198 / 359
第十八章 純然たる想いと勇気を秘める心
裏切り者
しおりを挟む
――屋敷・昼前(数時間前)
調べ車の塔の会談は昼前には終わり、私は屋敷に戻っていた。
戻ると同時に、とんでもない情報が舞い込む。
なんと、アグリスの警備隊がエクアに逮捕状を出したのだ!?
彼らは議会に伺いを立てることもなく、突然屋敷の前まで来てエクアを差し出すように要求してきた。このことから彼らは私のことを下に見ていたのだろう。だが、私は領主という立場をフルに生かして、何とか追い払うことに成功した。
彼らは一度戻り、これらを議会に報告し、改めて屋敷に戻ってくるはず。
あまりに非礼な行為だったが、僅かとはいえ時間を得られたのは好機。
この時間を最大限に生かさなければならない。
着替えの時間も惜しく私は会談用の正装の姿のままで会議室に皆を集め、音が外に漏れないように魔法石を使い部屋を封じ、椅子に座ってエクアに事情を尋ねる。
エクアは警備兵から虐待を受けるカリスの幼い兄妹を見過ごすことができず、助けてしまった。
その際、身分を隠していたものの、どこから漏れて、このような状況に……。
事情を話すエクアは涙を流しながら、ずっと嗚咽を漏らしている。
「も、申し訳ございません。こんなことになるなんて。私が浅はかだったばかりに、皆さんに迷惑が掛かって」
「気にするなっ、君は間違っていない! この私が何とかするから、もう泣くのはよせ。な、大丈夫だから」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
どんなに優しく接しようとも、落ち着かせようとしても、エクアは涙を止めることはない。
それを何とか収められるようにフィナとギウが声を掛け続けている。
二人にエクアを任せている間に、私は彼女から聞いた状況を反芻する。
・路地裏のそばから立ち去ろうとしたら、叫び声が聞こえた。
・すると幼い兄妹が棒で打たれていた。理由は警備兵に石を投げたから。
・しかし、兄妹は石を投げていないと証言。
・エクアは素性を隠し、警備兵を撃退。
・警備兵はエクアの正体を突き止め、逮捕状を取った。
(おかしい、早すぎる)
エクアは自分の素性を隠していたと言っている。
街の者たちは馬車に乗った客の存在を知っていても、私たちの姿は知らない。
そうだというのに、朝から昼という僅かな時間で正体を突き止めるなんて。
可能性があるとすれば、エクアが屋敷から出た時から、あとをつけられていた……しかし、昨日のカインとグーフィスからその様子はなかったと報告を受けている。
フィナと親父もまた自分たちを追う影を見ていない。
これらのことから私たちはさほど危険視されていないことがわかる。
それなのに、エクアだけあとを追いかける理由がない。
また、屋敷へ戻る際に誰かからつけられた様子もなかったとエクアは言っていた。
次に、おかしな出来事。
エクアが路地裏から去ろうとしたタイミングでの叫び声。そして、どこからか飛んできた石。
まるで、誰かがエクアを嵌めようとしていたかのような感じだ。
誰がエクアを嵌める? 何のために?
いや、理由はどうでもいい。
それを行える存在を突き止めるべきだ。
だが、行えるとなると……。
私は顔を歪める。
聞きたくはない。だが、聞くしかない!
「……みんな、今日の朝、何をしていた?」
この質問に、一同はぽかんとする。
すると、質問の意味に気づいたカインが声を少し荒げた。
「ケントさん、まさかっ?」
「そのまさかだ。エクアは絶妙なタイミングで騒動に巻き込まれた。エクアは素性を隠していたのに、短時間で突き止められた。これはエクアの行動を知り、素性を知っている者以外できない」
そう、言葉を漏らすと、フィナが怒りを露わとして私に詰め寄った。
「あんたっ、私たちの中に裏切り者がいるっていうの!?」
「一連の騒動を外の者が起こそうとすると、かなり難しい。だが、中の者ならば……」
「ふざけんなっ!! ぶっ殺すよ!!」
「ぐっ!」
フィナはいまにも殴り掛からんとする勢いで私の胸倉を締め上げた。
その光景に皆が驚く中でギウが止めに入ろうとするが……親父が先に声を出す。
「フィナの嬢ちゃん。やめてくださいな。旦那は正しい」
「なに言ってんの!? 仲間に裏切り者がいるって言いやがったのよ! 許せるわけないでしょ!?」
「あはは、フィナの嬢ちゃんは本当にいい奴だ。いや、いい女だ」
「え?」
「そして、旦那は、旦那は……鋭い方だ」
黒眼鏡で無精ひげを生やしたいかつい親父は、何とも弱々しく形容しがたい表情を見せる。
それは泣いているような、微笑んでいるような、不思議な表情。
私は彼に、はっきりと言葉を渡した。
「君が、エクアを嵌めたんだな」
「……はい」
静かに、たしかに、ゆっくりと染み渡る不快な返事。
