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ヨモギの花言葉は「幸福」1
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「はいお待たせできたよ」
「はい楽しみに待っていましたよ」
「久々のアレは楽しみ」
蒼汰がダイニングに皿を並べて準備をしていた。
「これは焼き魚ですか?でもソースがかかっていますね」
「うんそうだとも言えるしそうじゃないとも言えるかな」
「見たところジェノベーゼソースがかかっているように見えますね。それにこの魚のからくる香りは牛肉の香りと青竹の香り?……ということは青竹焼きですか?」
「凄いね全部当たってるよ。このマンションのキッチンが業務用のコンロだったから作ってみたんだ。前のマンションだと町内会の交流会で炭火を借りて作っているんだけどね」
「玲菜さんの行った国にはアジア圏もあるの?」
「はい!それはもういろんな国に行きましたよ。ヨーロッパはもちろんアフリカだって行きましたし行ってない大陸は南極大陸くらいのものですよ」
「それってエリクソンさんのお仕事で?」
「すべてがすべてというわけではありませんが基本的にはそうですね。お母さんもほとんどついて行ってくれましたし、今は日本に住んでいますがそれはもうアグレッシブな感じで各国を満喫していましたよ」
あの春菊さんがアグレッシブになる姿は想像できないが甘夏さんの見聞は予想以上に多かったらしい。
つまりこのごちゃまぜの料理についてもある程度要所要所で理解している風に見えた。
他にも中華風の具沢山スープも作っているため栄養価においてはそこまで偏っていない。
「いただきます」
「いただきます」
「いただきます」
手を静かに合わせて食事の挨拶を告げる。
ちなみに甘夏さんだがキリシタンでもムスリムでもなく無宗教だという。
エリクソンさんも無宗教というわけではないが春菊さんの影響もあって神道系仏教に改宗したらしい。
甘夏さんは早速魚に箸をつける。
一切の不自由さを見せることなく箸を魚をほぐすの春菊さんの教育の賜物だろう。
ソースのかかった魚に口をつけた瞬間、甘夏さんの顔が笑顔に変わった。
「これはヨモギですか?」
「うんそう、昨日葵さんに貰ってさ。久々に作ろうと思ってたんだ」
「懐かしいですね。あの事件ぶりにマジマジとこの香りを嗅ぐと生きていると感じられます」
「あの事件って、甘夏さんが捕まったのに蒼汰君が巻き込まれたっていう誘拐事件?」
「そうだよ」
「そのとき蒼汰さんがケガをしてしまって治療の際にヨモギを使ったんですよ」
来夢さんは一連の話を聞いて納得したようにうなずいた。
「蒼汰君昔からいろんな薬草を唾に着けて当てる治療法をして雪さんに怒られていたよね」
「懐かしいね。そんなこともあったね。タンポポでやろうとしたときは怒られたね」
「あの時は確か公園の良く犬が行くところだったから尚更だよ」
「なんかお二人がとても羨ましく思えてきますね。あ、決して恋の戦いの意味合いで言ったんじゃないんですよ」
少し慌てたように否定をすると「ただ……」と一言置いて、もう絶対に届くことのない代物を欲しがるような声音で
「……ただ、幼馴染という存在が羨ましいと思ったんです」
「そうだね。幼馴染って家族みたいなものだからね」
「うん、でも玲菜さんみたいに色んな国の文化に触れられるのも羨ましい」
「ふふっ、そうですね。あと蒼汰さんこのお魚とっても美味しいですね。いろんな香りが混ざってるのにきちんと調和されていて魚が苦手な人でも食べれるお味です」
他人と自分は違う。
だから自分とは違う経験をしたモノが羨ましい。
だがそれは他人も同じ事
燃えるような恋に落ちた人もいれば恋を知る事なく生涯を終える人も居る。
可哀想と思われても本人からしてみれば可哀想ではない。
蒼汰は動画配信というクリエイターとしての活動によって他人の見方が達観していた。
だからなのか玲菜に対して素っ気ない態度をとってしまったのかもしれない。
「ありがとう、それは葵さんに言っといてね。これを教えてくれたのは葵さんだからね」
「はい、今度会ったときにお伝えしておきますね」
「でもこれに料理名をつけるとしたらどんな名前がいいんだろうね」
「うん、おばあちゃんに習ったって聞いたけど、こんなに色んな国の料理が混じってるからママが考えててもおかしくない気がする」
「うーん、この料理ですが多分来夢さんのおばあちゃんで間違いないように思えます」
「「どうして?」」
「2人が息を合ったところを見ると妬いてしまいそうなのですが……まあいいです。この料理には醤油とレンコンに海藻が使われていますよね。一応青竹焼きが多い中国でも大豆から作られる醤油とは違った肉で作られる醤油、醤《ショウ》がありますが日本のは味噌がルーツと呼ばれていますしこの料理は大豆醤油で無ければ調和しませんが海藻やレンコンと言ったモノで粘りを出して魚に絡むようにしていることから中国から来た料理を日本風にアレンジしたモノと考えられるのです。ジェノベーゼ風ではありますがあくまでもこれはアジアのエッセンスです」
食レポがどこかジャンプ漫画風だ。
だがレシピを知っている蒼汰と来夢はある意味納得した。
海藻類は確かに食べる国はアジアか南米で欧米諸国は食べないと聞く。
様々な食文化に触れてきた甘夏さんだからこそ理解できる料理だった。
「はい楽しみに待っていましたよ」
「久々のアレは楽しみ」
蒼汰がダイニングに皿を並べて準備をしていた。
「これは焼き魚ですか?でもソースがかかっていますね」
「うんそうだとも言えるしそうじゃないとも言えるかな」
「見たところジェノベーゼソースがかかっているように見えますね。それにこの魚のからくる香りは牛肉の香りと青竹の香り?……ということは青竹焼きですか?」
「凄いね全部当たってるよ。このマンションのキッチンが業務用のコンロだったから作ってみたんだ。前のマンションだと町内会の交流会で炭火を借りて作っているんだけどね」
「玲菜さんの行った国にはアジア圏もあるの?」
「はい!それはもういろんな国に行きましたよ。ヨーロッパはもちろんアフリカだって行きましたし行ってない大陸は南極大陸くらいのものですよ」
「それってエリクソンさんのお仕事で?」
「すべてがすべてというわけではありませんが基本的にはそうですね。お母さんもほとんどついて行ってくれましたし、今は日本に住んでいますがそれはもうアグレッシブな感じで各国を満喫していましたよ」
あの春菊さんがアグレッシブになる姿は想像できないが甘夏さんの見聞は予想以上に多かったらしい。
つまりこのごちゃまぜの料理についてもある程度要所要所で理解している風に見えた。
他にも中華風の具沢山スープも作っているため栄養価においてはそこまで偏っていない。
「いただきます」
「いただきます」
「いただきます」
手を静かに合わせて食事の挨拶を告げる。
ちなみに甘夏さんだがキリシタンでもムスリムでもなく無宗教だという。
エリクソンさんも無宗教というわけではないが春菊さんの影響もあって神道系仏教に改宗したらしい。
甘夏さんは早速魚に箸をつける。
一切の不自由さを見せることなく箸を魚をほぐすの春菊さんの教育の賜物だろう。
ソースのかかった魚に口をつけた瞬間、甘夏さんの顔が笑顔に変わった。
「これはヨモギですか?」
「うんそう、昨日葵さんに貰ってさ。久々に作ろうと思ってたんだ」
「懐かしいですね。あの事件ぶりにマジマジとこの香りを嗅ぐと生きていると感じられます」
「あの事件って、甘夏さんが捕まったのに蒼汰君が巻き込まれたっていう誘拐事件?」
「そうだよ」
「そのとき蒼汰さんがケガをしてしまって治療の際にヨモギを使ったんですよ」
来夢さんは一連の話を聞いて納得したようにうなずいた。
「蒼汰君昔からいろんな薬草を唾に着けて当てる治療法をして雪さんに怒られていたよね」
「懐かしいね。そんなこともあったね。タンポポでやろうとしたときは怒られたね」
「あの時は確か公園の良く犬が行くところだったから尚更だよ」
「なんかお二人がとても羨ましく思えてきますね。あ、決して恋の戦いの意味合いで言ったんじゃないんですよ」
少し慌てたように否定をすると「ただ……」と一言置いて、もう絶対に届くことのない代物を欲しがるような声音で
「……ただ、幼馴染という存在が羨ましいと思ったんです」
「そうだね。幼馴染って家族みたいなものだからね」
「うん、でも玲菜さんみたいに色んな国の文化に触れられるのも羨ましい」
「ふふっ、そうですね。あと蒼汰さんこのお魚とっても美味しいですね。いろんな香りが混ざってるのにきちんと調和されていて魚が苦手な人でも食べれるお味です」
他人と自分は違う。
だから自分とは違う経験をしたモノが羨ましい。
だがそれは他人も同じ事
燃えるような恋に落ちた人もいれば恋を知る事なく生涯を終える人も居る。
可哀想と思われても本人からしてみれば可哀想ではない。
蒼汰は動画配信というクリエイターとしての活動によって他人の見方が達観していた。
だからなのか玲菜に対して素っ気ない態度をとってしまったのかもしれない。
「ありがとう、それは葵さんに言っといてね。これを教えてくれたのは葵さんだからね」
「はい、今度会ったときにお伝えしておきますね」
「でもこれに料理名をつけるとしたらどんな名前がいいんだろうね」
「うん、おばあちゃんに習ったって聞いたけど、こんなに色んな国の料理が混じってるからママが考えててもおかしくない気がする」
「うーん、この料理ですが多分来夢さんのおばあちゃんで間違いないように思えます」
「「どうして?」」
「2人が息を合ったところを見ると妬いてしまいそうなのですが……まあいいです。この料理には醤油とレンコンに海藻が使われていますよね。一応青竹焼きが多い中国でも大豆から作られる醤油とは違った肉で作られる醤油、醤《ショウ》がありますが日本のは味噌がルーツと呼ばれていますしこの料理は大豆醤油で無ければ調和しませんが海藻やレンコンと言ったモノで粘りを出して魚に絡むようにしていることから中国から来た料理を日本風にアレンジしたモノと考えられるのです。ジェノベーゼ風ではありますがあくまでもこれはアジアのエッセンスです」
食レポがどこかジャンプ漫画風だ。
だがレシピを知っている蒼汰と来夢はある意味納得した。
海藻類は確かに食べる国はアジアか南米で欧米諸国は食べないと聞く。
様々な食文化に触れてきた甘夏さんだからこそ理解できる料理だった。
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