287 / 359
第二十四章 絶望と失意の花束を
1%の勝利
しおりを挟む
私は大地に両膝をついて、荒く息を漏らす。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、リンクとやらは心や肉体に負担を掛けるな……」
何度も息を吐き、吸い続ける。
そこに、親父の声が届いた。
「だ、旦那。大丈夫ですか?」
「なんとかな」
「よくわかりませんが、あいつを殺ったんで?」
「はっきりと弾丸を撃ち込んだ感触はあった。これで仕留めたと願いたい。さすがに次は無理だからな、はは」
軽い笑いと共に親父へ顔を向ける。
その顔を見た親父が声を震わせた。
「だ、だんなっ、目から血がっ」
「なに?」
目元に漂う温いモノに指先で触れた。
そしてそれをじっと見る。
指先にはぬらりとした赤が光っている。
「私の銀眼では負荷に耐えられず出血したのか。だが、こうして自分の血と指が見えている。視力は失われていないようだ」
「目は、大丈夫なんですね?」
「みたいだ。いやはや、非常に負担のかかる銃だ。もう、使用するのはごめんだな。もっとも、古代人の弾丸は失われ、使用したくてもできないんだが……最後の一発で、バルドゥルを仕留めることができたと祈ろう」
――マッキンドーの森
マッキンドーの森の片隅、そこに下半身を失い臓腑を引き摺るバルドゥルがいた。
「がぁ、はぁはぁはぁはぁ、私があの銃と弾丸の存在に気づかぬとはっ。認識阻害に加え偶然を装いケントとやらに手渡したのかっ? 必然であれば感じ取ることができたものを! 副所長めがっ」
彼は怒りを露わとし、砂と土にまみれた臓腑へ榛色の瞳を寄せる。
「クッ! 油断したとはいえ……おのれっ、未開人どもめ! 私の最高傑作であるこの肉体を壊しおってっ。見ておれ! 傷が癒え次第、血祭りに上げて、あの男の銀眼を刳り貫いてやるわ!」
「ざんね~ん。それはもう、できないわよ~」
「だ、誰だ!?」
声に応え、水が地より湧き出て螺旋を描き、流動生命体のイラが姿を現した。
彼女は森に漂う蛍のような光子の明かりを受けて、眩い水のドレスに包まれている。
「うふふ~、ひさしぶりねぇ~。バルドゥルちゃ~ん」
「き、貴様はスース! 何故、ここにっ!?」
「それは愚問ねぇ~。あなたたちがぁ、私を閉じ込めて~、一緒にここへ連れてきたんじゃな~い」
「クッ、騒動に紛れて施設から逃げ出していたわけか! だが、なぜ、この星を食べていない! それだけの時間はあったであろう!」
「う~ん、別に私たちは~、何でも食べるわけじゃないわよ~。昔は食べちゃってだけど~。クスッ」
イラはとても柔らかな笑みを見せるが、バルドゥルはその笑みに恐怖する。
「こ、この星は、お前が食べるに値しないと?」
「逆よ~。食べちゃうにはもったいないくらいに楽しい場所。だからぁ、みんなと一緒にいることを選んだのよ~……あなたと一緒にいるのは~、楽しくなさそうだけどねぇ」
イラのゆったりとした言葉。
言葉には殺気など皆無で、優しさのみが内包されている。
そうだというのに、バルドゥルは身体を激しく振るわせる。
ケントたちを圧倒した存在である彼が、イラを前にして恐怖に震えを止められないでいる。
「わ、私を、食べるつもりか?」
「ええ~、私はグルメなのよ~。あなたなんか食べちゃったら~、食当たり起こしそうだも~ん。それにぃ、サノアちゃんに余計な口出しをするなって言われてるし~。おまけに~、あなたには先約があるからねぇ~」
イラはそう言って、視線を近くの茂みに振った。
するとそこから、銀に光る胴体持ち、青と黒の交わる線を見せる背中とその上に背びれをつけた巨大な魚が現れた。
魚からは人間の手足が飛び出しており、右手には先端が三叉に分かれた銛を握り締めている。
「ギウ」
彼はそう言葉を漏らし、バルドゥルの姿を光の宿らぬ黒い真ん丸な瞳に映す。
