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アサガオの花言葉は「固い絆」3
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「蒼汰さん見て下さい!こんなに綺麗に咲きました!!」
鮮やかに彩られたアサガオが見事に咲いていた。
小学校で使われるような網状の棒ではなく市販されているような真直ぐな棒を1本建てて……
放課後に成り甘夏さんの部屋でアサガオの生育具合を観察しに行ったら既につぼみが開いて開花していた。
「そういえば支え棒とか売ったっけ?」
「それは母から貰いました。蒼汰さん家の仕入れのついでだって言って」
「ごめんね僕も気が周らなくて……」
「いいんですよ。お母さんも最初から買う人は珍しいからって進めなかったと言ってましたしあの時は歩きでしたから荷物がかさばらないように気遣っての事だと思っていたので気にしてませんでしたし」
「うーん一応常連さん以外は花の育て方はきちんと話すことが決まりなんだ。だから甘夏さんに言わなかったのは僕のミスだから謝らせて」
「じゃあデートで……」
「お客様当店の店員のプライバシーにあたるためそれよちょっと……」
「ち」
感じ悪ぅと思えるような舌打ちではなくチロリと蛇のように小さく舌を舐めずりしていた。
「可愛くしてもダメ!雪さんに蒼汰君が怒られるだけ」
「むう」
ほっぺをハリセンボンのようにツンツンした雰囲気を出しながら膨らませる。
「まあまあ、そんなに怒らないで…それでこのアサガオは生花のまま渡すの?それとも押し花にでもする?」
「私としては両方でやりたい気はありますが数が少ないので押し花にしてしおりに加工しようと思っています」
「それは良さげだね。押し花にすれば日持ちするし一生とまでは行かないけど長く残る思い出の品にピッタリだしね」
「秋芽さんに渡すので花言葉にもかけられてより思いも伝わるかもしれませんね」
「アサガオの花言葉は「はかない恋」「固い絆」「愛情」、この場合は固い絆かな。確かに玲菜さんの親友と呼べる人なら渡しても良いと思うよ」
「当然です!春休みに店番をしていた蒼汰さんに選んでもらった花なんですから!」
甘夏さんの威勢のいい宣言に蒼汰は苦笑していたが来夢さんは引っかかる言葉があったらしく眉間に皺を寄せている。
「もしかして蒼汰君春休みに実家に戻ってた?」
「戻っていたけどそれがどうかしたの?」
「いや雪さんが旅行に行ってたのは知ってたんだけどお店は蒼汰君は家に帰ってこないし一旦定休日にするって言ってたから私もその期間は家事や料理のお勉強は後回しにしていたんだけど蒼汰君が帰ってきていたとは思ってなかったから……」
「知ってたらどうしてたの?」
「そんなの決まってる。こうしてこうする」
「?」
言葉だけで何もしてこない来夢さんに対してクエスチョンマークを浮かべていると柔らかな雰囲気が漂ってきた。
「×××××××××××××××××××××」
甘夏さんの声が口パクに聞こえる。
対照的に来夢さんの声がとても綺麗に聞こえた。
「♪~~♬♬~~~~♩~~~~~♫~~~~~~~~~」
メロディー無きメロディー、歌詞無き歌詞、言葉無き言葉とでも言うような歌声はとても綺麗で心を休ませられた。
突然現れる突発的な感情のメロディーを表現しているようなそんな生易しいものでは無い。
心に直接癒しに掛かるそんな奏で方だった。
「~~♪~♬~~~~♩~~~~~♫~~~~♩~~~~♩~~~~~♫~~~~~~~♬~~~」
どんどんもっと癒されたいと思うようなそんな衝動に駆られて来夢さんに手を伸ばそうとしたとき
「The Manassa Mauler(マネッサの殺し屋)と詠われた拳聖ヘビー級王者William Harrison Dempsey(ウィリアム・ハリソン・デンプシー)!リングネームはJack Dempsey(ジャック・デンプシー)!!その最強の技とくと魅せてさしあげましょう!!!起きろ!!!!Dempsey roll(デンプシーロール)!!!!!」
何故彼はフェザー級(55㎏から57㎏くらい)であるにも関わらず究極の関門と呼ばれるヘビー級(86㎏以上)の技を使えるのか、それはわからない。
だが明らかにフェザー級の某釣船屋の息子と同じくらい、もしくはそれ………………(一瞬にして血に染まった机と原稿用紙とキーボード)…………
ダイイングメッセージと思われるモニターにはこう書かれていた。
だってそれは大胸筋が支え込んでいる夢と希望の塊の重さのせいだもん。
奇しくも惜しい人を失くした気がするが次回には復活していると蒼汰は考え来夢さんに向かおうとしていた身体を止める。
この一発KO覚悟で突っ込むしかない状態でもっとも効果的な技を考えた。
答えは
「クリンチ(という名のホールドだよ)」
「ぽわぽわぽわあ」
「じゃあ私も」
甘夏さんを抱きしめたら後ろから抱きしめられた。
巨乳派諸君に聴こう、身体を抱き合った時もっとも密着率が高いのは巨乳と貧乳どちらだ!
答えは貧乳だ!!!
