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第二十四章 絶望と失意の花束を
人智を超えし数値
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「え~っと、ケントはへっぽこだったという事実を後ろに飾って話を進めます」
「そんなもの飾るな飾るなっ。無視して進めろ進めろっ」
「はいはい。では、メインの話になるんだけど、この強さを測る装置は古代人の数値も記録してたのよ。幾人かだけどね」
「え?」
「さらに、古代人以外の種族……神や精霊と呼ばれる存在の強さも記録されていた」
「なっ!?」
フィナはまさにメインと呼べる出来事を口にしていく。
それこそ私たちの驚きを後ろにおいて、彼女は横の黒いガラス片を見ながら正面のモニターを指先で操っていく。
「まず、古代人なんだけど四人ほど。そのうち三人には見覚えがあると思う」
フィナはモニターの表面をさっと手で払う。
すると、四人の古代人の姿が現れ、彼らの隣にはぼやけた文字と無数のアラビア数字の羅列が表れた。
四人の内三人は、初めて遺跡に訪れた際に映像として現れ、口論をしていた古代人の三人。<第十五章 彼らの姿/何ら変わらない>
黄金の蛇の模様を描いた白衣を着る老人と、青いぴっちりとしたスーツを着る筋肉質な金髪の男と、白衣をコートのように纏う黒の短髪の銀眼美女。
音声の無い映像の中で老人は何かを高らかと唱え、それを黒髪の美女が説得を試みるが、金髪の男が感情を抑えきれず老人を殺害した。
その三人に加え、今回は新しい人物がいる。それは黒の制服に身を包む、黒髪で肌もまた真っ黒な女性。
私は肌の黒い女性に目を向けつつ、隣に浮かぶ文字と数字の羅列を意識した。
「珍しいな。スカルペルだと肌の黒い種族は、あまり交流のない世界の中心に位置するフォルス大陸出身者くらいか。まぁ、彼女の姿はさておき……映像に映る文字がぼやけてて読めないな。アラビア数字ははっきりと映っていてわかるが」
「おそらく、この遺跡に所属していたと思われる人物ファイルにアクセスできたんだけど、黒の肌を持つ男性や女性はたくさんいるみたい。顔つきもかなり違ってて、いろんなタイプの人間族が一緒に働いてたって感じね」
「彼らは多くの者たちと交流し混ざりあっていたんだな。それで、文字がぼやけている理由は?」
「人物ファイルはプチ機密ファイルらしく、一部文字がぼかされているのよ。たぶん簡単な解除方法があるんだろうけど、文字の読めない私だとちょっと厳しい。今の私にわかるのはアラビア数字の一部が彼らの強さを表し、出身もしくは所属が違うというのがわかるくらい」
「出身? もしかして、彼らの世界の名がわかったのか?」
「ううん、そういうわけじゃない。別の種族と思われる人物ファイルと比べて、同じ箇所の文字が微妙に違ったから」
フィナはさらにモニターの表面をさすった。
すると、二人の人物が追加された。
それは人間族に似た二人。
一人は黒髪のショートヘアで切れ長の目を持つ長身の二十代後半ほどの男性で、身体はがっちりと逞しく、新緑の瞳に宿る光は柔と剛を兼ね備えた隙のないもの。
服装は白のゆったりとした服の上に青色の羽織を纏っている。
その服装の見た目は以前見たカエルの服装に近いが、あまりぴっしりとした様子はなく、こちらの方がラフな感じがする。
もう一人は腰丈まで届く長い銀髪を持つ十代前半の少女。黒の瞳は新緑の虹彩に覆われ、それはとろりと眠そうな瞳をしている。顔は幼くとても愛らしいが、将来、美女としての姿が約束された顔立ちだ。
服装は青のボーダーが入った白色のスカートに黒タイツ。上着は青の薄手のベストの上に、紺色の長袖のブレザー。
そのブレザーの胸元と右肩には複数のメビウスの輪で象られた花の模様があり、首元には黒のリボンタイといったまるで学生服のような装い。
フィナは二人に視線を送りながら、彼らの隣に浮かぶモニターについて説明を行う。
「この二人の横に映るモニターと他の四人とを見比べると、上から二段目、一番端の文字が若干違う感じがしない? ぼやけててわかりにくいと思うけど」
指摘された箇所を見つめる……たしかに、違うような気もする。
「おそらくだけど、そこが出身か所属を表している場所だと思うの。最初の四人はその箇所が同じ字面で、この二人は両方とも違う感じ。そこから、四人は同じ出身だけど、この二人はそれぞれ別の世界の人っぽいっと」
「彼らもこの施設に所属していたのか?」
「違うと思う。人物ファイルはいくつかに分けられていて、この二人は別に記載されてたから。もっとも、そのファイルも断片的ではっきりこうだとは言えないけどね」
