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第十四章 ボディボディボディ……体と心
後戻りのできない一歩
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\ 目を開けると、サシオンの姿が瞳に映る。
彼は表情を曇らせつつ、声の音を落として尋ねてくる。
「本当に具合は良いのか?」
「大丈夫。俺は考え事をするとき、目を閉じる癖があるんで」
「そうであるならばよいが……うむ」
サシオンは表情をいつもの重厚なものへと戻し、話題を呼び出した理由へと移した。
「では、仕事の話をしてもよいか?」
「うん」
「実は、ぜひともヤツハ殿に頼みたい案件がある」
「ぜひとも……嫌な言葉だなぁ。それって、面倒くさい話でしょ?」
「そうでもない」
「絶対うそだ」
「本当だ。ジョウハクとキシトルの国境沿いにあるエヌエン関所に物資を届けてもらいたい」
「ホントに、それだけ?」
俺は眉毛をこれでもかと折り曲げて、訝しげ全開でサシオンを睨む。
彼は嘆息を挟み、気落ちした感じで声を出した。
「ふむ。それほどまでに、信用ないか」
「今までどんだけ面倒な仕事押しつけてきたと思ってんだよ。あると思ってんの?」
「それは残念だ」
全くもって残念感ゼロの声を出して、依頼に関係する資料を取り出してきた。
「実は身の程を弁えぬ、不浄の輩がジョウハクを狙っている」
「ほら、やっぱり厄介事じゃんっ」
「話は最後まで聞いてほしい、ヤツハ殿」
語気を強めて、諭してきた。
サシオンの表情は固く、とても冗談を続けてよさそうな雰囲気じゃない。
「わかった。真面目に聞くよ」
サシオンは現在の世界情勢を語っていく。
マヨマヨの襲撃により、権威が失墜したジョウハク国にちょっかいを掛けようとする国が、二国現れた。
一つは北方に位置する『ソルガム国』。
もう一つは南方に位置する『キシトル帝国』。
現在、ジョウハク国は王都復興に力を注いでいる。
そのため、各所の防衛が弱体化、力の空白を避けられない。
それを狙って、この二国は動いているそうだ。
特に、北方の『ソルガム』は血気盛んで、兵を集い、物資を固め、ジョウハクへの侵攻の意志を露わとしている。
だが、元々北方は常に『ソルガム』の侵略の脅威に晒されているため、物資は豊富。
さらには六龍の二人が守りを固めており、その守りは強固らしい。
西方、東方は共に同盟国や属国のため、大きな懸念はない。
問題は南方。
南方の『キシトル帝国』は目に見えてわかる野心をみせてはいないが、油断ならない国家と。
そして、彼の国にはあの黒騎士がいる。
俺は黒騎士について尋ねる。
「その黒騎士ってのは『強い奴を求めて』って感じで、よほどじゃないと戦場に出てこないんだろ?」
「ああ、六龍に匹敵する者が出て来なければ、動かぬだろうな」
「だから、南に六龍将軍を配置できない。だけど、六龍がいない南は手薄で不安、か」
「その通りだ。加え、南の関所は難所と言えど、現在復興に注力しているため物資が不足している。そこに、キシトル帝国が目を光らせている」
「だから、南のエヌエン関所だっけ? そこに物資を届けろと」
「その通りだ」
「因みに聞くけど、北方の『ソルガム国』や南方の『キシトル帝国』と戦争になる確率は?」
「北は80%以上。南は5%以下だな」
「北、たっかいなぁ」
「北は僅かでも機会があれば、ジョウハク国を脅かしているからな。大規模な戦闘になるかはともかく、必ず小競り合い程度は起こる。神経を尖らせるとすれば、それをどう終息させるかだ」
「それで、南はどんな感じなの?」
「堅実な国家だ。勝つと確信を持った時、彼らは動く」
「つまり、今は動かないと?」
「そのはずなのだが、奇妙な動きを見せている。今のところ、大規模な戦争への準備ではないが……しかし、彼らは二百年前の怨みを決して忘れていないからな」
「二百年前? ああ、ミズノって人が城砦落として、南方の豊かな土地を手に入れたって話か。だとしたらキシトル帝国は今ごろ、英雄祭がつぶれてザマーって思ってるんだろうね」
「さてな。彼らからの見舞いの使節は来たが」
「礼儀は通すってことか……とにかく、色々確執もあり、万が一のために南の防備を固めたいわけね」
「そういうことだ。頼まれてくれるか?」
「頼まれるも何も、断らせるつもりないくせに。まぁ、いいさ。プラリネ女王の権威を守らないと、異世界人としての俺の立場も危ういしね」
俺はぶっきらぼうに言葉を吐き出す。
それに対してサシオンは表情を引き締め、声に重き感情を籠める。
「戦禍が近づいているのは確かだ。ヤツハ殿、どうする?」
「え、どうするって?」
「今ならば、逃げ出すこともできる」
「それ、今言う? それにそんな風な口出しは、女神コトアを不機嫌にさせるんじゃ?」
「これは私個人の言葉と受け取ってほしい」
サシオンは静かに俺を見つめる。瞳は珍しく、優しさの光を宿している。
これは彼が俺に見せる、最初で最後の不器用な優しさなのかもしれない。
彼は言葉を重ねる。
「もっと、早く言葉にするべきことであった。だが、私個人の感情が邪魔をした」
「え?」
「いや、何でもない。ふふ、まったく見苦しい。君を利用しようとした奸物が、後ろを振り返るとは」
「……っ」
「身勝手なことかもしれぬが、退くという選択肢が最良と考える。君が君であり続けるために……」
「俺が俺として……」
たぶん、これは唯一にして無二の逃げ場。
ここから先の道は、己が選択し、覚悟をもって進まなければならない。
(戦争……か)
日本にいた頃は、戦争のことなんて身近に考えたことがなかった。
テレビやネットのニュースではミサイルの発射実験や核実験なんかの話が出てきていたけど、それを現実の恐怖として感じたことはない。
だけど、今は……。
(なんだろうね。つい最近まで、みんなとドタバタやって遊んでいたのに、気がつけば王宮などの権力闘争。戦争が起きるかもしれないって。あの日常はどこに行ったんだろう?)