皆はなぜ!? という疑問の鎖に縛られる。
フィナは私の首から手を降ろし、親父に向かい、獣のような咆哮を上げて、拳を固めた。
「おやじぃぃいいいい! いったいっ!! どういうつもりよおぉおぉおぉぉぉ!!」
親父は目を瞑り、フィナの拳を受け入れようとする。
だが、私はそのような卑怯な真似を見過ごすつもりはないっ。
「フィナッ! やめろ!!」
「はぁ! どうして!?」
「この問題は君の拳一つで解決できる問題ではない!」
「だからなによっ! この親父はエクアをっ!」
「そのようなこと言われなくてもわかっている。少しは頭を冷やせ!」
「冷やせるわけっ」
「黙れ! いい加減にしろ!!」
「っ!? な、な、なんですってぇぇ!」
「ここで感情を爆発させて何が解決できるっ? まずは親父から意図を聞くべきだ!」
「いまさら仲間を裏切った奴の意見なんて!」
「黙れと言っている! エクアを救いたいなら引っ込んでろ! フィナ! 君は邪魔だ!」
「じゃ、じゃ、じゃま……? あんたねぇ~」
フィナの瞳に、怒り揺らめく色が宿る。
だが、それ以上の怒りを私は瞳に乗せて睨み返す
「フィナ……」
「な、なによっ?」
「私はエクアを救いたい。だから、感情を抑えろ。ここで親父を殴っても意味はない。殴るなら全てを終えてからにしろ」
「…………わかった。今は我慢してあげる。だけどっ」
彼女は親父の細胞の一欠けらも消し去らんとする形相を見せて、こう言い放った。
「私の拳には利子が付くからね! 親父、覚悟しときなさいよ……」
「ああ、わかっているさ。フィナの嬢ちゃん」
「馴れ馴れしく私の名前を呼ぶな! フンッ!!」
フィナは鼻息を荒く飛ばし、長机の端の方に座り、腕を組んで私と親父を睨みつける。
ひと騒動を治めた私は嘆息を挟み、親父に問う。
調べ車の塔の会談は昼前には終わり、私は屋敷に戻っていた。
戻ると同時に、とんでもない情報が舞い込む。
なんと、アグリスの警備隊がエクアに逮捕状を出したのだ!?
彼らは議会に伺いを立てることもなく、突然屋敷の前まで来てエクアを差し出すように要求してきた。このことから彼らは私のことを下に見ていたのだろう。だが、私は領主という立場をフルに生かして、何とか追い払うことに成功した。
彼らは一度戻り、これらを議会に報告し、改めて屋敷に戻ってくるはず。
あまりに非礼な行為だったが、僅かとはいえ時間を得られたのは好機。
この時間を最大限に生かさなければならない。
着替えの時間も惜しく私は会談用の正装の姿のままで会議室に皆を集め、音が外に漏れないように魔法石を使い部屋を封じ、椅子に座ってエクアに事情を尋ねる。
エクアは警備兵から虐待を受けるカリスの幼い兄妹を見過ごすことができず、助けてしまった。
その際、身分を隠していたものの、どこから漏れて、このような状況に……。
事情を話すエクアは涙を流しながら、ずっと嗚咽を漏らしている。
「も、申し訳ございません。こんなことになるなんて。私が浅はかだったばかりに、皆さんに迷惑が掛かって」
「気にするなっ、君は間違っていない! この私が何とかするから、もう泣くのはよせ。な、大丈夫だから」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
どんなに優しく接しようとも、落ち着かせようとしても、エクアは涙を止めることはない。
それを何とか収められるようにフィナとギウが声を掛け続けている。
二人にエクアを任せている間に、私は彼女から聞いた状況を反芻する。
・路地裏のそばから立ち去ろうとしたら、叫び声が聞こえた。
・すると幼い兄妹が棒で打たれていた。理由は警備兵に石を投げたから。
・しかし、兄妹は石を投げていないと証言。
・エクアは素性を隠し、警備兵を撃退。
・警備兵はエクアの正体を突き止め、逮捕状を取った。
(おかしい、早すぎる)
エクアは自分の素性を隠していたと言っている。
街の者たちは馬車に乗った客の存在を知っていても、私たちの姿は知らない。
そうだというのに、朝から昼という僅かな時間で正体を突き止めるなんて。
可能性があるとすれば、エクアが屋敷から出た時から、あとをつけられていた……しかし、昨日のカインとグーフィスからその様子はなかったと報告を受けている。
フィナと親父もまた自分たちを追う影を見ていない。
これらのことから私たちはさほど危険視されていないことがわかる。
それなのに、エクアだけあとを追いかける理由がない。
また、屋敷へ戻る際に誰かからつけられた様子もなかったとエクアは言っていた。
次に、おかしな出来事。
エクアが路地裏から去ろうとしたタイミングでの叫び声。そして、どこからか飛んできた石。
まるで、誰かがエクアを嵌めようとしていたかのような感じだ。
誰がエクアを嵌める? 何のために?
いや、理由はどうでもいい。
それを行える存在を突き止めるべきだ。
だが、行えるとなると……。
私は顔を歪める。
聞きたくはない。だが、聞くしかない!
「……みんな、今日の朝、何をしていた?」
この質問に、一同はぽかんとする。
すると、質問の意味に気づいたカインが声を少し荒げた。
「ケントさん、まさかっ?」
「そのまさかだ。エクアは絶妙なタイミングで騒動に巻き込まれた。エクアは素性を隠していたのに、短時間で突き止められた。これはエクアの行動を知り、素性を知っている者以外できない」
そう、言葉を漏らすと、フィナが怒りを露わとして私に詰め寄った。
「あんたっ、私たちの中に裏切り者がいるっていうの!?」
「一連の騒動を外の者が起こそうとすると、かなり難しい。だが、中の者ならば……」
「ふざけんなっ!! ぶっ殺すよ!!」
「ぐっ!」
フィナはいまにも殴り掛からんとする勢いで私の胸倉を締め上げた。
その光景に皆が驚く中でギウが止めに入ろうとするが……親父が先に声を出す。
「フィナの嬢ちゃん。やめてくださいな。旦那は正しい」
「なに言ってんの!? 仲間に裏切り者がいるって言いやがったのよ! 許せるわけないでしょ!?」
「あはは、フィナの嬢ちゃんは本当にいい奴だ。いや、いい女だ」
「え?」
「そして、旦那は、旦那は……鋭い方だ」
黒眼鏡で無精ひげを生やしたいかつい親父は、何とも弱々しく形容しがたい表情を見せる。
それは泣いているような、微笑んでいるような、不思議な表情。
私は彼に、はっきりと言葉を渡した。
「君が、エクアを嵌めたんだな」
「……はい」
静かに、たしかに、ゆっくりと染み渡る不快な返事。
皆はなぜ!? という疑問の鎖に縛られる。
フィナは私の首から手を降ろし、親父に向かい、獣のような咆哮を上げて、拳を固めた。
「おやじぃぃいいいい! いったいっ!! どういうつもりよおぉおぉおぉぉぉ!!」
親父は目を瞑り、フィナの拳を受け入れようとする。
だが、私はそのような卑怯な真似を見過ごすつもりはないっ。
「フィナッ! やめろ!!」
「はぁ! どうして!?」
「この問題は君の拳一つで解決できる問題ではない!」
「だからなによっ! この親父はエクアをっ!」
「そのようなこと言われなくてもわかっている。少しは頭を冷やせ!」
「冷やせるわけっ」
「黙れ! いい加減にしろ!!」
「っ!? な、な、なんですってぇぇ!」
「ここで感情を爆発させて何が解決できるっ? まずは親父から意図を聞くべきだ!」
「いまさら仲間を裏切った奴の意見なんて!」
「黙れと言っている! エクアを救いたいなら引っ込んでろ! フィナ! 君は邪魔だ!」
「じゃ、じゃ、じゃま……? あんたねぇ~」
フィナの瞳に、怒り揺らめく色が宿る。
だが、それ以上の怒りを私は瞳に乗せて睨み返す
「フィナ……」
「な、なによっ?」
「私はエクアを救いたい。だから、感情を抑えろ。ここで親父を殴っても意味はない。殴るなら全てを終えてからにしろ」
「…………わかった。今は我慢してあげる。だけどっ」
彼女は親父の細胞の一欠けらも消し去らんとする形相を見せて、こう言い放った。
「私の拳には利子が付くからね! 親父、覚悟しときなさいよ……」
「ああ、わかっているさ。フィナの嬢ちゃん」
「馴れ馴れしく私の名前を呼ぶな! フンッ!!」
フィナは鼻息を荒く飛ばし、長机の端の方に座り、腕を組んで私と親父を睨みつける。
ひと騒動を治めた私は嘆息を挟み、親父に問う。
0
あなたにおすすめの小説
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
転生したら実は神の息子だった俺、無自覚のまま世界を救ってハーレム王になっていた件
fuwamofu
ファンタジー
ブラック企業で過労死した平凡サラリーマン・榊悠斗は、気づけば剣と魔法の異世界へ転生していた。
チート能力もない地味な村人として静かに暮らすはずだった……が、なぜか魔物が逃げ出し、勇者が跪き、王女がプロポーズ!?
実は神の息子で、世界最強の存在だったが、その力に本人だけが気づいていない。
「無自覚最強」な悠斗が巻き起こす勘違い系異世界英雄譚、ここに開幕!
迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる