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ジャックフルーツの花言葉は「豪傑」6
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「ただいま」
「おかえりなさい。ただいま」
「おかえり」
「「ふふふ(ははは)」」
互いにただいまとおかえりの挨拶を交わすのはどこか恥ずかしい反面楽しかった。
このやり取りに対して心が温まるし暖かいと思うのは来夢さんに恋をしてしまったのだろうか。
そんな考えが頭を通りすがったが……
「蒼汰ざ~ん゛ずでないでぐだざ~い゛!」
先ほど通常フェイスに戻ったはずの甘夏さんが再び泣き崩れながら嘆願してきた。
後ろには無言の春菊さんも居た。
「すみませんね蒼汰さん。先ほど元に戻ったと思ったら急に蒼汰さんの部屋に行くと言って聞かなくてスーパーのとき以上の馬鹿力を出したものだから私も止めたくても止められなくて本当に申し訳ないわ」
春菊さんは言葉が通じそうにない甘夏さんに代わって事情を説明し始めた。
「蒼汰さんが自分ではない誰かに恋をしたと勘づいたみたいでね。このままだと自分は捨てられるって思ったらしいわ。まあそもそも恋人でもないのに突っ走ってるこの子も悪いんだけどね」
「蒼汰さんなんでもじま゛ずがら゛いっじょにいざぜでぐだしゃい」
「玲菜さん、私を焚きつけるだけ焚きつけておいてなんで自分が負けそうだと思うとこんなに蒼汰君に縋るの?おかしいよ。自分が負けないと信じて疑わなかったの?」
来夢さんは現実を見ろとでも言うかのような言葉を交えていた。
「この子に代わって言いますがこの子はまだ大きな失敗をしたことが無いんです。今日が初めての大きな失敗です。今まで大きな失敗してこなかった分ショックが今まで以上、普通の人以上に大きかったと思います。もちろんそれが人生ですしまだ若いうちから経験出来て親としては嬉しく思います。玲菜は今まで天狗に成っている気がしていたのでとてもいい経験です。ですがここまでショックを受けるとは思っていませんでした。すみません人の恋路ですしどこまでとも言いませんが玲菜を慰めてやってはくれませんか?」
これが親心という奴だろう。
放任主義でも最後は助けて上げたいと思う親心。
春菊さんにそこまで言われて自分の心に問いてみると甘夏さんに対して不快感は感じてはいない。
むしろ好意的な感情だ。
しかもこれは……
「そっか……」
蒼汰と来夢は甘夏さん、玲菜に近寄り
「甘夏さん、どっちが先かはまだわからないけど僕は甘夏さんの事も好意的に、家族に近い存在のようには思っているよ」
「私も気づいていたよ蒼汰君があなたに家族と同じように接していたこと」
「……」
「ん?」
気絶してた。
「コラ玲菜、きちんと告白されたんですから起きなさい!」
「ボフッ……お母さん、それに来夢さんに蒼汰さん。私、今、今、今蒼汰さんに好意を寄せられる夢を見たんですが……」
甘夏さんは寝ぼけたようにウトウトとしている。
「それは夢じゃないよ」
「玲菜さん好意を向けられているのは私だけじゃないからね」
甘夏玲菜はやっとこさ認識をした。
「そそそそそそそ蒼汰さんがわわわわわわわわたしとかかかかかかかぞくに!?」
「自分が不甲斐ないばかりに恋までは言ってないんだけどね。たった一月とはいえ単なる知り合いから同居人くらいには思っているよ」
「はい!まだ家族とは言ってくれないのは私がまだまだ蒼汰さんに信用されていないからですね」
「うん来夢さんは兄弟姉妹のイメージが強いかな」
「私は初めはお姉さん、今は妹かな?」
「そうだね」
「じゃあ私はなんですか?」
そんなに期待するような感じで見られても期待に応えられるような答えは出せない気もする。
「甘夏さんは大家さんかな……」
「大家」
ずーんと手を下に付きそうになったが……
「そう、前の大家さん。いつもお裾分けとかもらったりしてたんだ。一応母さんの友達だから小さい頃もあったことがあるしね」
「親戚の友人レベルですか……今までの玲菜の所業を考えれば良いところですかね」
「お母さん、私はそれから2段階上に行く所存です!」
「威勢だけは良いんだからね、ったくこの馬鹿娘が!」
大きく手を振って背中を叩く姿は豪傑に見えた。
「じゃあ今日はもうお暇しますね。すみませんがこの馬鹿娘の面倒見てやってください。貰ってくれとはいいまへん。少しばかり構ってやってください。痛い目に合わせても構いへん。この子の知らなかった人生を教えてやってください。蒼汰さんに来夢さん」
母は強し
そして親は子の成長を願うべしと信じてやまない母親に見えた。
子どもにとって母親はいつだって豪傑だ。
なんせ自分の全てを知っているのだから……
粘り強い語りかけと適度な甘さを持つジャックフルーツのように子育てはしなくてはならない。
ジャックフルーツの花言葉は「豪傑」
世界最大のフルーツとも呼ばれるジャックフルーツは男のフルーツという名前なのに身近な女性に良く似ていた。
「おかえりなさい。ただいま」
「おかえり」
「「ふふふ(ははは)」」
互いにただいまとおかえりの挨拶を交わすのはどこか恥ずかしい反面楽しかった。
このやり取りに対して心が温まるし暖かいと思うのは来夢さんに恋をしてしまったのだろうか。
そんな考えが頭を通りすがったが……
「蒼汰ざ~ん゛ずでないでぐだざ~い゛!」
先ほど通常フェイスに戻ったはずの甘夏さんが再び泣き崩れながら嘆願してきた。
後ろには無言の春菊さんも居た。
「すみませんね蒼汰さん。先ほど元に戻ったと思ったら急に蒼汰さんの部屋に行くと言って聞かなくてスーパーのとき以上の馬鹿力を出したものだから私も止めたくても止められなくて本当に申し訳ないわ」
春菊さんは言葉が通じそうにない甘夏さんに代わって事情を説明し始めた。
「蒼汰さんが自分ではない誰かに恋をしたと勘づいたみたいでね。このままだと自分は捨てられるって思ったらしいわ。まあそもそも恋人でもないのに突っ走ってるこの子も悪いんだけどね」
「蒼汰さんなんでもじま゛ずがら゛いっじょにいざぜでぐだしゃい」
「玲菜さん、私を焚きつけるだけ焚きつけておいてなんで自分が負けそうだと思うとこんなに蒼汰君に縋るの?おかしいよ。自分が負けないと信じて疑わなかったの?」
来夢さんは現実を見ろとでも言うかのような言葉を交えていた。
「この子に代わって言いますがこの子はまだ大きな失敗をしたことが無いんです。今日が初めての大きな失敗です。今まで大きな失敗してこなかった分ショックが今まで以上、普通の人以上に大きかったと思います。もちろんそれが人生ですしまだ若いうちから経験出来て親としては嬉しく思います。玲菜は今まで天狗に成っている気がしていたのでとてもいい経験です。ですがここまでショックを受けるとは思っていませんでした。すみません人の恋路ですしどこまでとも言いませんが玲菜を慰めてやってはくれませんか?」
これが親心という奴だろう。
放任主義でも最後は助けて上げたいと思う親心。
春菊さんにそこまで言われて自分の心に問いてみると甘夏さんに対して不快感は感じてはいない。
むしろ好意的な感情だ。
しかもこれは……
「そっか……」
蒼汰と来夢は甘夏さん、玲菜に近寄り
「甘夏さん、どっちが先かはまだわからないけど僕は甘夏さんの事も好意的に、家族に近い存在のようには思っているよ」
「私も気づいていたよ蒼汰君があなたに家族と同じように接していたこと」
「……」
「ん?」
気絶してた。
「コラ玲菜、きちんと告白されたんですから起きなさい!」
「ボフッ……お母さん、それに来夢さんに蒼汰さん。私、今、今、今蒼汰さんに好意を寄せられる夢を見たんですが……」
甘夏さんは寝ぼけたようにウトウトとしている。
「それは夢じゃないよ」
「玲菜さん好意を向けられているのは私だけじゃないからね」
甘夏玲菜はやっとこさ認識をした。
「そそそそそそそ蒼汰さんがわわわわわわわわたしとかかかかかかかぞくに!?」
「自分が不甲斐ないばかりに恋までは言ってないんだけどね。たった一月とはいえ単なる知り合いから同居人くらいには思っているよ」
「はい!まだ家族とは言ってくれないのは私がまだまだ蒼汰さんに信用されていないからですね」
「うん来夢さんは兄弟姉妹のイメージが強いかな」
「私は初めはお姉さん、今は妹かな?」
「そうだね」
「じゃあ私はなんですか?」
そんなに期待するような感じで見られても期待に応えられるような答えは出せない気もする。
「甘夏さんは大家さんかな……」
「大家」
ずーんと手を下に付きそうになったが……
「そう、前の大家さん。いつもお裾分けとかもらったりしてたんだ。一応母さんの友達だから小さい頃もあったことがあるしね」
「親戚の友人レベルですか……今までの玲菜の所業を考えれば良いところですかね」
「お母さん、私はそれから2段階上に行く所存です!」
「威勢だけは良いんだからね、ったくこの馬鹿娘が!」
大きく手を振って背中を叩く姿は豪傑に見えた。
「じゃあ今日はもうお暇しますね。すみませんがこの馬鹿娘の面倒見てやってください。貰ってくれとはいいまへん。少しばかり構ってやってください。痛い目に合わせても構いへん。この子の知らなかった人生を教えてやってください。蒼汰さんに来夢さん」
母は強し
そして親は子の成長を願うべしと信じてやまない母親に見えた。
子どもにとって母親はいつだって豪傑だ。
なんせ自分の全てを知っているのだから……
粘り強い語りかけと適度な甘さを持つジャックフルーツのように子育てはしなくてはならない。
ジャックフルーツの花言葉は「豪傑」
世界最大のフルーツとも呼ばれるジャックフルーツは男のフルーツという名前なのに身近な女性に良く似ていた。
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