232 / 359
第二十一章 世界旅行
浄化機構よりも
しおりを挟む
謎のカエルを見かけたあと、フィナたちは遺跡へ戻った。
それからしばらくして、預かっていた手の平サイズのひし形の青色ナルフに通信が入り、私は二日を掛けて単独遺跡へ。
フィナ曰く、浄化機構の解読が終えていつでも北の荒れ地の浄化ができるそうだ。
屎尿の問題を抱えている現在、直ちにそれを動かしたいところだが、彼女は浄化機構以上に凄いものを発見していた。
――遺跡内部・幻想のアーガメイトの書斎
ここには私とフィナ。そして目付け役に置いている親父とエクアがいる。
部屋は相変わらず父の書斎の姿だったが、窓の部分から古代人と思われる金髪の男の姿は消えて王都を見渡せる窓に戻っていた……のだが、その窓からは王都は見えず、何故か動物の着ぐるみを着た女性の一団がとげとげの肩パットをして、釘のついた棒を振り回しながら無数の風船が浮かぶ街中でパレードを行っている光景が広がる。
おそらく、現状では男を安全に蘇生させる手順が見つかっていないので、窓には適当な映像を投射することにしたのだろう。映像の内容は意味不明だが……。
ともかく、これらの様子から、この部屋のシステムをかなり扱えるようになっているみたいだ。
その証明と言っていいのか、以前は存在しなかった黒い円盤状の大きな台が部屋の左隅にあった。その台の真上には同じく黒い円盤状の天井。台から天井までの高さは3mほど。
この円盤は部屋を無理やり広げる形で置かれているので四角の部屋が歪な形になっている。
円盤の材質は一見、大理石のようにも見えるが、ここは古代人の遺跡。
もちろんそんなはずはない。
「フィナ、これはなんだ?」
「ぬっふっふっふ~、なんだと思う~?」
彼女は口元に手を置いて、ねばつくような実に癖のある笑いと口調を見せてくる。
非常に鬱陶しいが、この円盤、相当なもののようだ。
「正直、見当もつかん。私としては円盤のことよりも浄化機構の話を聞きたいんだが?」
「もう、つれないなぁ~。しょうがない、浄化機構の話を先にしようではないか」
「口調が変だぞ」
「フフフフ、それだけこの円盤が凄い機械ってわけよ。ま、とっておきは後にして、浄化機構だけど~」
フィナが中指にはめた青い宝石の指輪を見せつけてくる。
彼女は指に装飾などつけていなかったはず。
私が不思議そうに指輪を見つめていると、フィナはくすりと笑い、パチリと軽快に指を跳ねた。
すると、以前見た、トーワ城を含む北の荒れ地の立体的な映像が浮かび、日本語らしき文字が入り混じる光の球体が浮かんだ。
私は今の行動を尋ねる。
「最初に訪れた時は本を破り、次には金属の板。そして今は、指輪のついた指を跳ねた。来るたびに仕様が変わっているな」
「まぁね。私に扱いやすく遺跡が勝手にカスタマイズしていっているから」
「あんまり君好みにされてもな。他の者が扱えなくなるだろう。エクアや親父は理解できているのか?」
私はエクアと親父へ顔を向ける。
「はい、それなりには。この指輪を着けた状態で指を跳ねるか宝石の頭を叩くと、遺跡のシステムにアクセスできるインタフェースが空中に開くんです」
「そこから、遺跡のあちこちにアクセスできるんですが……ま、俺たちには限られた種類の食事をレプリケートしたり、浄化原子灌水浴装置を使い身体や部屋全体を浄化したり、リフトを呼び出したりと、生活の基本となることぐらいしかできませんがね」
二人は中指にはめた青色の指輪を見せながら答えを返してくる。
どうやら二人はフィナと共に過ごすことにより、遺跡のシステムの扱い方に慣れていっているようだ。
率直に言って、エクアと親父がインタフェースやレプリケートという言葉を使っているのには違和感しかない。
私は少し声を上擦らせて言葉を返す。
「そ、そうか。私からすれば、それだけ扱えれば十分すごいんだが……え~っと、それで浄化機構だが、フィナ?」
「ハイハイ、浄化機構ね。最初は何が起こるかわからなかったから恐る恐る扱ってたんだけど、扱ううちに遺跡のシステムには強力な安全装置が働いてて、余程のことをしないかぎり不具合を起こしたり危険なことが起きないってわかったのよ。あ、故障してたら別だからね」
「なるほど、それでだんだん大胆になり、あっちこっち弄り倒して、この妙な円盤を作り出したわけだな」
「なんか言い方が悪いなぁ~。まぁ、いいけどね。それで結果なんだけど、浄化機構の扱い方は思ったより単純みたい」
そう言って、北の荒れ地の汚染された部分を指差す。
そこは真っ赤に染まっている。
「この赤い部分が汚染領域で、基本的にやっばい放射性物質や化学物質の類ね。この様子だと、昔この半島で危険な兵器がわんさか使われたのかも」
「相手は魔族だろうか?」
「たぶんね。んで、浄化機構がそれら汚染物質を何とかトーワの荒れ地内に集めて浄化を頑張ってるところ。そんな頑張り屋さんの、この赤い部分に触れて~ずずっと」
真っ赤に染まる部分に指を置いて横にずらすと、赤の範囲が狭まった。
ずらす前は北の荒れ地全体が真っ赤だったが、今はトーワからこの遺跡までの四分の一の大地が緑色に染まっている。
「と、こんな感じで汚染範囲を狭めることができる。緑の範囲は浄化できる範囲」
軽い口調で説明を交えるフィナに私は言葉を大きく跳ねた!
「本当か!?」
「本当に本当」
「こうも簡単に浄化できるなら今すぐにでもやってもらいたい! さっそく北の荒れ地全体の浄化をっ!」
「ちょっと、落ち着いて。結論から言うと、全体は無理」
「ど、どうしてだっ?」
「翻訳システムと同様、浄化機構の一部に機能不全があって、いま私が縮めた範囲で浄化は精一杯みたい」
「今の範囲のみ……いや、これでもじゅうぶ……」
私は第一にトーワのことが頭をよぎった。
だが、一度心を落ち着かせて、研究者としての私の言葉で声を返す。
「フィナ、一部とはいえ機能しているのに、なぜ古代人は浄化機構をしっかり動かさなかったんだ?」
「その疑問については、まず、歴史を振り返る必要がある。さっきもちょろっと出たけど、古代人は魔族との戦いで半島全体を汚染してしまった。だから、この浄化機構を使い浄化を行うことにした」
「ああ、そうだったな」
「次に、以前大地を調べた時、この機構は半島を汚染している毒物をトーワの北に集めて浄化している、という話をしたよね。それも、汚染とは関係ない自然界に存在する毒物まで集めてるって言ってたの覚えている?」<第七章 大地に封じられたもの>
「そういえば、そんなこと言ってたな」
「で、なんでそんなに大雑把なのかというと、この遺跡の放棄具合から見て、やっぱり緊急事態が発生してやっつけ仕事で浄化機構を起動したみたい」
「ふむ、それで?」
「浄化はゆっくりと進む。年月が経って、かなりの浄化が進み、浄化機構に余裕ができた。だから、ある程度なら一気に浄化を進ませられるようになった、というわけ」
「そういうことか。理解できた」
「でも、さっき言った通り、その浄化も機能不全があるから範囲は狭いよ」
「狭いか……」
それからしばらくして、預かっていた手の平サイズのひし形の青色ナルフに通信が入り、私は二日を掛けて単独遺跡へ。
フィナ曰く、浄化機構の解読が終えていつでも北の荒れ地の浄化ができるそうだ。
屎尿の問題を抱えている現在、直ちにそれを動かしたいところだが、彼女は浄化機構以上に凄いものを発見していた。
――遺跡内部・幻想のアーガメイトの書斎
ここには私とフィナ。そして目付け役に置いている親父とエクアがいる。
部屋は相変わらず父の書斎の姿だったが、窓の部分から古代人と思われる金髪の男の姿は消えて王都を見渡せる窓に戻っていた……のだが、その窓からは王都は見えず、何故か動物の着ぐるみを着た女性の一団がとげとげの肩パットをして、釘のついた棒を振り回しながら無数の風船が浮かぶ街中でパレードを行っている光景が広がる。
おそらく、現状では男を安全に蘇生させる手順が見つかっていないので、窓には適当な映像を投射することにしたのだろう。映像の内容は意味不明だが……。
ともかく、これらの様子から、この部屋のシステムをかなり扱えるようになっているみたいだ。
その証明と言っていいのか、以前は存在しなかった黒い円盤状の大きな台が部屋の左隅にあった。その台の真上には同じく黒い円盤状の天井。台から天井までの高さは3mほど。
この円盤は部屋を無理やり広げる形で置かれているので四角の部屋が歪な形になっている。
円盤の材質は一見、大理石のようにも見えるが、ここは古代人の遺跡。
もちろんそんなはずはない。
「フィナ、これはなんだ?」
「ぬっふっふっふ~、なんだと思う~?」
彼女は口元に手を置いて、ねばつくような実に癖のある笑いと口調を見せてくる。
非常に鬱陶しいが、この円盤、相当なもののようだ。
「正直、見当もつかん。私としては円盤のことよりも浄化機構の話を聞きたいんだが?」
「もう、つれないなぁ~。しょうがない、浄化機構の話を先にしようではないか」
「口調が変だぞ」
「フフフフ、それだけこの円盤が凄い機械ってわけよ。ま、とっておきは後にして、浄化機構だけど~」
フィナが中指にはめた青い宝石の指輪を見せつけてくる。
彼女は指に装飾などつけていなかったはず。
私が不思議そうに指輪を見つめていると、フィナはくすりと笑い、パチリと軽快に指を跳ねた。
すると、以前見た、トーワ城を含む北の荒れ地の立体的な映像が浮かび、日本語らしき文字が入り混じる光の球体が浮かんだ。
私は今の行動を尋ねる。
「最初に訪れた時は本を破り、次には金属の板。そして今は、指輪のついた指を跳ねた。来るたびに仕様が変わっているな」
「まぁね。私に扱いやすく遺跡が勝手にカスタマイズしていっているから」