「相変わらずよくわからんことだらけということか。それで、彼らと強さを測定する話はどうメインとやらに繋がるんだ?」
「まず、彼らの前に、古代人が収集したと思われる異世界の神々を見てちょうだい」
六人が消えて、部屋の中心には、背に四つの七色の羽を持ち、全身を翠色の羽毛に覆われた蛇のような生き物が現れた。
他には炎を纏う鳥や、光の球体だけの存在に、白い羽に包まれた瞳だけの存在。
「フィナ、これは?」
「異界の神々の姿らしいよ。彼らが記録されていたファイルにはカタカナでゴッド・スピリットって書いてあった。カタカナの意味は神や精霊を表すもののはずだから」
「これが異界の神々か……」
部屋の中心にいるのは、蛇に鳥に球に瞳の存在。
エクアは彼らを見て言葉を少し震わせる。
「私たちの目線から見ると神様って感じしませんね。蛇っぽい神様や羽の瞳の神様はちょっと怖いですし」
「そうだな。せいぜい、神のように見えるのは光の球体くらいか。彼らはどこの世界にいて名前はあるのか、フィナ?」
「彼らのファイルは人物ファイルよりもセキュリティが低く、ぼやけることなくカタカナと漢字とアルファベットが入り混じる文章が載ってた。そこには出身だか所属だかと、あとは名前が。漢字は読めないんで無視して読めるとこだけ順番に読むね」
羽毛を持つ蛇――所属銀河・天の川銀河。名前はケツァルコアトル。
炎を纏う鳥――所属銀河・GN-z11。名前はエンエン。
フィナは一部をほにゃららと言って読み上げた。
それは漢字が読めなかったからだろう。
私は読み上げられた二神のうち、聞き覚えのある神の名を唱える。
「エンエン? もしやそれは、ヴァンナス王家の召喚一族が呼び寄せたという炎燕のことじゃないか?」
「その可能性はあるかも。炎燕もまた炎を纏う鳥だからね。この神様はGN-z11という銀河からこちらへやってきたみたい。その銀河がどこにあるかは知らないけど」
「よく、別の銀河だと理解できるな」
「出身と思われる文字に触れたら、この施設の天体観測で見た銀河っぽい映像がでたのよ。だから、たぶん銀河の名前だろうなぁって」
「なるほど。名前以外の文字の意味は?」
「さっぱり」
「そうか、続けてくれ」
「うん。あとの二人っていう言い方がわからないけど、残る二人は……」
光の球体――所属・ぺガスス座矮小楕円体銀河。名前は不明。創生クラスの高位存在。
白い羽に包まれた瞳――所属・やまねこ座超銀河団。名前はアノトン。創生クラスの高位存在。
またもやフィナは一部をほにゃららと言って読み上げる。
私から見ても全く読めない漢字が並んでいるため、これは仕方ないだろう。
「フィナ。ペガススなんとやらに、やまねこなんとやら出身で、創る、生かすクラスの神、精霊? というわけか?」
「おそらく、意味合いからして創造主に類するものだと思う。こちらでいう、サノア級の神様ってところね」
「なるほど、前の二人の神よりも強い存在ということかな?」
「そういうこと。んで、ここで強さを測定できる話に戻るんだけど……」
「そういえば、神と呼ばれるもののデータもあるんだったな」
「うん、今出すね」
ケツァルコアトル――1570万
エンエン――440万
光の球体――3500万
アノトン――5000万
この数字に、マスティフとマフィンは言葉を地に降ろすように吐く。
「なんという数字だ。さすがは神と呼ばれる存在」
「俺たちが数十の数で争っていたのが馬鹿馬鹿しくにゃるニャ」
「だが、その中でもヴァンナスの守護たる炎燕はかなり見劣りするようだな」
「そうニャね。それでも俺らなんかを軽く一掃できるくらいはあるけどニャ」
ここでフィナの注釈が入る。
「たぶんだけど、ヴァンナス王家も炎燕の力を完璧に操れているわけじゃないと思う。なにせ桁違いだし。せいぜい、五分の一くらいの力を引き出すのがやっとじゃないかな」
「五分の一でも八十八万。五十七万の勇者レイよりも強いというわけじゃな」
「とんでもにぇ~ニャ」
「じゃが、我らよりもたかが千倍ほどの強さで世界を創造できるとなると、それもまた不可思議な感じもするな」
「たしかにニャ」
フィナはさらに注釈を入れる。
「たぶん、創造の力は計測されてないんだと思う。例えば、レイの力が五十七万あるからと言ってエクアのように絵を産み出せるとは限らない……まぁ、実際のレイの芸術センスは知らないけど」
と、言いつつ私へ視線を向けてくる。
「そうだな、絵は上手い方だぞ。歌は個性的だが……」
「クスッ、そうなんだ……この話に付随して、私たち人間だって弱くても農園を作り、国を作れる。神と言われる人たちのそれは、その規模が大きいだけだと私は考える」
