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第1章
第8話:やるじゃん、ユーちゃん
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澪たちは、大理石の門をくぐり抜け、ついに街の中へ足を踏み入れた。
石畳の道が陽射しを受けて明るく輝き、白い壁とテラコッタ瓦の建物が整然と並ぶ街並みが広がっている。
建物の間には青銅製の彫像が立ち並び、その見事な細工が街の雰囲気に重厚感を与えていた。
「わあ、すごい…!」
澪は足を止め、目を輝かせながら周囲を見渡した。
風に乗って香草やスパイスの香りが漂い、異世界の空気に心を奪われる。
「服もすごく綺麗…。」
澪は通りを行き交う人々の衣装に見とれていた。
鮮やかな色合いとゆったりとしたデザインが、どこか優雅な雰囲気を醸し出している。
「確かに。動きやすそうだけど、どことなく気品があるね。」
奏多も目を細め、興味深げにその衣装を観察していた。
「建物もすごいけど、あれ見ろよ!」
夏輝が指さした先には、青銅製の彫像がいくつも立ち並んでいる。
その精巧な彫刻に、澪たちは思わず息を飲んだ。
「これ、本当に細かい細工だね…。どんな技術で作られてるんだろう。」
奏多が彫像をじっくり観察しながら静かに呟く。
店先には奇妙な果物や見たことのない色合いの花が並び、街の賑わいを一層鮮やかに彩っていた。
行き交う人々の優雅な姿と街の景色に、澪たちはすっかり魅了されていた――。
石畳の道を行き交う人々の足音が響く。
見慣れない服装や所作が、澪たちに時代の違いを強く感じさせた。
「見ろよ!」
夏輝が通りを指さしながら声を上げる。
「この人たち、みんな歩き方とか仕草が上品すぎない?普通に歩いてるだけなのに、なんか貴族のパーティーでも見てるみたいだ!」
確かに、ゆったりとした動きの中に威厳があり、穏やかに談笑する姿さえどこか洗練されている。
道端に立つ神々の彫像の前で、軽く頭を下げる人々の姿が、その空気を一層特別なものにしていた。
「これって、やっぱりこの世界の神々と関係あるのかな?」
奏多が視線を彫像に向けながら、低い声で呟いた。
「関係あるどころじゃないだろ。」
ユーマが前を向いたまま、軽く尻尾を揺らして言う。
「この街の住人たちは神々の庇護を受けてるんだ。それが生活に染みついてるから、こんな感じなんだよ。」
「神々の庇護…。」
澪は歩く人々の柔らかな微笑みや穏やかな表情に目を向けた。
「でも、どうしてこんなにみんな穏やかなんだろう?何か特別なルールでもあるのかな?」
「まあ、あるにはあると思うぞ。」
ユーマは振り返りながら、少し低い声で続けた。
「この街では神々に逆らうのはタブーなんだよ。祈りを捧げて、神々の意志に従う。それで秩序が保たれてるんじゃないか?」
そして軽く尻尾を揺らしながら付け加えた。
「神々がいる街ってこんなもんだよ。」
夏輝が驚いたように眉を上げる。
「逆らったらどうなるんだ?」
ユーマは一瞬言葉を止め、少し尻尾を揺らしてから静かに答えた。
「神々に逆らうと、罰を与えられる。みたいな感じじゃないか?知らないけど。」
「知らないのかよ!」
夏輝が勢いよくツッコミを入れると、澪も思わず吹き出した。
「初めて来たんだから、知ってるわけないだろ!なんとなくそんな感じだろ!」
ユーマは少しむっとした様子で尻尾をピンと立てる。
「でも、神様に逆らってタダで済むわけがないってのは、想像しても簡単にわかるだろ?」
「まあ、それはそうかもだけど…。」
夏輝が納得しかけながらも首をかしげる。
「ユーマらしい適当さだね。」
奏多が小さく苦笑しながら肩をすくめた。
「とにかく、逆らわない方がいいってことだよ!」
ユーマはぷいっと顔をそらし、尻尾を揺らしながら前を向いた。
