258 / 359
第二十二章 銀眼は彼に応え扉を開く
サレートの芸術
しおりを挟む
「こんなっ、うぷ、おえぇぇええぇ」
人がごちゃ混ぜになった肉塊たちを目にしたエクアはたまらず吐瀉物を冷たい床にぶちまけた。
嘔吐き声を漏らし続ける彼女の姿を見ながら、サレートは愉快そうに語る。
「あははは、まだ幼いエクアさんには刺激が強すぎたようだね」
「おえ、あなたは、いったい、うぷっ」
「フフフ、これこそ、これこそ、僕の芸術の集大成だよ。数多の命を一つへ集約し、新たな生命を生み出すこと。世界を、意思を、心を、一つにすること! 全ては中心に集い、そこから世界は弾ける! これこそまさに、芸術だと思わないかい!! エクアさん!!」
「あなたは、何を言っているんですか? この人たちは一体?」
「彼らかい? 元は盗賊だったんだよ。街道沿いで暴れていたのを少々懲らしめてやったんだけど、反省の色もなかったんで、生かしていてもしょうがないだろ。だから、芸術として更生させてあげたんだ」
「盗賊、うぷ。盗賊というと、たしかカルポンティを根城に暴れていたという」
「その通り! 彼らは改心して、今は僕の芸術として生まれ変わった。なんて、素敵なことなんだろう……」
サレートはしんみりと声を漏らし、女性の胴体に無数の男性の顔が塗り込められたソレに近づいた。
「この中でも彼女が一番のお気に入りでね。綺麗な声で歌うんだよ。さぁ、テロール。エクアさんのために歓迎の歌を」
「うが、ぎぎが、あ~あ~♪ ララララ~♪ ラララ、ラララアア~♪」
テロールと呼ばれた存在は、僅かな呻き声のあとに歌を披露した。
女性の頭が乗る肉体と胴に張り付いた男の頭たちは、涙を流し、歌を歌っている。
それは苦痛に塗れた表情。
血に染まった瞳をぎょろりとエクアに向けて、歌声を上げ続ける。
その歌に合わせて、サレートは舞う。
足先で石床を叩きながら、とても楽し気な笑い声を交え踊る。
肉体を弄られ、化け物にされた人間の間で、彼は踊り狂う。
悲し気な歌声の狭間で笑い声と共に踊り続ける。
彼の狂騒にエクアは、腐臭が満たす鼻腔の存在を忘れて怒りに声を飛ばした。
「あなたは彼らに何をしたんですかっ!?」
サレートはピタリと足を止める。彼の足が止まるとテロールも歌を止めた。
そして、彼はゆっくりとエクアへ顔を向けていく。
「世界を、集約したんだよ」
「え?」
「私たち種族は脆弱だ。特に人間族は寿命が短く、肉体も他種族と比べ弱い。あまりにもか弱い存在だ。ならば、どうするか? 群れることだ。そうして、人間族は他種族よりも大きな村や町を産み出し、ついには国を起こし、他種族と対抗できるようになった。だけど、足りない」
「意味が、わかりません……」
「そうかい? エクアさん、たとえ群れて他種族に対抗できても、所詮は人間族。肉体は脆弱なままなんだよ。他種族はもちろん、魔族にも勝てない」
「魔族?」
「そう、魔族。あれは素晴らしいっ。圧倒的な力。存在感。まさに生ける芸術! 僕はあれに魅了された。そして、生み出したいと思った! だから、生み出した!!」
「生み出したって、まさかこの人たちのことですかっ?」
「ああ、そうだよ! だけど、人間族の肉体をいくら弄ろうと限界がある。そこで僕は考えた。一つの命に無数の命を納めてみてはと。試行錯誤の末に、彼女たちが完成した」
「完成ってっ。先生は命をもてあそんだのですかっ!?」
「弄ぶ? 何を言っているんだ、エクアさん? 僕は新たな命を産み出した。新たな世界へと通じる命を。そしてこれが、僕の目指していたもの」
「目指したもの?」
「かつての僕は、芸術を世界へ伝播することを目指した。でも、それでは想いの色が薄くなってしまう。力を失う。だから、世界を集約することを目指した。世界を一か所に集めることで力を増したんだ。でも、それに傾倒しすぎて、僕は失ってしまったんだ」
「なにを、ですか?」
「世界を広げる力だよっ! そうっ! 君が持つ才能!! 閉じられた世界を切り開く力を持つ才能! 僕と君の才能が合わされば、テロールたちを力強いまま世界へ知らしめることができる。エクアさん、教えてくれ!?」
――彼らに何をどう描き足せば、世界に広げることができる?――
「教えてくれ、教えてくれよ~、エクアさん。君は僕が失った才能を持っている。だから、わかるはずだぁ。世界の広げ方を。お願いだ、教えてくれ、僕は何をすればいいんだっ?」
狂気に満ちた瞳にエクアを捕らえ、サレートはゆっくりと近づいてくる。
エクアは震える足を後ろへ下げた。
彼女の淡い緑の瞳に映るのは、正気を失った男と、生きた肉塊となり果てた盗賊たち……。
盗賊たちを瞳に収めた彼女はサレートに問いかける。
「彼らは生きているんですか? 意識は?」
「え? ああ、作品のことかい? そうだねぇ、僕の言うことを理解できるくらいの知恵はあるよ。行く行くは僕の指揮棒の下で魔族という芸術とぶつかり弾ける予定だからね」
「魔族と、戦わせるつもりですか?」
「まぁ、下卑た表現すればそうだね」
「人の命をもてあそび、意志までも……なんて、惨いことを」
「惨い? アーガメイトの息子である、ケント=ハドリーの下に居ながら妙なことを言うね」
「え?」
「あれ、知らないのかい? 僕の心の師であるアステ=ゼ=アーガメイトは生命科学専門の錬金術師。彼は魔族に対抗すべく、様々な生物実験を行った。そこで生み出されたのが、勇者だよ」
「勇者様が……」
「そして、その研究を成し遂げた一人にケント=ハドリーの名が連なる。彼は命を操り、勇者を産み出したんだ! 僕と同じで! 魔族と対抗できる命を世界に吹き込んだんだよ!!」
「う、嘘ですっ。ケント様が、こんなひどいことを!! 第一、勇者様にはしっかりとした意思があります。姿も人間そのものです。そこにいる方々は……人とは呼べない」
「そこは芸術性の違いかな。勇者たちはなかなか魅力的だが、普通過ぎる。やはり、テロールたちのように、他者を圧倒する印象を心に強く与えないとね」
腐れ落ちた肉を引きずる、人を無造作につなぎ合わせた存在。
彼はそれらをうっとりとした表情で見つめる。
視線が、エクアから外れる……。
彼女はその隙を見逃さない。
震える足に拳で一喝を入れて、部屋の外へ走り出す。
しかしっ!
「キャッ!?」
出口に見えない壁があり、彼女は鼻をぶつけ後ろに倒れてしまった。
鼻から流れ落ちる血を拭い、再び立とうとするが、上からサレートが覗き込んできた。
「エクアさん」
「ひっ」
「う~ん、やっぱり子どもには刺激が強すぎたかな? それじゃあ、僕の芸術が理解できるように一緒に勉強しようか。君が理解できるまでね……」
人がごちゃ混ぜになった肉塊たちを目にしたエクアはたまらず吐瀉物を冷たい床にぶちまけた。
嘔吐き声を漏らし続ける彼女の姿を見ながら、サレートは愉快そうに語る。
「あははは、まだ幼いエクアさんには刺激が強すぎたようだね」
「おえ、あなたは、いったい、うぷっ」
「フフフ、これこそ、これこそ、僕の芸術の集大成だよ。数多の命を一つへ集約し、新たな生命を生み出すこと。世界を、意思を、心を、一つにすること! 全ては中心に集い、そこから世界は弾ける! これこそまさに、芸術だと思わないかい!! エクアさん!!」
「あなたは、何を言っているんですか? この人たちは一体?」
「彼らかい? 元は盗賊だったんだよ。街道沿いで暴れていたのを少々懲らしめてやったんだけど、反省の色もなかったんで、生かしていてもしょうがないだろ。だから、芸術として更生させてあげたんだ」
「盗賊、うぷ。盗賊というと、たしかカルポンティを根城に暴れていたという」
「その通り! 彼らは改心して、今は僕の芸術として生まれ変わった。なんて、素敵なことなんだろう……」
サレートはしんみりと声を漏らし、女性の胴体に無数の男性の顔が塗り込められたソレに近づいた。
「この中でも彼女が一番のお気に入りでね。綺麗な声で歌うんだよ。さぁ、テロール。エクアさんのために歓迎の歌を」
「うが、ぎぎが、あ~あ~♪ ララララ~♪ ラララ、ラララアア~♪」
テロールと呼ばれた存在は、僅かな呻き声のあとに歌を披露した。
女性の頭が乗る肉体と胴に張り付いた男の頭たちは、涙を流し、歌を歌っている。
それは苦痛に塗れた表情。
血に染まった瞳をぎょろりとエクアに向けて、歌声を上げ続ける。
その歌に合わせて、サレートは舞う。
足先で石床を叩きながら、とても楽し気な笑い声を交え踊る。
肉体を弄られ、化け物にされた人間の間で、彼は踊り狂う。
悲し気な歌声の狭間で笑い声と共に踊り続ける。
彼の狂騒にエクアは、腐臭が満たす鼻腔の存在を忘れて怒りに声を飛ばした。
「あなたは彼らに何をしたんですかっ!?」
サレートはピタリと足を止める。彼の足が止まるとテロールも歌を止めた。
そして、彼はゆっくりとエクアへ顔を向けていく。
「世界を、集約したんだよ」
「え?」
「私たち種族は脆弱だ。特に人間族は寿命が短く、肉体も他種族と比べ弱い。あまりにもか弱い存在だ。ならば、どうするか? 群れることだ。そうして、人間族は他種族よりも大きな村や町を産み出し、ついには国を起こし、他種族と対抗できるようになった。だけど、足りない」
「意味が、わかりません……」
「そうかい? エクアさん、たとえ群れて他種族に対抗できても、所詮は人間族。肉体は脆弱なままなんだよ。他種族はもちろん、魔族にも勝てない」
「魔族?」
「そう、魔族。あれは素晴らしいっ。圧倒的な力。存在感。まさに生ける芸術! 僕はあれに魅了された。そして、生み出したいと思った! だから、生み出した!!」
「生み出したって、まさかこの人たちのことですかっ?」
「ああ、そうだよ! だけど、人間族の肉体をいくら弄ろうと限界がある。そこで僕は考えた。一つの命に無数の命を納めてみてはと。試行錯誤の末に、彼女たちが完成した」
「完成ってっ。先生は命をもてあそんだのですかっ!?」
「弄ぶ? 何を言っているんだ、エクアさん? 僕は新たな命を産み出した。新たな世界へと通じる命を。そしてこれが、僕の目指していたもの」
「目指したもの?」
「かつての僕は、芸術を世界へ伝播することを目指した。でも、それでは想いの色が薄くなってしまう。力を失う。だから、世界を集約することを目指した。世界を一か所に集めることで力を増したんだ。でも、それに傾倒しすぎて、僕は失ってしまったんだ」
「なにを、ですか?」
「世界を広げる力だよっ! そうっ! 君が持つ才能!! 閉じられた世界を切り開く力を持つ才能! 僕と君の才能が合わされば、テロールたちを力強いまま世界へ知らしめることができる。エクアさん、教えてくれ!?」
――彼らに何をどう描き足せば、世界に広げることができる?――
「教えてくれ、教えてくれよ~、エクアさん。君は僕が失った才能を持っている。だから、わかるはずだぁ。世界の広げ方を。お願いだ、教えてくれ、僕は何をすればいいんだっ?」
狂気に満ちた瞳にエクアを捕らえ、サレートはゆっくりと近づいてくる。
エクアは震える足を後ろへ下げた。
彼女の淡い緑の瞳に映るのは、正気を失った男と、生きた肉塊となり果てた盗賊たち……。
盗賊たちを瞳に収めた彼女はサレートに問いかける。
「彼らは生きているんですか? 意識は?」
「え? ああ、作品のことかい? そうだねぇ、僕の言うことを理解できるくらいの知恵はあるよ。行く行くは僕の指揮棒の下で魔族という芸術とぶつかり弾ける予定だからね」
「魔族と、戦わせるつもりですか?」
「まぁ、下卑た表現すればそうだね」
「人の命をもてあそび、意志までも……なんて、惨いことを」
「惨い? アーガメイトの息子である、ケント=ハドリーの下に居ながら妙なことを言うね」
「え?」
「あれ、知らないのかい? 僕の心の師であるアステ=ゼ=アーガメイトは生命科学専門の錬金術師。彼は魔族に対抗すべく、様々な生物実験を行った。そこで生み出されたのが、勇者だよ」
「勇者様が……」
「そして、その研究を成し遂げた一人にケント=ハドリーの名が連なる。彼は命を操り、勇者を産み出したんだ! 僕と同じで! 魔族と対抗できる命を世界に吹き込んだんだよ!!」
「う、嘘ですっ。ケント様が、こんなひどいことを!! 第一、勇者様にはしっかりとした意思があります。姿も人間そのものです。そこにいる方々は……人とは呼べない」
「そこは芸術性の違いかな。勇者たちはなかなか魅力的だが、普通過ぎる。やはり、テロールたちのように、他者を圧倒する印象を心に強く与えないとね」
腐れ落ちた肉を引きずる、人を無造作につなぎ合わせた存在。
彼はそれらをうっとりとした表情で見つめる。
視線が、エクアから外れる……。
彼女はその隙を見逃さない。
震える足に拳で一喝を入れて、部屋の外へ走り出す。
しかしっ!
「キャッ!?」
出口に見えない壁があり、彼女は鼻をぶつけ後ろに倒れてしまった。
鼻から流れ落ちる血を拭い、再び立とうとするが、上からサレートが覗き込んできた。
「エクアさん」
「ひっ」
「う~ん、やっぱり子どもには刺激が強すぎたかな? それじゃあ、僕の芸術が理解できるように一緒に勉強しようか。君が理解できるまでね……」
0
あなたにおすすめの小説
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる