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アケビの花言葉は「才能」6
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「先輩お強かったんですね。何か部活をしていらっしゃるんですか?」
「ん?」
風呂に入っているとクマに襲われていた班の中の1年生が話しかけてきた。
「先輩、こんなにひょろいのにクマの乱れひっかきを捌ききってただじゃないですか。あんなのアニメでしか見たことないですよ。まるでジャッキーチュンみたいでした」
「そんな俺は七つの玉を集める物語の主人公である弟子に世界は広いということを教えるために弟子の出る最強系師匠でもないよ」
「じゃあ何か部活か習い事でもしていたんですか?空手道とか?」
「何もやってないよ」
「マジですか、天性の才能ってやつですか。本物初めて見た!」
「そんな大層なものじゃないと思うけどね。今回現れたクマは明らかに人に怯えていたし一撃喰らわせていたら普通に逃げたと思うよ」
今回襲ってきたクマは本州以南に生息するツキノワグマ、別名アジアクロクマ種から派生した比較的体長の小さいクマだ。
よくマンガやアニメの世界では人間の身長を大きく上回るクマが描かれるがニホンツキノワグマは体調100センチメートルから150センチメートル体重は妊娠してない個体で60-120キログラム現在の日本人の身長からしてみれば成人男性と同等かそれ以下の人間が多い。ロシアには180センチメートルを超えるツキノワグマ種が存在するが日本の昔話で大きく描かれるのはそれだけ当時の日本人が小さかったとも言える。
「それにクマと人間じゃ筋肉が違い過ぎるからね同じ体重でも人間の方は頭や骨に対して比重が深いと言われているしね。より筋肉があるのはクマの方だし身体の使い方もクマの方がずっと上手だ。本当に運が良かったとしか言いようがない結末だよ。だから真似はしないこと。そして憧れないこと。無知と知では勇気も無謀に変わるただの愚の骨頂だよ」
「なんか先輩とても難しいこと言ってますね。もしかして特待生ですか?」
「一応ね」
「ほへえ、うちの学園って金持ちや芸能人なんかが数多く在籍してて変にプライド高かったり心の奥底で見下してる感が隠せてないような人ばかりなんですけど先輩は見下してる感じが無かったのでもしかしたらって思ってましたけど凄いですね。うちの学園、進学率も就職率も上げるためにテストは大学の問題混じらせてやってることが多いのに、俺なんて親のコネで入ったのでそんなに勉強できるのは尊敬します」
「そこは執念だよ。僕の地元は田舎でね。少なからず都会への憧れはあったんだ。親の説得をするのにはこの学園しかなかったって言うのもあるけどね」
「あ、もしかして何か仕事してる感じですか?」
「まあそんなとこ」
「所得とかも自分で払ってる感じですか?」
「ノーコメントで……」
実際蒼汰は払っている。
年103万の壁を越え130万の壁すらも通り越していた。
高校入学時点で既に年金を払えるだけの実績を持っていた彼は動画配信を収益化すると同時に年金、所得税、市民税を払い始めた。
ここまでする学生は中々いない。
如何にモデル業やアイドル業といったことをやっているの学生が集まる学園でも会社に所属している社員なのだ。
雇用形態としては契約社員に近い場合が多く年度更新など様々だ。
そして蒼汰のように確定申告が必要な学生を学校は抱えたくない。
あくまでも勉学優先を盾に辞めさせたいと思っている学校が大半だ。
しかし秀専学園は違った。
例え個人事業主だろうが社長だろうが会長だろうが学生資格を持っている以上来るもの拒まず去る者追わずの姿勢を見せる珍しい学園だった。
もちろんテストは厳しいが既に社会貢献している人材と認識しているので時事の問題で加算する仕組みで単位を取らせていたりする。
もちろん教育委員会からの高等学校で教える範囲も勉強させるがテストよりもレポートを重視する学校なだけあってその辺は緩い。
この秀専学園高等学部は高等学校教育という名の皮を被った大学と巷では呼ばれていた。
「まあいいっすけど秋芽生徒会長って入学式の時に見た感じだと凄い自信に満ち溢れていて今日も元気いっぱいって感じが目立ったんですけどなんかクマに襲われて先輩に怒られてから萎んでましたけど大丈夫ですかね?」
「親友の甘夏さんがなんとかすると思うけど……」
「あの銀髪の人っすか。なんか先輩、音楽部アシスタントの来夢さんとも仲良かったですけどもしかしてどっちにも迫られているって感じですか?」
「何でわかるの?」
「いや、うち先輩のクラスの科夫さんとこの子会社で放置ゲーを開発しているんですけどリアリティを求めてたら何となく他人の状況が解るようになっちゃったんです」
「なにそれ、それこそ才能じゃない?」
「まあ昔から他人の状況を見るのは得意だったんでボードゲームとか負けなしだったんですけどこの学園だと寂しいもんですよ。俺の才能なんかちっぽけに見えてくる人たちばっかりでこの学園で生きていけるのか心配です」