澪たちは再び歩き出した。石畳に響く足音が、静かに神々の気配を刻んでいた。
澪たちが街を進むにつれ、周囲の視線が自分たちに集まっていることに気付いた。
行き交う人々はちらりとこちらを見ては、すぐに視線をそらしながら、ひそひそと何かを話している。
その様子に、澪たちは妙な居心地の悪さを覚えた。
「ねえ、なんか…見られてない?」
澪が小声で奏多に耳打ちした。
奏多は周囲を見回し、眉をひそめながら静かに頷く。
「うん、気のせいじゃないみたい。視線がこっちに集中してる感じだね。」
「そりゃそうだろ。」
足元にいたユーマが鼻を鳴らしながら、尻尾を揺らして言った。
「お前らの恰好、明らかにここじゃ浮いてるぞ。そんな服、この世界じゃ誰も着てねえよ。」
「どうする?こんなに目立ったまま歩き回るのもあれだし…。」
澪が困ったように眉を下げた。
ユーマが尻尾を揺らしながら、自信満々に口を開く。
「だったら、俺に任せろ。魔法で変えてやるよ。」
「えっ、魔法で?」
奏多が驚いた顔でユーマを見た。
ユーマは尻尾を軽く揺らしながら得意げに笑った。
「ああ、服なんて魔法で変えるのが一番手っ取り早いだろ。」
ユーマは周囲を見回し、声を潜めて言った。
「よし、路地裏に隠れてやるぞ。そこなら目立たない。」
先導するように歩き出すユーマに、澪たちは顔を見合わせながら続いた。
狭い路地裏に入ると、ユーマがくるりと振り返った。
「よし、そこでじっとしてろよ。」
ユーマは軽く尻尾を振りながら、全員に向けて足元の地面を軽くなぞった。
次の瞬間、薄い光がゆらゆらと彼らの周りを包み込む。
「おおっ!」
夏輝が驚きの声を上げ、光の中で自分の体を見回す。
光が収まると、澪たちはそれぞれ、この世界に溶け込むような装いに変わっていた。
「すごい…!」
澪が胸元の布を軽くつまんで感心する。街の雰囲気に溶け込むデザインだった。
「どうだ、これで違和感はねえだろ?」
ユーマが胸を張りながら尻尾を揺らす。
「やるじゃん、ユーちゃん。」
澪が満面の笑みでユーマにサムズアップを送る。
ユーマは少し照れたように顔をそらしながら、そっけなく答えた。
「当然だろ。」
全員が新たな姿になり、路地裏から街に戻る準備を整えた。
新しい服に身を包み、澪たちは改めて街の通りへと戻ってきた。
目立たない格好になったおかげか、周囲の視線も和らぎ、安心した空気が流れる。
「よし、行くぞ!」
夏輝が勢いよく一歩前に出ると、奏多と澪もその後を追った。
澪は後ろから歩きながら周囲を見渡し、落ち着いた声で言った。
「それじゃ、誰かに話を聞いてみようか。」
奏多が近くの果物を持った老婦人に目を向けながら答える。
「お年寄りとか、詳しそうだよね。」
澪がその方向を見て頷いた。
「うん、まずはあの人に聞いてみよう。」
澪が老婦人に歩み寄り、柔らかい笑顔で話しかける。
「すみません、ちょっとお伺いしたいのですが――」
しかし、老婦人は一瞬驚いた顔を見せた後、眉をひそめて首をかしげる。
「……?」
老婦人の反応に、澪たちは一瞬唖然と立ち尽くした。
「えっ、通じてないのか?」
夏輝が驚いた様子で奏多に視線を送る。
奏多は困惑した表情で軽く肩をすくめた。
「言葉が違うみたいだね。」
「そりゃそうだよ。」
ユーマが足元で尻尾を揺らしながら呟いた。
「ここ、古代ギリシャだし。」
澪は軽く息を吐き、困ったように眉を寄せた。
「どうしよう…。言葉が通じないんじゃ、話を聞くのも難しいよね。」
澪たちは言葉を失い、静かに顔を見合わせた。
周囲のざわめきが耳に残る中、次の一手をどうすべきか、それぞれの頭に悩みがよぎっていた。
通じない言葉、伝わらない意図。
過去の異国という現実が、澪たちの前に立ちはだかる。
ユーマが足元で尻尾を揺らし、軽くため息をついた。
不慣れな空気に包まれた澪たちの間に、静けさが降りる。
その中で、どこか遠くから微かなざわめきが聞こえてきた――。
石畳の道が陽射しを受けて明るく輝き、白い壁とテラコッタ瓦の建物が整然と並ぶ街並みが広がっている。
建物の間には青銅製の彫像が立ち並び、その見事な細工が街の雰囲気に重厚感を与えていた。
「わあ、すごい…!」
澪は足を止め、目を輝かせながら周囲を見渡した。
風に乗って香草やスパイスの香りが漂い、異世界の空気に心を奪われる。
「服もすごく綺麗…。」
澪は通りを行き交う人々の衣装に見とれていた。
鮮やかな色合いとゆったりとしたデザインが、どこか優雅な雰囲気を醸し出している。
「確かに。動きやすそうだけど、どことなく気品があるね。」
奏多も目を細め、興味深げにその衣装を観察していた。
「建物もすごいけど、あれ見ろよ!」
夏輝が指さした先には、青銅製の彫像がいくつも立ち並んでいる。
その精巧な彫刻に、澪たちは思わず息を飲んだ。
「これ、本当に細かい細工だね…。どんな技術で作られてるんだろう。」
奏多が彫像をじっくり観察しながら静かに呟く。
店先には奇妙な果物や見たことのない色合いの花が並び、街の賑わいを一層鮮やかに彩っていた。
行き交う人々の優雅な姿と街の景色に、澪たちはすっかり魅了されていた――。
石畳の道を行き交う人々の足音が響く。
見慣れない服装や所作が、澪たちに時代の違いを強く感じさせた。
「見ろよ!」
夏輝が通りを指さしながら声を上げる。
「この人たち、みんな歩き方とか仕草が上品すぎない?普通に歩いてるだけなのに、なんか貴族のパーティーでも見てるみたいだ!」
確かに、ゆったりとした動きの中に威厳があり、穏やかに談笑する姿さえどこか洗練されている。
道端に立つ神々の彫像の前で、軽く頭を下げる人々の姿が、その空気を一層特別なものにしていた。
「これって、やっぱりこの世界の神々と関係あるのかな?」
奏多が視線を彫像に向けながら、低い声で呟いた。
「関係あるどころじゃないだろ。」
ユーマが前を向いたまま、軽く尻尾を揺らして言う。
「この街の住人たちは神々の庇護を受けてるんだ。それが生活に染みついてるから、こんな感じなんだよ。」
「神々の庇護…。」
澪は歩く人々の柔らかな微笑みや穏やかな表情に目を向けた。
「でも、どうしてこんなにみんな穏やかなんだろう?何か特別なルールでもあるのかな?」
「まあ、あるにはあると思うぞ。」
ユーマは振り返りながら、少し低い声で続けた。
「この街では神々に逆らうのはタブーなんだよ。祈りを捧げて、神々の意志に従う。それで秩序が保たれてるんじゃないか?」
そして軽く尻尾を揺らしながら付け加えた。
「神々がいる街ってこんなもんだよ。」
夏輝が驚いたように眉を上げる。
「逆らったらどうなるんだ?」
ユーマは一瞬言葉を止め、少し尻尾を揺らしてから静かに答えた。
「神々に逆らうと、罰を与えられる。みたいな感じじゃないか?知らないけど。」
「知らないのかよ!」
夏輝が勢いよくツッコミを入れると、澪も思わず吹き出した。
「初めて来たんだから、知ってるわけないだろ!なんとなくそんな感じだろ!」
ユーマは少しむっとした様子で尻尾をピンと立てる。
「でも、神様に逆らってタダで済むわけがないってのは、想像しても簡単にわかるだろ?」
「まあ、それはそうかもだけど…。」
夏輝が納得しかけながらも首をかしげる。
「ユーマらしい適当さだね。」
奏多が小さく苦笑しながら肩をすくめた。
「とにかく、逆らわない方がいいってことだよ!」
ユーマはぷいっと顔をそらし、尻尾を揺らしながら前を向いた。
澪たちは再び歩き出した。石畳に響く足音が、静かに神々の気配を刻んでいた。
澪たちが街を進むにつれ、周囲の視線が自分たちに集まっていることに気付いた。