瞳に映し出されたバルドゥルはギウのことを知らぬようで、疑問を纏う言葉を漏らす。
「な、なんだ、この巨大な魚は……ん?」
彼は視線を魚の巨体から銛へ移した。
「それは……マイクロブラックホールを動力源とした緋緋色金製の超振動の刃……まさか、貴様は、は、ゆっ」
バルドゥルは言葉を終える前に、グサリと銛を突き立てられた。
声を失った彼はさらさらとした塵となり、風に舞い、霧散していった。
何もなくなった場所から銛を戻して、ギウはぎゅんっと尖った顔をイラへ向ける。
そして、瞳に光を宿し、口元から声を生むことなく空気を震わせることで言葉を形作る。
「まぁ、何とかなったな」
「ギリギリねぇ~。あなたが相手しては駄目だったの~」
「現状の俺だと勝利できる確率は0.2%以下だからな。ケントたちなら1%。なら、ケントに頼むだろ」
「勝利確率は五倍。たしかにそうねぇ。なんとか99%の敗北を覆したわけねぇ~。でも~、危機的状況であなたが飛び出さないのには驚いたわよ~」
「この子の体だと俺の力のせいぜい2%程度しか使えねぇ。それも長くはもたない。そして、使用すればこの子は死ぬ。もちろん、あの銃でも届かなかったら、一か八かの賭けに出るつもりだったけどな」
「本当に綱渡り……これからどうするの~?」
「あいつらは知恵をつけ始めてるがレスターへの欲求が前に出て獰猛な獣と変わりゃしねぇ。バルドゥル所長のせいで知恵がついた分、スカルペル人じゃ対応が難しくなっちまった。下手すりゃ、この星の生命体を絶滅させちまう」
「あなたじゃ~、とめられないの~?」
「無理だな。あいつらは所長にだけ従うように改良されちまってるから俺では止めようがない。この千年間、それを打ち破るべくなんとかジジイの知恵に追いつこうとしたが、俺の現状じゃ研究もままならねぇ。おまけにそのバルドゥルの糞ジジイのせいで施設の七割が動き始めちまった」
「あなたたちが築き上げた知恵の果実が解き放たれてしまうのね~」
「そういうこった。翻訳機能も修復できちまったし、自動修復装置まで動いてやがる。ま、そこら辺を見越して、ジュベルの奴がメッセージを残したみてぇだが」
「そうなの~? どんなメッセージ~?」
「俺たちのことについて簡単にな。問題はその後だ。施設はヴァンナスの脅威を教える。それでケントたちはヴァンナスが行っていることに気づくだろうよ。その後、どうなるか簡単に見通せちまう」
「そうねぇ~。ネオちゃんは~、ちょっと焦りすぎちゃったからねぇ。ケント様たちは~、そこへ向かうでしょうねぇ」
「そうなる前に俺がやるべきなんだろうが、横から奪うのは……いや、そうするべきなのに。もしかして、呆けた俺は俺の尻拭いをさせようとしてんのか?」
「違うわよ~。あなたはケント様だからこそ託したいんじゃないの~?」
「馬鹿を言えっ。そんなわけっ……ともかく、そこで世界の分岐が現れる。そしてそこが、ケントとこの子の…………」
――各地の異変
ケントたちが世界の危機を回避して間もなく、アルリナで奇妙なことが起こり始めていた。
キサの両親が営む八百屋。
そこに客が訪れる。
「モシモシ」
「はいよ~、おや、ギウかい。何か野菜が欲しいのか?」
「ダイコントニンジントゴボウヲ」
「はいよ、お代は魚で? お金で?」
「サカナデ」
「魚だね。まけて、大きめの一尾でいいよ」
「アリガト」
「どういたしまして~」
野菜を購入したギウは砂浜へと戻っていった。
その背中を見送る後ろから、キサの母が慌てた様子でキサの父に話しかけた。
「ちょ、ちょっと、あんた!」
「あん、どうしたんだ、そんなに慌てて?」
「どうしたもこうしたもあるもんかっ。今、ギウが喋ってなかった?」
「へ? …………あああ~っ、ほんとだ! ギウが喋ってた!」
この日より、アルリナの海岸や港に住むギウたちがスカルペルの言語をしゃべり始めた……いや、彼らだけではない!