フィナの説明を聞いて、マスティフとマフィンはため息のような声を漏らす。
「ふむ、規模が大きいだけときたか」
「にゃけど、世界を創造できるとなるとやっぱりとんでもにぇー話ニャ」
「そんなもの飾るな飾るなっ。無視して進めろ進めろっ」
「はいはい。では、メインの話になるんだけど、この強さを測る装置は古代人の数値も記録してたのよ。幾人かだけどね」
「え?」
「さらに、古代人以外の種族……神や精霊と呼ばれる存在の強さも記録されていた」
「なっ!?」
フィナはまさにメインと呼べる出来事を口にしていく。
それこそ私たちの驚きを後ろにおいて、彼女は横の黒いガラス片を見ながら正面のモニターを指先で操っていく。
「まず、古代人なんだけど四人ほど。そのうち三人には見覚えがあると思う」
フィナはモニターの表面をさっと手で払う。
すると、四人の古代人の姿が現れ、彼らの隣にはぼやけた文字と無数のアラビア数字の羅列が表れた。
四人の内三人は、初めて遺跡に訪れた際に映像として現れ、口論をしていた古代人の三人。<第十五章 彼らの姿/何ら変わらない>
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音声の無い映像の中で老人は何かを高らかと唱え、それを黒髪の美女が説得を試みるが、金髪の男が感情を抑えきれず老人を殺害した。
その三人に加え、今回は新しい人物がいる。それは黒の制服に身を包む、黒髪で肌もまた真っ黒な女性。
私は肌の黒い女性に目を向けつつ、隣に浮かぶ文字と数字の羅列を意識した。
「珍しいな。スカルペルだと肌の黒い種族は、あまり交流のない世界の中心に位置するフォルス大陸出身者くらいか。まぁ、彼女の姿はさておき……映像に映る文字がぼやけてて読めないな。アラビア数字ははっきりと映っていてわかるが」
「おそらく、この遺跡に所属していたと思われる人物ファイルにアクセスできたんだけど、黒の肌を持つ男性や女性はたくさんいるみたい。顔つきもかなり違ってて、いろんなタイプの人間族が一緒に働いてたって感じね」
「彼らは多くの者たちと交流し混ざりあっていたんだな。それで、文字がぼやけている理由は?」
「人物ファイルはプチ機密ファイルらしく、一部文字がぼかされているのよ。たぶん簡単な解除方法があるんだろうけど、文字の読めない私だとちょっと厳しい。今の私にわかるのはアラビア数字の一部が彼らの強さを表し、出身もしくは所属が違うというのがわかるくらい」
「出身? もしかして、彼らの世界の名がわかったのか?」
「ううん、そういうわけじゃない。別の種族と思われる人物ファイルと比べて、同じ箇所の文字が微妙に違ったから」
フィナはさらにモニターの表面をさすった。
すると、二人の人物が追加された。
それは人間族に似た二人。
一人は黒髪のショートヘアで切れ長の目を持つ長身の二十代後半ほどの男性で、身体はがっちりと逞しく、新緑の瞳に宿る光は柔と剛を兼ね備えた隙のないもの。
服装は白のゆったりとした服の上に青色の羽織を纏っている。
その服装の見た目は以前見たカエルの服装に近いが、あまりぴっしりとした様子はなく、こちらの方がラフな感じがする。
もう一人は腰丈まで届く長い銀髪を持つ十代前半の少女。黒の瞳は新緑の虹彩に覆われ、それはとろりと眠そうな瞳をしている。顔は幼くとても愛らしいが、将来、美女としての姿が約束された顔立ちだ。
服装は青のボーダーが入った白色のスカートに黒タイツ。上着は青の薄手のベストの上に、紺色の長袖のブレザー。
そのブレザーの胸元と右肩には複数のメビウスの輪で象られた花の模様があり、首元には黒のリボンタイといったまるで学生服のような装い。
フィナは二人に視線を送りながら、彼らの隣に浮かぶモニターについて説明を行う。
「この二人の横に映るモニターと他の四人とを見比べると、上から二段目、一番端の文字が若干違う感じがしない? ぼやけててわかりにくいと思うけど」
指摘された箇所を見つめる……たしかに、違うような気もする。
「おそらくだけど、そこが出身か所属を表している場所だと思うの。最初の四人はその箇所が同じ字面で、この二人は両方とも違う感じ。そこから、四人は同じ出身だけど、この二人はそれぞれ別の世界の人っぽいっと」
「彼らもこの施設に所属していたのか?」
「違うと思う。人物ファイルはいくつかに分けられていて、この二人は別に記載されてたから。もっとも、そのファイルも断片的ではっきりこうだとは言えないけどね」
「相変わらずよくわからんことだらけということか。それで、彼らと強さを測定する話はどうメインとやらに繋がるんだ?」
「まず、彼らの前に、古代人が収集したと思われる異世界の神々を見てちょうだい」
六人が消えて、部屋の中心には、背に四つの七色の羽を持ち、全身を翠色の羽毛に覆われた蛇のような生き物が現れた。
他には炎を纏う鳥や、光の球体だけの存在に、白い羽に包まれた瞳だけの存在。
「フィナ、これは?」
「異界の神々の姿らしいよ。彼らが記録されていたファイルにはカタカナでゴッド・スピリットって書いてあった。カタカナの意味は神や精霊を表すもののはずだから」
「これが異界の神々か……」
部屋の中心にいるのは、蛇に鳥に球に瞳の存在。
エクアは彼らを見て言葉を少し震わせる。
「私たちの目線から見ると神様って感じしませんね。蛇っぽい神様や羽の瞳の神様はちょっと怖いですし」
「そうだな。せいぜい、神のように見えるのは光の球体くらいか。彼らはどこの世界にいて名前はあるのか、フィナ?」
「彼らのファイルは人物ファイルよりもセキュリティが低く、ぼやけることなくカタカナと漢字とアルファベットが入り混じる文章が載ってた。そこには出身だか所属だかと、あとは名前が。漢字は読めないんで無視して読めるとこだけ順番に読むね」
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フィナは一部をほにゃららと言って読み上げた。
それは漢字が読めなかったからだろう。
私は読み上げられた二神のうち、聞き覚えのある神の名を唱える。
「エンエン? もしやそれは、ヴァンナス王家の召喚一族が呼び寄せたという炎燕のことじゃないか?」
「その可能性はあるかも。炎燕もまた炎を纏う鳥だからね。この神様はGN-z11という銀河からこちらへやってきたみたい。その銀河がどこにあるかは知らないけど」
「よく、別の銀河だと理解できるな」
「出身と思われる文字に触れたら、この施設の天体観測で見た銀河っぽい映像がでたのよ。だから、たぶん銀河の名前だろうなぁって」
「なるほど。名前以外の文字の意味は?」
「さっぱり」
「そうか、続けてくれ」
「うん。あとの二人っていう言い方がわからないけど、残る二人は……」
光の球体――所属・ぺガスス座矮小楕円体銀河。名前は不明。創生クラスの高位存在。
白い羽に包まれた瞳――所属・やまねこ座超銀河団。名前はアノトン。創生クラスの高位存在。
またもやフィナは一部をほにゃららと言って読み上げる。
私から見ても全く読めない漢字が並んでいるため、これは仕方ないだろう。
「フィナ。ペガススなんとやらに、やまねこなんとやら出身で、創る、生かすクラスの神、精霊? というわけか?」
「おそらく、意味合いからして創造主に類するものだと思う。こちらでいう、サノア級の神様ってところね」
「なるほど、前の二人の神よりも強い存在ということかな?」
「そういうこと。んで、ここで強さを測定できる話に戻るんだけど……」
「そういえば、神と呼ばれるもののデータもあるんだったな」
「うん、今出すね」
ケツァルコアトル――1570万
エンエン――440万
光の球体――3500万
アノトン――5000万
この数字に、マスティフとマフィンは言葉を地に降ろすように吐く。
「なんという数字だ。さすがは神と呼ばれる存在」
「俺たちが数十の数で争っていたのが馬鹿馬鹿しくにゃるニャ」
「だが、その中でもヴァンナスの守護たる炎燕はかなり見劣りするようだな」
「そうニャね。それでも俺らなんかを軽く一掃できるくらいはあるけどニャ」
ここでフィナの注釈が入る。
「たぶんだけど、ヴァンナス王家も炎燕の力を完璧に操れているわけじゃないと思う。なにせ桁違いだし。せいぜい、五分の一くらいの力を引き出すのがやっとじゃないかな」
「五分の一でも八十八万。五十七万の勇者レイよりも強いというわけじゃな」
「とんでもにぇ~ニャ」
「じゃが、我らよりもたかが千倍ほどの強さで世界を創造できるとなると、それもまた不可思議な感じもするな」
「たしかにニャ」
フィナはさらに注釈を入れる。
「たぶん、創造の力は計測されてないんだと思う。例えば、レイの力が五十七万あるからと言ってエクアのように絵を産み出せるとは限らない……まぁ、実際のレイの芸術センスは知らないけど」
と、言いつつ私へ視線を向けてくる。
「そうだな、絵は上手い方だぞ。歌は個性的だが……」
「クスッ、そうなんだ……この話に付随して、私たち人間だって弱くても農園を作り、国を作れる。神と言われる人たちのそれは、その規模が大きいだけだと私は考える」
フィナの説明を聞いて、マスティフとマフィンはため息のような声を漏らす。
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