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とりあえず人が居ることを聞いたのだがヘラ様が居てくれたから自然と孤独感は無かった。

ただ孤独感が無いせいもあるし寿命が延びたことも関係しているのか時の流れをあまり感じなくなったから40日も時間を過ごしてしまっていた。
偶に自分の身体のこととかで気になることがあってその質問をしているうちに時間が過ぎてしまうことも多々あった。

なんせカピバラという人間よりも脳の小さい生物になったから確実に入りきらない記憶領域があるはずなのに前世の記憶は全て鮮明に覚えていたことだった。
俺の仮説だと前脳が海馬の役割と併用して行っているとしか思えなかった。

脳をPCに例えるとメモリにあたるのが前脳、ストレージ(SSD、HDD、eMCC、UFSなどの記憶媒体)が海馬、CPUが大脳、神経がマザーボードとなる。
ストレージの代わりを一時的に担えるとしたらメモリにあたる前脳と考えるのが妥当なのだがあくまでも一時的な保存場所の味方が多い。
この前世の記憶も無くなるかもしれないとヘラさんに聞いてみたら。

《宿主の前世の記憶に関しては王のスキルを保持後固有記憶領域に保管されております。カピバラとしての記憶はこれから蓄積されていく予定です。尚宿主には時空操作が存在するため記憶の蓄積に対する容量オーバーは起こりえないかと。》

流石異世界ってことで流すしかなかった。
そういえば俺、時空操作なんてほぼ反則みたいなスキル持ってるの忘れてた。

あ、そういえば俺のスキルって固有空間を生み出すのかな?

《宿主の時空操作スキルで生み出される空間は固有空間です。現在時空操作スキルを持つのは宿主のみとなっていますが複数持った時代では彼らごとの空間が生み出されていたと記録されております。》

「そんな時代があったんカピね。なんというか、前世の世界大戦みたいな状態になっていた気がするカピ。」

それこそ某忍会戦みたいなことが起こってそうにみえる。
力を持つモノが複数居る時代では常に争いが絶えない。

《宿主、それに関しては王の右腕としてのアクセス権限が解放されていませんのでお答えできません。》

「王の右腕にも色々あるカピね。そういえばヘラさんのできないことって何カピか?」

《現状、肉体が無いので肉体を必要とする作業とアクセス権限が無い情報の検索に関しては出来ません。他スキル補助などは行えます。》

「スキルの補助ができるんカピ?」

《はい。宿主のスキルの中で使用の困難を極めるモノをサポート、補助いたします。また完全操作譲渡しても構いません。》

「それは便利カピ。時空操作なんて元人間の自分にはチンプンカンプン(内容がわからない)だったカピよ。」

《では全スキルをリンク、及び宿主の情報リソース不足によるスキルをこちらで操作し、イメージのみによるスキルの使用に切り替えますか?》

わ~チョー便利。
今までイメージだけとか簡単にできるもんでも無かったのよ。
っつうか今までの鍛錬は無意味になってしまったのではないでしょうか?
そのあたりサラ先生はどのようにお考えで?

《私が手に負えないような事態が起こりえる可能性もございますのでスキルの鍛錬は怠らないようにしてくださいね。》

「サラさんが手に負えないような事態になることは無い気がするカピよ。そんな事態どうやったら起こりえるカピ?」

《他の王と対峙する場合によっては起こりえるかもしれません。特に魔王化した王は強いですから。》

「魔王化……カピ?」

追及して聞いていくと王のスキルを持つモノが至る極地とのことで、種族の名前にかかわらず他のモンスターすらひれ伏せさせる力を持っているらしい。
勇者とかも居そうだなと思っているとスキルとしては存在はしないとのこと。
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