――ビュール大陸山中
魔族の一団に襲われ、生き残った男がアグリスの騎士団に対して狂ったようにこう訴えていた。
「あああ~、ありえないありえないっ」
「落ち着きなさい、もう大丈夫だ!」
「あいつらが、魔族が、俺に喋りやがったんだ!」
「何?」
「止められない、ごめんなさい。止められない、ごめんなさいって、何度も何度も謝りながら仲間を喰いやがった! ああ~、俺はおかしくなっちまったのか? あいつらが言葉なんか使えるわけないのに!!」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、リンクとやらは心や肉体に負担を掛けるな……」
何度も息を吐き、吸い続ける。
そこに、親父の声が届いた。
「だ、旦那。大丈夫ですか?」
「なんとかな」
「よくわかりませんが、あいつを殺ったんで?」
「はっきりと弾丸を撃ち込んだ感触はあった。これで仕留めたと願いたい。さすがに次は無理だからな、はは」
軽い笑いと共に親父へ顔を向ける。
その顔を見た親父が声を震わせた。
「だ、だんなっ、目から血がっ」
「なに?」
目元に漂う温いモノに指先で触れた。
そしてそれをじっと見る。
指先にはぬらりとした赤が光っている。
「私の銀眼では負荷に耐えられず出血したのか。だが、こうして自分の血と指が見えている。視力は失われていないようだ」
「目は、大丈夫なんですね?」
「みたいだ。いやはや、非常に負担のかかる銃だ。もう、使用するのはごめんだな。もっとも、古代人の弾丸は失われ、使用したくてもできないんだが……最後の一発で、バルドゥルを仕留めることができたと祈ろう」
――マッキンドーの森
マッキンドーの森の片隅、そこに下半身を失い臓腑を引き摺るバルドゥルがいた。
「がぁ、はぁはぁはぁはぁ、私があの銃と弾丸の存在に気づかぬとはっ。認識阻害に加え偶然を装いケントとやらに手渡したのかっ? 必然であれば感じ取ることができたものを! 副所長めがっ」
彼は怒りを露わとし、砂と土にまみれた臓腑へ榛色の瞳を寄せる。
「クッ! 油断したとはいえ……おのれっ、未開人どもめ! 私の最高傑作であるこの肉体を壊しおってっ。見ておれ! 傷が癒え次第、血祭りに上げて、あの男の銀眼を刳り貫いてやるわ!」
「ざんね~ん。それはもう、できないわよ~」
「だ、誰だ!?」
声に応え、水が地より湧き出て螺旋を描き、流動生命体のイラが姿を現した。
彼女は森に漂う蛍のような光子の明かりを受けて、眩い水のドレスに包まれている。
「うふふ~、ひさしぶりねぇ~。バルドゥルちゃ~ん」
「き、貴様はスース! 何故、ここにっ!?」
「それは愚問ねぇ~。あなたたちがぁ、私を閉じ込めて~、一緒にここへ連れてきたんじゃな~い」
「クッ、騒動に紛れて施設から逃げ出していたわけか! だが、なぜ、この星を食べていない! それだけの時間はあったであろう!」
「う~ん、別に私たちは~、何でも食べるわけじゃないわよ~。昔は食べちゃってだけど~。クスッ」
イラはとても柔らかな笑みを見せるが、バルドゥルはその笑みに恐怖する。
「こ、この星は、お前が食べるに値しないと?」
「逆よ~。食べちゃうにはもったいないくらいに楽しい場所。だからぁ、みんなと一緒にいることを選んだのよ~……あなたと一緒にいるのは~、楽しくなさそうだけどねぇ」
イラのゆったりとした言葉。
言葉には殺気など皆無で、優しさのみが内包されている。
そうだというのに、バルドゥルは身体を激しく振るわせる。
ケントたちを圧倒した存在である彼が、イラを前にして恐怖に震えを止められないでいる。
「わ、私を、食べるつもりか?」
「ええ~、私はグルメなのよ~。あなたなんか食べちゃったら~、食当たり起こしそうだも~ん。それにぃ、サノアちゃんに余計な口出しをするなって言われてるし~。おまけに~、あなたには先約があるからねぇ~」
イラはそう言って、視線を近くの茂みに振った。
するとそこから、銀に光る胴体持ち、青と黒の交わる線を見せる背中とその上に背びれをつけた巨大な魚が現れた。
魚からは人間の手足が飛び出しており、右手には先端が三叉に分かれた銛を握り締めている。
「ギウ」
彼はそう言葉を漏らし、バルドゥルの姿を光の宿らぬ黒い真ん丸な瞳に映す。
瞳に映し出されたバルドゥルはギウのことを知らぬようで、疑問を纏う言葉を漏らす。
「な、なんだ、この巨大な魚は……ん?」
彼は視線を魚の巨体から銛へ移した。
「それは……マイクロブラックホールを動力源とした緋緋色金製の超振動の刃……まさか、貴様は、は、ゆっ」
バルドゥルは言葉を終える前に、グサリと銛を突き立てられた。
声を失った彼はさらさらとした塵となり、風に舞い、霧散していった。
何もなくなった場所から銛を戻して、ギウはぎゅんっと尖った顔をイラへ向ける。
そして、瞳に光を宿し、口元から声を生むことなく空気を震わせることで言葉を形作る。
「まぁ、何とかなったな」
「ギリギリねぇ~。あなたが相手しては駄目だったの~」
「現状の俺だと勝利できる確率は0.2%以下だからな。ケントたちなら1%。なら、ケントに頼むだろ」
「勝利確率は五倍。たしかにそうねぇ。なんとか99%の敗北を覆したわけねぇ~。でも~、危機的状況であなたが飛び出さないのには驚いたわよ~」
「この子の体だと俺の力のせいぜい2%程度しか使えねぇ。それも長くはもたない。そして、使用すればこの子は死ぬ。もちろん、あの銃でも届かなかったら、一か八かの賭けに出るつもりだったけどな」
「本当に綱渡り……これからどうするの~?」
「あいつらは知恵をつけ始めてるがレスターへの欲求が前に出て獰猛な獣と変わりゃしねぇ。バルドゥル所長のせいで知恵がついた分、スカルペル人じゃ対応が難しくなっちまった。下手すりゃ、この星の生命体を絶滅させちまう」
「あなたじゃ~、とめられないの~?」
「無理だな。あいつらは所長にだけ従うように改良されちまってるから俺では止めようがない。この千年間、それを打ち破るべくなんとかジジイの知恵に追いつこうとしたが、俺の現状じゃ研究もままならねぇ。おまけにそのバルドゥルの糞ジジイのせいで施設の七割が動き始めちまった」
「あなたたちが築き上げた知恵の果実が解き放たれてしまうのね~」
「そういうこった。翻訳機能も修復できちまったし、自動修復装置まで動いてやがる。ま、そこら辺を見越して、ジュベルの奴がメッセージを残したみてぇだが」
「そうなの~? どんなメッセージ~?」
「俺たちのことについて簡単にな。問題はその後だ。施設はヴァンナスの脅威を教える。それでケントたちはヴァンナスが行っていることに気づくだろうよ。その後、どうなるか簡単に見通せちまう」
「そうねぇ~。ネオちゃんは~、ちょっと焦りすぎちゃったからねぇ。ケント様たちは~、そこへ向かうでしょうねぇ」
「そうなる前に俺がやるべきなんだろうが、横から奪うのは……いや、そうするべきなのに。もしかして、呆けた俺は俺の尻拭いをさせようとしてんのか?」
「違うわよ~。あなたはケント様だからこそ託したいんじゃないの~?」
「馬鹿を言えっ。そんなわけっ……ともかく、そこで世界の分岐が現れる。そしてそこが、ケントとこの子の…………」
――各地の異変
ケントたちが世界の危機を回避して間もなく、アルリナで奇妙なことが起こり始めていた。
キサの両親が営む八百屋。
そこに客が訪れる。
「モシモシ」
「はいよ~、おや、ギウかい。何か野菜が欲しいのか?」
「ダイコントニンジントゴボウヲ」
「はいよ、お代は魚で? お金で?」
「サカナデ」
「魚だね。まけて、大きめの一尾でいいよ」
「アリガト」
「どういたしまして~」
野菜を購入したギウは砂浜へと戻っていった。
その背中を見送る後ろから、キサの母が慌てた様子でキサの父に話しかけた。
「ちょ、ちょっと、あんた!」
「あん、どうしたんだ、そんなに慌てて?」
「どうしたもこうしたもあるもんかっ。今、ギウが喋ってなかった?」
「へ? …………あああ~っ、ほんとだ! ギウが喋ってた!」
この日より、アルリナの海岸や港に住むギウたちがスカルペルの言語をしゃべり始めた……いや、彼らだけではない!
――ビュール大陸山中
魔族の一団に襲われ、生き残った男がアグリスの騎士団に対して狂ったようにこう訴えていた。
「あああ~、ありえないありえないっ」
「落ち着きなさい、もう大丈夫だ!」
「あいつらが、魔族が、俺に喋りやがったんだ!」
「何?」
「止められない、ごめんなさい。止められない、ごめんなさいって、何度も何度も謝りながら仲間を喰いやがった! ああ~、俺はおかしくなっちまったのか? あいつらが言葉なんか使えるわけないのに!!」
0
あなたにおすすめの小説
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
わけありな教え子達が巣立ったので、一人で冒険者やってみた
名無しの夜
ファンタジー
教え子達から突然別れを切り出されたグロウは一人で冒険者として活動してみることに。移動の最中、賊に襲われている令嬢を助けてみれば、令嬢は別れたばかりの教え子にそっくりだった。一方、グロウと別れた教え子三人はとある事情から母国に帰ることに。しかし故郷では恐るべき悪魔が三人を待ち構えていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる