オタク草食系男子は超肉食ヤンデレ宝石令嬢に美味しくいただかれます~純愛から狂愛へダイヤモンドの瞳は狙った獲物を逃さない~

スライム道

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ジャックフルーツの花言葉は「豪傑」5

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「玲菜さんどうしたの、大丈夫?」
「ああ、蒼汰さん。今朝ぶりですわ。この子蒼汰さんを見つけたら突然泣き出しちゃってこんなこと初めてで私もどう宥めたらいいモノかわからないんですわ。蒼汰さんにならどうにかできそうな気もするんやけど……」
「春菊さんもわからないんじゃ僕にもわからないと思うんですけど……」
「こうなったのは玲菜自身にあると思いますしやめりんしてもようござんす。ただこれを連れて帰るのは面倒しはります。どうか試してみてくれはりまへん」

春菊さんはこんなにも高校生にもなって泣き崩れるほどのショックを受けたというのにただ面倒事に捕まったとしか思っていないらしい。
しかし蒼汰自身こんなにも泣き崩れている甘夏さんを見るのも初めてだしどうすれば良いのかはさっぱりわからない。

「ええと甘夏さん一旦落ち着いて……」
「蒼汰君そんなんじゃ駄目」
「来夢さん?」
「なるほど、確かにそっちの方が良さげな感じですわ」

二人は互いに目を見合わせてから

甘夏オリンピアVS山羽ホトトギス
試合も終盤に成ってまいりました。しかし未だ試合は動かず0対0、9回裏山羽ホトトギスの攻撃
バッター、背番号037723(入らないし表記できない)来夢
迎え撃つピッチャー春菊、背番号は8808、ストレートが得意な選手ですがだいぶ今までの疲労が見え隠れしています。だが監督も延長戦の可能性を考えて控えを温存したいのでしょう。

ピッチャー第一球(拳)バッター振りかぶって(手を上げて)

カキーン

初球で打った!
レフト抜ける大きい大きいこれはホームランか!ホームランか!!超えた!!!超えたぞ!!!!初球場外サヨナラホームラン!!!!!

とまあ二人は変則クロスパンチを行ったのである。
スーパーの店員も顎を外すくらいの驚きを挙げていた。

「ふがあ!」

大きな声を上げるが意外と外面にケガは無く青くもなっていないし腫れてもいないので差ほど痛くはなさそうだった。
というか二人とも凄い音を鳴らしたパンチを食らって無事な甘夏さんもそうだが蒼汰の周りの女性は頑丈かつ良い女性が集まる傾向にある気がしてならない。

「……ぷはっ!」

むくりと立ち上がると何故かこちらを向いた。
獲物を見る目で……

「うーん」
「まあまあ、元気にはなったみたいなのでこれで失礼しますね」

来夢さんは失敗したような顔をしていたが春菊さんは甘夏さんの首根っこを掴むと引きずって行った。

「とりあえず僕らも買うもの買って帰ろうか」
「うん、とりあえずお野菜とかの生鮮食品を中心に献立を決めていこうね」

一先ず買い物を優先させることにした。
2つ買い物袋をいっぱいにしていざ帰ろうとすると

「僕が二つとも持つからいいよ」
「うーんそれよりも私が一つ持つから手を繋いでも良い?」
「手?」

なんで迷子になるはずもないのに手を繋ぐことを要求するのはベタな展開から外れこそするがある意味王道。

「うん、昔みたいに手を繋いでみたいの。今までの思い出とこれから人生を身にしみて感じたい」
「分かったよ。マンションに着くまでだよ。それ以上はダメ、いいね」
「ありがとう」

片方に荷物を持ち片方は手を結ぶ。
カップルというよりは新婚夫婦に見間違える光景だ。
学園指定の制服とカバンが辛うじてカップルに見える判断基準になっていた。

「昔と違って私が小さくて蒼汰君が大きい。それに手もゴツゴツになってるね。昔もママの手よりゴツゴツだったけど今はもっとゴツゴツ……」
「来夢さんの手もいろんなことを知ってるみたいだね。今度ハンドクリームでも買いに行く?」
「私はママに貰ったのを持ってるから大丈夫、それに私より蒼汰君の方が必要そうだよ?」
「一本取られたね。ハンドクリームかあ~」
「付けたことないの?」
「一回試しに着けたことはあるんだけどパソコンを使ってると跡が付いちゃってね。それで辞めたんだ」
「それなら私が使っているモノを試してみたら?一応ピアノのとかにも跡が付かないようにすぐに手に馴染むやつだから蒼汰君も気に入ると思うよ」
「じゃあ試しに使ってみようかな」

手は人生を物語る。
手相占いには利き手が努力した手相で利き手ではない方が生来の運勢と言われいる。
もちろん手相だけでなく蛸やできものも努力の証だ。
良く手が乾燥しやすい人は水仕事だったり書き物、読み物を熱心にやっている人にも感じるし第一印象においても握手をする際はどのような努力をしたのかを見抜かれてしまう。
蒼汰の場合、自然物に触れることが多く、薬品を洗い流したり手が傷ついたりしやすいのでボロボロになっては修復を繰り返しゴツゴツとした皮膚に変化していた。

「でも蒼汰君の手は好きだよ」
「ん?」

矛盾する言葉に蒼汰は思わず聞き返した。

「だって私以上にいっぱい知ってるんだもん」

ファーブルの昆虫記(翻訳本:どれかは忘れました)より
ファーブルは度重なる実験により手が荒れていた。
そして彼はそれをひたすらに隠していた。
それを衆目にさらされたとき彼の出資者は言った。

この手はこの場の誰よりも知っている手だと

それでもファーブルは目立つことを嫌ったが良く知る手とはそれだけボロボロになる。

「ありがとう」
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