「お互い頑張ろうか」
風呂から上がる二人の背中は不安を抱える新人とそれを慰める中級管理職に酷似していた。
「ん?」
風呂に入っているとクマに襲われていた班の中の1年生が話しかけてきた。
「先輩、こんなにひょろいのにクマの乱れひっかきを捌ききってただじゃないですか。あんなのアニメでしか見たことないですよ。まるでジャッキーチュンみたいでした」
「そんな俺は七つの玉を集める物語の主人公である弟子に世界は広いということを教えるために弟子の出る最強系師匠でもないよ」
「じゃあ何か部活か習い事でもしていたんですか?空手道とか?」
「何もやってないよ」
「マジですか、天性の才能ってやつですか。本物初めて見た!」
「そんな大層なものじゃないと思うけどね。今回現れたクマは明らかに人に怯えていたし一撃喰らわせていたら普通に逃げたと思うよ」
今回襲ってきたクマは本州以南に生息するツキノワグマ、別名アジアクロクマ種から派生した比較的体長の小さいクマだ。
よくマンガやアニメの世界では人間の身長を大きく上回るクマが描かれるがニホンツキノワグマは体調100センチメートルから150センチメートル体重は妊娠してない個体で60-120キログラム現在の日本人の身長からしてみれば成人男性と同等かそれ以下の人間が多い。ロシアには180センチメートルを超えるツキノワグマ種が存在するが日本の昔話で大きく描かれるのはそれだけ当時の日本人が小さかったとも言える。
「それにクマと人間じゃ筋肉が違い過ぎるからね同じ体重でも人間の方は頭や骨に対して比重が深いと言われているしね。より筋肉があるのはクマの方だし身体の使い方もクマの方がずっと上手だ。本当に運が良かったとしか言いようがない結末だよ。だから真似はしないこと。そして憧れないこと。無知と知では勇気も無謀に変わるただの愚の骨頂だよ」
「なんか先輩とても難しいこと言ってますね。もしかして特待生ですか?」
「一応ね」
「ほへえ、うちの学園って金持ちや芸能人なんかが数多く在籍してて変にプライド高かったり心の奥底で見下してる感が隠せてないような人ばかりなんですけど先輩は見下してる感じが無かったのでもしかしたらって思ってましたけど凄いですね。うちの学園、進学率も就職率も上げるためにテストは大学の問題混じらせてやってることが多いのに、俺なんて親のコネで入ったのでそんなに勉強できるのは尊敬します」
「そこは執念だよ。僕の地元は田舎でね。少なからず都会への憧れはあったんだ。親の説得をするのにはこの学園しかなかったって言うのもあるけどね」
「あ、もしかして何か仕事してる感じですか?」
「まあそんなとこ」
「所得とかも自分で払ってる感じですか?」
「ノーコメントで……」
実際蒼汰は払っている。
年103万の壁を越え130万の壁すらも通り越していた。
高校入学時点で既に年金を払えるだけの実績を持っていた彼は動画配信を収益化すると同時に年金、所得税、市民税を払い始めた。
ここまでする学生は中々いない。
如何にモデル業やアイドル業といったことをやっているの学生が集まる学園でも会社に所属している社員なのだ。
雇用形態としては契約社員に近い場合が多く年度更新など様々だ。
そして蒼汰のように確定申告が必要な学生を学校は抱えたくない。
あくまでも勉学優先を盾に辞めさせたいと思っている学校が大半だ。
しかし秀専学園は違った。
例え個人事業主だろうが社長だろうが会長だろうが学生資格を持っている以上来るもの拒まず去る者追わずの姿勢を見せる珍しい学園だった。
もちろんテストは厳しいが既に社会貢献している人材と認識しているので時事の問題で加算する仕組みで単位を取らせていたりする。
もちろん教育委員会からの高等学校で教える範囲も勉強させるがテストよりもレポートを重視する学校なだけあってその辺は緩い。
この秀専学園高等学部は高等学校教育という名の皮を被った大学と巷では呼ばれていた。
「まあいいっすけど秋芽生徒会長って入学式の時に見た感じだと凄い自信に満ち溢れていて今日も元気いっぱいって感じが目立ったんですけどなんかクマに襲われて先輩に怒られてから萎んでましたけど大丈夫ですかね?」
「親友の甘夏さんがなんとかすると思うけど……」
「あの銀髪の人っすか。なんか先輩、音楽部アシスタントの来夢さんとも仲良かったですけどもしかしてどっちにも迫られているって感じですか?」
「何でわかるの?」
「いや、うち先輩のクラスの科夫さんとこの子会社で放置ゲーを開発しているんですけどリアリティを求めてたら何となく他人の状況が解るようになっちゃったんです」
「なにそれ、それこそ才能じゃない?」
「まあ昔から他人の状況を見るのは得意だったんでボードゲームとか負けなしだったんですけどこの学園だと寂しいもんですよ。俺の才能なんかちっぽけに見えてくる人たちばっかりでこの学園で生きていけるのか心配です」
「お互い頑張ろうか」
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