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闇に染まる森
ちらつく危うい香り
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一直線に続く廊下。壁も照明も清潔感のある白一色。実に殺風景である。
そんな殺風景な廊下に1人、雲仙が歩いていた。
「のぅキース、おかしいとは思わんか」
『えぇ、あまりに手薄すぎます』
アースガルドに向かった4人と別れた雲仙は、キースが突き止めたアルフェウスの拠点と思しき施設へ侵入していた。
幾らかの敵と遭遇しその都度戦闘をしていた2人だが、施設の中をあらかた回ったところで違和感を覚えていた。
「お主、施設に入ってどれほどの敵を倒してきた?」
『十数人といったところですかね。20はいっていないと思います』
「あぁ、ワシもそんなもんじゃ。この施設、広さの割に人が少なすぎる」
『大元の拠点でないにしろ流石におかしいですね…グルー、シリエに繋いでくれ』
しばらくすると、キースの手の甲からシリエの声が響く。
『よんだかしら、キース』
『今ギルドにはどれだけ冒険者が残っているかい?』
『今?私以外は誰もいないわよ?』
少し間を置くキース。なにやら思うところがあるようだ。
『そうか…もう一つ、みんな遠方に出払っているんじゃないかい?』
キースの問いにあら、と驚きの声を上げる。
『よく知ってるわね。一番近いとダンのところかしら。それでも戻ってくるのに1日はかかるわ』
『…やはりそうか。わかった』
キースは何かに気づいたようだ。
『シリエ、雲仙さん。僕らはおそらく嵌められたみたいだ』
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・
アースガルドの広場には、一際目立つ影があった。街に入るための三つの門から伸びる道が一つになる、そのひらけた場所に立つ大きな鎧が、大きな剣をぶん回し、ばったばったと魔物を斬り伏せている。
「ぬぅうううううん!!」
ドイルの大剣が描く軌跡は剣術のそれとは全く違う。もはや斬っているというよりは剣で殴っているという表現の方が似合っているといってもいい。
だがこれだけ大量の魔物が波のように押し寄せる戦場では、これが最適解だといえよう。
魔物が集まっては切り飛ばされ、撃ち漏らしの半分はナタリアの矢が射止めている。そのさらに撃ち漏らしを妖精の森の冒険者が刈り取っていた。
あたりにはドロップアイテムが散らばっている。
「斬っても斬っても切りがない。ナタリア殿、まだ後続は控えているか!」
『ダメね~、あの森こんなに魔物がいたのね。このままじゃジリ貧よ』
使い魔越しにナタリアの大きなため息が聞こえてくる。
弓矢による遠距離攻撃を得意とするナタリアは、街の一番大きな大樹の上で状況把握も兼ねて陣取っていた。
『街に被害が出るかと思って控えてたけどアレ使っていいかしら?もうしのごの言っている場合じゃないし』
「ヌ!少し待て、他の冒険者を離れさせる!」
ドイルはあたりにいる戦闘中の冒険者に一時戦線を離脱するよう伝える。
その様子を見ながらナタリアの方も準備を進める。
「ᚺᛟᚾᛟᚱ ᚨᛟᚣᚨ ᛞᛟᛋᚺᚢ ᛁᚲᚢᛏᚨᚱᛟᚣᚨ」
「ᛋᛟ ᛁ’ᛗ ᛁᚹᚨᛗᛟᛏᛟ ᛏᚱᛖᚨᛞᛁᚾᚷ ᚲᚺᛁᛖᚲᛟ ᚷᚨᛋᛖ!」
ナタリアは手に一本の矢を握りしめる。
詠唱により魔力はその矢に集結する。
「ᚺᛟᛒᛟ ᚾᛟᚨᛗ’ᛋ!」
エンチャントを終えた矢はまるで炎を宿したように紅く煌めいている。
その矢を弓にかけ、ナタリアは標準を天高く空へ向ける。
「ドイル、撃つわよ」
『問題ない、かましてくれ』
ヒュン!と矢は勢いよく放たれ姿を消した。そのすぐ後、一瞬空が光を放ち雲が紅にに染まる。
次の瞬間、鋭く尖った炎の雨が魔物達がひしめくアースガルドの広間に一斉に降り注ぐ!
大きな火柱とともに熱風があたりに広がる。次第に炎は小さくなり、その場には黒焦げた大地と魔物があるばかりだった。
その様子を見ていた妖精の森の冒険者達はふるえあがる。
「猟犬の牙の冒険者は一人で一ギルドに匹敵するってアレ、冗談じゃなかったんだな」
「あぁ…絶対的にはしたくないぜ…」
「はぁ、やっちゃった。やっぱりそんじょそこらの弓じゃダメね」
ナタリアの手に持っていた弓はエンチャントに耐えきれず分解していた。
「ん~、あらかた片付いたけどちょっと残ってるわね。ドイル、正面の門から残党が…」
『ヌ、どうしたのだ?』
「やっぱいいわドイル、撤収しましょ」
ナタリアの視界には魔物を斬り伏せながら正門に向かう人影が写っていた。
「どういうわけかクラインの奴しかいないけど、まぁ話を聞こうじゃない」
そんな殺風景な廊下に1人、雲仙が歩いていた。
「のぅキース、おかしいとは思わんか」
『えぇ、あまりに手薄すぎます』
アースガルドに向かった4人と別れた雲仙は、キースが突き止めたアルフェウスの拠点と思しき施設へ侵入していた。
幾らかの敵と遭遇しその都度戦闘をしていた2人だが、施設の中をあらかた回ったところで違和感を覚えていた。
「お主、施設に入ってどれほどの敵を倒してきた?」
『十数人といったところですかね。20はいっていないと思います』
「あぁ、ワシもそんなもんじゃ。この施設、広さの割に人が少なすぎる」
『大元の拠点でないにしろ流石におかしいですね…グルー、シリエに繋いでくれ』
しばらくすると、キースの手の甲からシリエの声が響く。
『よんだかしら、キース』
『今ギルドにはどれだけ冒険者が残っているかい?』
『今?私以外は誰もいないわよ?』
少し間を置くキース。なにやら思うところがあるようだ。
『そうか…もう一つ、みんな遠方に出払っているんじゃないかい?』
キースの問いにあら、と驚きの声を上げる。
『よく知ってるわね。一番近いとダンのところかしら。それでも戻ってくるのに1日はかかるわ』
『…やはりそうか。わかった』
キースは何かに気づいたようだ。
『シリエ、雲仙さん。僕らはおそらく嵌められたみたいだ』
・・・・・・・・
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アースガルドの広場には、一際目立つ影があった。街に入るための三つの門から伸びる道が一つになる、そのひらけた場所に立つ大きな鎧が、大きな剣をぶん回し、ばったばったと魔物を斬り伏せている。
「ぬぅうううううん!!」
ドイルの大剣が描く軌跡は剣術のそれとは全く違う。もはや斬っているというよりは剣で殴っているという表現の方が似合っているといってもいい。
だがこれだけ大量の魔物が波のように押し寄せる戦場では、これが最適解だといえよう。
魔物が集まっては切り飛ばされ、撃ち漏らしの半分はナタリアの矢が射止めている。そのさらに撃ち漏らしを妖精の森の冒険者が刈り取っていた。
あたりにはドロップアイテムが散らばっている。
「斬っても斬っても切りがない。ナタリア殿、まだ後続は控えているか!」
『ダメね~、あの森こんなに魔物がいたのね。このままじゃジリ貧よ』
使い魔越しにナタリアの大きなため息が聞こえてくる。
弓矢による遠距離攻撃を得意とするナタリアは、街の一番大きな大樹の上で状況把握も兼ねて陣取っていた。
『街に被害が出るかと思って控えてたけどアレ使っていいかしら?もうしのごの言っている場合じゃないし』
「ヌ!少し待て、他の冒険者を離れさせる!」
ドイルはあたりにいる戦闘中の冒険者に一時戦線を離脱するよう伝える。
その様子を見ながらナタリアの方も準備を進める。
「ᚺᛟᚾᛟᚱ ᚨᛟᚣᚨ ᛞᛟᛋᚺᚢ ᛁᚲᚢᛏᚨᚱᛟᚣᚨ」
「ᛋᛟ ᛁ’ᛗ ᛁᚹᚨᛗᛟᛏᛟ ᛏᚱᛖᚨᛞᛁᚾᚷ ᚲᚺᛁᛖᚲᛟ ᚷᚨᛋᛖ!」
ナタリアは手に一本の矢を握りしめる。
詠唱により魔力はその矢に集結する。
「ᚺᛟᛒᛟ ᚾᛟᚨᛗ’ᛋ!」
エンチャントを終えた矢はまるで炎を宿したように紅く煌めいている。
その矢を弓にかけ、ナタリアは標準を天高く空へ向ける。
「ドイル、撃つわよ」
『問題ない、かましてくれ』
ヒュン!と矢は勢いよく放たれ姿を消した。そのすぐ後、一瞬空が光を放ち雲が紅にに染まる。
次の瞬間、鋭く尖った炎の雨が魔物達がひしめくアースガルドの広間に一斉に降り注ぐ!
大きな火柱とともに熱風があたりに広がる。次第に炎は小さくなり、その場には黒焦げた大地と魔物があるばかりだった。
その様子を見ていた妖精の森の冒険者達はふるえあがる。
「猟犬の牙の冒険者は一人で一ギルドに匹敵するってアレ、冗談じゃなかったんだな」
「あぁ…絶対的にはしたくないぜ…」
「はぁ、やっちゃった。やっぱりそんじょそこらの弓じゃダメね」
ナタリアの手に持っていた弓はエンチャントに耐えきれず分解していた。
「ん~、あらかた片付いたけどちょっと残ってるわね。ドイル、正面の門から残党が…」
『ヌ、どうしたのだ?』
「やっぱいいわドイル、撤収しましょ」
ナタリアの視界には魔物を斬り伏せながら正門に向かう人影が写っていた。
「どういうわけかクラインの奴しかいないけど、まぁ話を聞こうじゃない」
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