確かに巨乳は素晴らしき柔らかさだろう。
だが貧乳の抱きしめやすさには叶わない。
「蒼汰さん、なんか失礼な心の声が聞こえてきた気がするのですが」
「蒼汰君、そんなに抱きしめて欲しいの?」
アサガオのもう一つの花言葉は「はかない恋」
不確実で長続きしない恋
一目惚れ、片思い
それはコンコルドの誤りによってすぐに覆る。
「と、とりあえずアサガオを押し花にしようか」
「最近ごまかし方が強引過ぎる気がしてきました」
「蒼汰君はいつもそうだったから私は気にならないなあ」
鮮やかに彩られたアサガオが見事に咲いていた。
小学校で使われるような網状の棒ではなく市販されているような真直ぐな棒を1本建てて……
放課後に成り甘夏さんの部屋でアサガオの生育具合を観察しに行ったら既につぼみが開いて開花していた。
「そういえば支え棒とか売ったっけ?」
「それは母から貰いました。蒼汰さん家の仕入れのついでだって言って」
「ごめんね僕も気が周らなくて……」
「いいんですよ。お母さんも最初から買う人は珍しいからって進めなかったと言ってましたしあの時は歩きでしたから荷物がかさばらないように気遣っての事だと思っていたので気にしてませんでしたし」
「うーん一応常連さん以外は花の育て方はきちんと話すことが決まりなんだ。だから甘夏さんに言わなかったのは僕のミスだから謝らせて」
「じゃあデートで……」
「お客様当店の店員のプライバシーにあたるためそれよちょっと……」
「ち」
感じ悪ぅと思えるような舌打ちではなくチロリと蛇のように小さく舌を舐めずりしていた。
「可愛くしてもダメ!雪さんに蒼汰君が怒られるだけ」
「むう」
ほっぺをハリセンボンのようにツンツンした雰囲気を出しながら膨らませる。
「まあまあ、そんなに怒らないで…それでこのアサガオは生花のまま渡すの?それとも押し花にでもする?」
「私としては両方でやりたい気はありますが数が少ないので押し花にしてしおりに加工しようと思っています」
「それは良さげだね。押し花にすれば日持ちするし一生とまでは行かないけど長く残る思い出の品にピッタリだしね」
「秋芽さんに渡すので花言葉にもかけられてより思いも伝わるかもしれませんね」
「アサガオの花言葉は「はかない恋」「固い絆」「愛情」、この場合は固い絆かな。確かに玲菜さんの親友と呼べる人なら渡しても良いと思うよ」
「当然です!春休みに店番をしていた蒼汰さんに選んでもらった花なんですから!」
甘夏さんの威勢のいい宣言に蒼汰は苦笑していたが来夢さんは引っかかる言葉があったらしく眉間に皺を寄せている。
「もしかして蒼汰君春休みに実家に戻ってた?」
「戻っていたけどそれがどうかしたの?」
「いや雪さんが旅行に行ってたのは知ってたんだけどお店は蒼汰君は家に帰ってこないし一旦定休日にするって言ってたから私もその期間は家事や料理のお勉強は後回しにしていたんだけど蒼汰君が帰ってきていたとは思ってなかったから……」
「知ってたらどうしてたの?」
「そんなの決まってる。こうしてこうする」
「?」
言葉だけで何もしてこない来夢さんに対してクエスチョンマークを浮かべていると柔らかな雰囲気が漂ってきた。
「×××××××××××××××××××××」
甘夏さんの声が口パクに聞こえる。
対照的に来夢さんの声がとても綺麗に聞こえた。
「♪~~♬♬~~~~♩~~~~~♫~~~~~~~~~」
メロディー無きメロディー、歌詞無き歌詞、言葉無き言葉とでも言うような歌声はとても綺麗で心を休ませられた。
突然現れる突発的な感情のメロディーを表現しているようなそんな生易しいものでは無い。
心に直接癒しに掛かるそんな奏で方だった。
「~~♪~♬~~~~♩~~~~~♫~~~~♩~~~~♩~~~~~♫~~~~~~~♬~~~」
どんどんもっと癒されたいと思うようなそんな衝動に駆られて来夢さんに手を伸ばそうとしたとき
「The Manassa Mauler(マネッサの殺し屋)と詠われた拳聖ヘビー級王者William Harrison Dempsey(ウィリアム・ハリソン・デンプシー)!リングネームはJack Dempsey(ジャック・デンプシー)!!その最強の技とくと魅せてさしあげましょう!!!起きろ!!!!Dempsey roll(デンプシーロール)!!!!!」
何故彼はフェザー級(55㎏から57㎏くらい)であるにも関わらず究極の関門と呼ばれるヘビー級(86㎏以上)の技を使えるのか、それはわからない。
だが明らかにフェザー級の某釣船屋の息子と同じくらい、もしくはそれ………………(一瞬にして血に染まった机と原稿用紙とキーボード)…………
ダイイングメッセージと思われるモニターにはこう書かれていた。
だってそれは大胸筋が支え込んでいる夢と希望の塊の重さのせいだもん。
奇しくも惜しい人を失くした気がするが次回には復活していると蒼汰は考え来夢さんに向かおうとしていた身体を止める。
この一発KO覚悟で突っ込むしかない状態でもっとも効果的な技を考えた。
答えは
「クリンチ(という名のホールドだよ)」
「ぽわぽわぽわあ」
「じゃあ私も」
甘夏さんを抱きしめたら後ろから抱きしめられた。
巨乳派諸君に聴こう、身体を抱き合った時もっとも密着率が高いのは巨乳と貧乳どちらだ!
答えは貧乳だ!!!
確かに巨乳は素晴らしき柔らかさだろう。
だが貧乳の抱きしめやすさには叶わない。
「蒼汰さん、なんか失礼な心の声が聞こえてきた気がするのですが」
「蒼汰君、そんなに抱きしめて欲しいの?」
アサガオのもう一つの花言葉は「はかない恋」
不確実で長続きしない恋
一目惚れ、片思い
それはコンコルドの誤りによってすぐに覆る。
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