「あんまり君好みにされてもな。他の者が扱えなくなるだろう。エクアや親父は理解できているのか?」
私はエクアと親父へ顔を向ける。
「はい、それなりには。この指輪を着けた状態で指を跳ねるか宝石の頭を叩くと、遺跡のシステムにアクセスできるインタフェースが空中に開くんです」
「そこから、遺跡のあちこちにアクセスできるんですが……ま、俺たちには限られた種類の食事をレプリケートしたり、浄化原子灌水浴装置を使い身体や部屋全体を浄化したり、リフトを呼び出したりと、生活の基本となることぐらいしかできませんがね」
二人は中指にはめた青色の指輪を見せながら答えを返してくる。
どうやら二人はフィナと共に過ごすことにより、遺跡のシステムの扱い方に慣れていっているようだ。
率直に言って、エクアと親父がインタフェースやレプリケートという言葉を使っているのには違和感しかない。
私は少し声を上擦らせて言葉を返す。
「そ、そうか。私からすれば、それだけ扱えれば十分すごいんだが……え~っと、それで浄化機構だが、フィナ?」
「ハイハイ、浄化機構ね。最初は何が起こるかわからなかったから恐る恐る扱ってたんだけど、扱ううちに遺跡のシステムには強力な安全装置が働いてて、余程のことをしないかぎり不具合を起こしたり危険なことが起きないってわかったのよ。あ、故障してたら別だからね」
「なるほど、それでだんだん大胆になり、あっちこっち弄り倒して、この妙な円盤を作り出したわけだな」
「なんか言い方が悪いなぁ~。まぁ、いいけどね。それで結果なんだけど、浄化機構の扱い方は思ったより単純みたい」
そう言って、北の荒れ地の汚染された部分を指差す。
そこは真っ赤に染まっている。
「この赤い部分が汚染領域で、基本的にやっばい放射性物質や化学物質の類ね。この様子だと、昔この半島で危険な兵器がわんさか使われたのかも」
「相手は魔族だろうか?」
「たぶんね。んで、浄化機構がそれら汚染物質を何とかトーワの荒れ地内に集めて浄化を頑張ってるところ。そんな頑張り屋さんの、この赤い部分に触れて~ずずっと」
真っ赤に染まる部分に指を置いて横にずらすと、赤の範囲が狭まった。
ずらす前は北の荒れ地全体が真っ赤だったが、今はトーワからこの遺跡までの四分の一の大地が緑色に染まっている。
「と、こんな感じで汚染範囲を狭めることができる。緑の範囲は浄化できる範囲」
軽い口調で説明を交えるフィナに私は言葉を大きく跳ねた!
「本当か!?」
「本当に本当」
「こうも簡単に浄化できるなら今すぐにでもやってもらいたい! さっそく北の荒れ地全体の浄化をっ!」
「ちょっと、落ち着いて。結論から言うと、全体は無理」
「ど、どうしてだっ?」
「翻訳システムと同様、浄化機構の一部に機能不全があって、いま私が縮めた範囲で浄化は精一杯みたい」
「今の範囲のみ……いや、これでもじゅうぶ……」
私は第一にトーワのことが頭をよぎった。
だが、一度心を落ち着かせて、研究者としての私の言葉で声を返す。
「フィナ、一部とはいえ機能しているのに、なぜ古代人は浄化機構をしっかり動かさなかったんだ?」
「その疑問については、まず、歴史を振り返る必要がある。さっきもちょろっと出たけど、古代人は魔族との戦いで半島全体を汚染してしまった。だから、この浄化機構を使い浄化を行うことにした」
「ああ、そうだったな」
「次に、以前大地を調べた時、この機構は半島を汚染している毒物をトーワの北に集めて浄化している、という話をしたよね。それも、汚染とは関係ない自然界に存在する毒物まで集めてるって言ってたの覚えている?」<第七章 大地に封じられたもの>
「そういえば、そんなこと言ってたな」
「で、なんでそんなに大雑把なのかというと、この遺跡の放棄具合から見て、やっぱり緊急事態が発生してやっつけ仕事で浄化機構を起動したみたい」
「ふむ、それで?」
「浄化はゆっくりと進む。年月が経って、かなりの浄化が進み、浄化機構に余裕ができた。だから、ある程度なら一気に浄化を進ませられるようになった、というわけ」
「そういうことか。理解できた」
「でも、さっき言った通り、その浄化も機能不全があるから範囲は狭いよ」
「狭いか……」
0
あなたにおすすめの小説
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる