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日本でも泥パックは有名なのに。

「泥ってあんまりいいイメージ無いのよね汚らしいって言われるし。
 旦那で試してみて絶大な人気を得ようとしたんだけどね。」
「私も学園長の研究は素晴らしいとは思いますがお母様がするなと言うものですから。」
「なら私がしてみても良いですか?」

この学園長の行う泥パックもとい美容エステは凄い効果が期待できる気がする。

「歓迎するわ。
 早速今から施術しましょう。」
「今からですか。」
「ええ今からよ。
 他にも用事があったけどそれは施術中にでも済ませられることだわ。」

これでエリザベスさんにも良い口実ができた。
今まで学園での職員室に用事があると言う名目で殿下の要求を回避していたけれどもその上位存在の学園長からお呼ばれしており実験に付き合う名目が立つ。
そして私も王子に会いに行く必要がなくなる。

全ては実験の名目でなんとなかなる。
その過程で私が肌荒れになるか綺麗になるかは賭けだけど。

「エリーさんこれで私は殿下の用事よりも優先すべきことができてしまいましたので殿下にはいけないとお伝えください。」
「ええ、殿下には伝えておくわ。学園長の補佐をすることになったと伝えれば良いかしら。
 陛下も学園長の教え子の1人だから強く言えませんしね。
 殿下のことよりも優先できることとして処理してくださるでしょう。」

「うんうん、これで互いにwin winの関係だわ。
 鼻垂れ坊主のことは任せてちょうだい。
 エリザベスも苦労しているでしょうしね。
 責任はとても大きいだろうけどきちんとアイツの手綱は握っておきなさい。
 それが嫌ならあなたが王になればいいわ。」

王になればいい。
そのことが頭から抜けていた。
この国って男女差別強いところあるし、今まで思いつきもしなかったわ。
でも殿下を鼻たれ坊主なんて言えるなんて原作では書かれていなかったけど学園長ってすごい人なんだ。

「私が王になるのも良いかもしれませんが私のように流されやすい人物を王にしてしまっては民に面目が立ちませんわ。
 それよりも殿下に旗頭となっていただいた方が国としてはよろしくて存じ上げますわ。」

え、自認してたの。
これは予想外、っていうことは乙女ゲームのヒロインは悪役令嬢の策略にそのままハマっていたかもしれない。
他の悪役令嬢にはまだ会ってないけど下手をすればこっちがコントロールされるかもしれないと思うとゾッとした。

現実とゲームは違うけどやっぱ貴族って腹黒じゃないと生きていけない世界なの。
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