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今にも離し出しそうなシワをしたウィッチハットをした魔女様は一言で表すなら童話に出てきそうな魔女といった感じ。

胸とか出るとこ出てるけど男を誘うような感じではなくて控えめな表現をしているし足とも全部ローブに身を包ませているので体のラインを控えめな感じにしている。
驚愕すべき部分はその若さだろうか。
大人の妖艶さはそのままに年齢を感じさせる雰囲気こそするものの見た目は20代そのもの。
滲み出る経験の雰囲気は隠せないのか漏れているけど草食系男子が好みそうな引っ張って教えてくれる系お姉さん。
一言で言うならど……

「あらあら、私はそんなはしたない女ではなくてよ。
 夫一筋ですからね。」
「リヤさんだまされてはいけませんよ。
 この学園長の旦那様は普人族ですがとても小さく可愛らしい人ですからね。
 あの肖像画が学園長の夫の今のお姿です。」

ガチなショタっこの肖像画が見えるけど若い頃の旦那さん的なオチですら無いのか。
ショタっこ…

「ゆ、誘拐?」
「いえ、魔法薬によって旦那様をそのお姿にしているそうです。」
「若返りの薬とは違って寿命は変わらないから学術論文としても不完全なものだけどねえ。
 旦那以外に良い検体はいないかしら。」
「学園長はマッドサイエンティストと王宮では呼ばれておりますので中々検体になってくれる人物は死罪を言い渡された者が免罪を言い渡されない限りやらないかと存じますわ。」

マッドサイエンティスト(mad scientist)とは
主にフィクションで登場する常軌(常に行うべき行動。)を逸脱した科学者のこと。
アインシュタインの言葉を借りるなら集団性の偏見を持っていない人物でわからないことを知るためなら倫理、宗教などの道徳を一切気にすることなく知ろうとする科学者。

その検体をする旦那さんも旦那さんだけどいったい何をしたのかすごく気になる。
怖いもの見たさってあるよね。
ホラー苦手だけど感染ゾンビゲームやったりとかするときみたいな好奇心が働いた。

「な、何をしたんですか?」
「簡単に言うと魔法で泥パックをしてもらったのよ。」
「ど、泥パック?」
「ああ、平民の間ではあまり知られてないわね。」

無駄に凄い技術。
そしてマッドサイエンティストってmud scientist?

「私は一部の貴族の間では大好評の美容エステを開設しているのよ。
 ただ泥魔法を使っているのよ。
 私は泥魔法を専門に使ってる魔女だから戦争とかの有事の際には重宝されるけど有事の際じゃないと何にもできない穀潰し同然。
 それで泥魔法に肌を改善させることに気が付いて美容エステを開業しているんだけどこれがあんまり評判良くないのよね。」
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