行き交う人々はちらりとこちらを見ては、すぐに視線をそらしながら、ひそひそと何かを話している。
その様子に、澪たちは妙な居心地の悪さを覚えた。
「ねえ、なんか…見られてない?」
澪が小声で奏多に耳打ちした。
奏多は周囲を見回し、眉をひそめながら静かに頷く。
「うん、気のせいじゃないみたい。視線がこっちに集中してる感じだね。」
「そりゃそうだろ。」
足元にいたユーマが鼻を鳴らしながら、尻尾を揺らして言った。
「お前らの恰好、明らかにここじゃ浮いてるぞ。そんな服、この世界じゃ誰も着てねえよ。」
「どうする?こんなに目立ったまま歩き回るのもあれだし…。」
澪が困ったように眉を下げた。
ユーマが尻尾を揺らしながら、自信満々に口を開く。
「だったら、俺に任せろ。魔法で変えてやるよ。」
「えっ、魔法で?」
奏多が驚いた顔でユーマを見た。
ユーマは尻尾を軽く揺らしながら得意げに笑った。
「ああ、服なんて魔法で変えるのが一番手っ取り早いだろ。」
ユーマは周囲を見回し、声を潜めて言った。
「よし、路地裏に隠れてやるぞ。そこなら目立たない。」
先導するように歩き出すユーマに、澪たちは顔を見合わせながら続いた。
狭い路地裏に入ると、ユーマがくるりと振り返った。
「よし、そこでじっとしてろよ。」
ユーマは軽く尻尾を振りながら、全員に向けて足元の地面を軽くなぞった。
次の瞬間、薄い光がゆらゆらと彼らの周りを包み込む。
「おおっ!」
夏輝が驚きの声を上げ、光の中で自分の体を見回す。
光が収まると、澪たちはそれぞれ、この世界に溶け込むような装いに変わっていた。
「すごい…!」
澪が胸元の布を軽くつまんで感心する。街の雰囲気に溶け込むデザインだった。
「どうだ、これで違和感はねえだろ?」
ユーマが胸を張りながら尻尾を揺らす。
「やるじゃん、ユーちゃん。」
澪が満面の笑みでユーマにサムズアップを送る。
ユーマは少し照れたように顔をそらしながら、そっけなく答えた。
「当然だろ。」
全員が新たな姿になり、路地裏から街に戻る準備を整えた。
新しい服に身を包み、澪たちは改めて街の通りへと戻ってきた。
目立たない格好になったおかげか、周囲の視線も和らぎ、安心した空気が流れる。
「よし、行くぞ!」
夏輝が勢いよく一歩前に出ると、奏多と澪もその後を追った。
澪は後ろから歩きながら周囲を見渡し、落ち着いた声で言った。
「それじゃ、誰かに話を聞いてみようか。」
奏多が近くの果物を持った老婦人に目を向けながら答える。
「お年寄りとか、詳しそうだよね。」
澪がその方向を見て頷いた。
「うん、まずはあの人に聞いてみよう。」
澪が老婦人に歩み寄り、柔らかい笑顔で話しかける。
「すみません、ちょっとお伺いしたいのですが――」
しかし、老婦人は一瞬驚いた顔を見せた後、眉をひそめて首をかしげる。
「……?」
老婦人の反応に、澪たちは一瞬唖然と立ち尽くした。
「えっ、通じてないのか?」
夏輝が驚いた様子で奏多に視線を送る。
奏多は困惑した表情で軽く肩をすくめた。
「言葉が違うみたいだね。」
「そりゃそうだよ。」
ユーマが足元で尻尾を揺らしながら呟いた。
「ここ、古代ギリシャだし。」
澪は軽く息を吐き、困ったように眉を寄せた。
「どうしよう…。言葉が通じないんじゃ、話を聞くのも難しいよね。」
澪たちは言葉を失い、静かに顔を見合わせた。
周囲のざわめきが耳に残る中、次の一手をどうすべきか、それぞれの頭に悩みがよぎっていた。
通じない言葉、伝わらない意図。
過去の異国という現実が、澪たちの前に立ちはだかる。
ユーマが足元で尻尾を揺らし、軽くため息をついた。
不慣れな空気に包まれた澪たちの間に、静けさが降りる。
その中で、どこか遠くから微かなざわめきが聞こえてきた――。
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