そうでした。蒼汰さんにはアサガオを育てるときのアドバイスも欲しいですし園芸部に入りたい気持ちは十分です」
「でもうちの園芸部はそこまで活発に活動している人はいないかな」
「そうなんですか?」
「うん、僕以外は学園の用務員の人たちがやっているしあまり土を触りたがらない人が多いからね。たまに水をあげに来るくらいかな」

秀専学園のお嬢様方は基本汚れ仕事を嫌う。
そもそも花壇にしろ鉢植えにしろ土いじりは手袋をしていても手が荒れやすいもので手を綺麗に保ちたいお嬢様にはやるべきではないのだ。
しかし花は愛でたいという要望があり学園の出資額を多くする代わりに用務員に土の入れ替えなどはやってもらう現状に至る。

ちなみに用務員の人数や給料は仕事量が増えたのに変わっていないそうだ。

「なら蒼汰さんはどうして土いじりまでやっているのですか?」
「それはもちろん実家のこともあるけど土の匂いや花の香りを嗅いでいると落ち着くからかな」
「昔から蒼汰君はそういうの好きだからね。近所の畑も世話してたし……」
「近所の畑?」

好きな人の全てを知りたい甘夏《ヤンデレ》さんは未知なる蒼汰《愛おしい人》に心躍らせる。

「そう今日朝食で使ったお野菜はみんな蒼汰君がお世話になった農家さんのところで作ったお野菜なの」
「やっぱりおじさんのところの野菜だったんだ」
「確かに美味しい野菜でしたね。火を通しているのもありますが普段食べているお野菜とはだいぶ違う感じがしましたし」
「あれは日本で品種改良された伝統野菜なんだ」
「伝統野菜?」
「伝来してからその地域に根付かせた野菜のことだよ。トマトやジャガイモなんかはアンデス山脈が原産だって言われてるよね」

元来伝統野菜は寒い地域に数多く存在する。
寒い地域は植物が根付きにくいためそれ相応の品種改良が必要だった。
昔は美味しさよりもまず根付かせることを優先していた。

「あと他には縁健農法で作っていたよね。あのホウレンソウも美味しかったよね」
「縁健農法?」
「日本では永田さんって人が考案した農法で今では原産地になるべく近くなるように育てる農法のことを指すね。ホウレンソウやトマトなんかはそもそも高地に植生しているから日本の高温多湿の環境では栽培しづらい作物なんだ。だからそれに近くなるように種植えの時期やビニールハウスなんかで雨を遮ったりしてなるべく水を断つ。だから時期は自然と日本では比較的乾燥した冬が旬の野菜になるんだ」
「でも個人で食べる分しか作ってなかったから貰いに行かないと無いからね」
「でも農家のおじさんのホウレンソウは活力が出るからね」
「活力……ですか?」

「うん、ホウレンソウの花言葉は「活力」万人に栄養を与えてくれる野菜だからそういわれているよ」
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