のんびりと時が流れる日常のコマは、悲劇の日常が足音を踏み鳴らしてすり替わらんとしている。
俺はじっと、自身の両手を広げ見つめる。
まだ、現実感はない。
だけど、ここで逃げないと、俺の手は真っ赤に染まる続ける。
(たしかにさ、いきなり刺してきた奴の目ん玉抉ったり、盗賊の顎先を蹴飛ばして殺しちゃったりしてるよ。それはひどいことさ。でも、頭にきて我を忘れて、自分を守るためにとっさにっていう理由があった。でも、今からやることは)
――明確な意思を持って、人を殺すということ……。
自分を守るために。大切な誰かを守るために。
だけど、それはもう、とっさにじゃない。
俺の意思を両手に宿し殺す!
日本で大した不自由もなく暮らしてきた俺が、人を殺す殺さないの選択をしている。
馬鹿げている。
逃げ出せるものなら逃げ出したい。
でも、それは……大切なものを失うこと。
(……それは…………いやだなぁ)
俺は、ゆっくりと両手を閉じて、ぐっと力を籠める。
「サシオン。依頼を受けるよ」
「よいのか?」
「うん……はは、現実は厳しよねぇ~、サシオン。失わないために誰かを傷つけなきゃならないなんて」
「そうだな。だが、私は修羅道を歩もうとも、守るべき価値があるものであれば、その道を歩むことは厭わぬ」
「それはあんたがタフだからそういうこと言えんのっ。ったく、十五のガキに迫るなよ、そんな選択。大人として情けなくない?」
「面目ない。だが、限界まで回避を試みる所存だ」
「その期待はどのくらい残ってるの?」
サシオンは緩やかに口角を上げた。
俺は、これほど悲しい笑顔を見たことがない。
「そっか。ま、可能性がゼロよりマシか。よっしゃ、全力で回避できるよう全開で頑張るかっ! まずは南のエヌエン関所の守りを固めて、南のスケベ心を折ることだなっ」
「ああ、そのとおりだ」
「メンツは?」
「フォレ、アマン、パティスリー、アプフェル」
「ゲストは無し。いつもの仲間たちか」
俺はみんなの姿を描き、頬を緩ませる。
そして、ゆっくり両手で顔を覆い、頬を延ばして、表情から色を消した。
「出発はいつ?」
「三日後。早朝」
「了解」
短い、返事。
それは修羅道を歩むための覚悟。
そうであるのに、サシオンは俺の覚悟をぶち壊すとんでもない言葉を返して台無しにする。
「頼んだぞ、ヘッド」
「ん? ちょ、ちょっと待て。いま、なんてっ?」
「フォレたちから聞き及んでいる。夜霧のヤツハ団のヘッドなのだろう?」
「あ、あの、おまえさぁ、俺、いまめっちゃ気合い入れたのに~。いま、そういうこという~」
「ふふ、今のヤツハ殿の方が君らしい」
「え? ふん、気負い過ぎるなってことか。わかったよ。いつも通り気楽なお使いで頑張りますよっと」
俺は床を蹴っ飛ばして、執務室から出ていく。
サシオンの気遣いが染み入る。
染み入ったのは感謝じゃない。
笑える時に笑え。
これから起きる、厳しい現実にくじけないために。
その諭しが染み入り、心の色が変わっていくのをはっきりと感じた。
――――執務室
サシオンは誰からも覗き見られぬように心を深く閉ざし、思う。
(ヤツハ殿がアクタに訪れたのは偶然ではない。いや、偶然を利用としたとみるべきか? 全次元の目を誤魔化すために……。虚無の女神コトアよ。あなたは創造と破壊の神々に挑もうというのか……)
彼は表情を曇らせつつ、声の音を落として尋ねてくる。
「本当に具合は良いのか?」
「大丈夫。俺は考え事をするとき、目を閉じる癖があるんで」
「そうであるならばよいが……うむ」
サシオンは表情をいつもの重厚なものへと戻し、話題を呼び出した理由へと移した。
「では、仕事の話をしてもよいか?」
「うん」
「実は、ぜひともヤツハ殿に頼みたい案件がある」
「ぜひとも……嫌な言葉だなぁ。それって、面倒くさい話でしょ?」
「そうでもない」
「絶対うそだ」
「本当だ。ジョウハクとキシトルの国境沿いにあるエヌエン関所に物資を届けてもらいたい」
「ホントに、それだけ?」
俺は眉毛をこれでもかと折り曲げて、訝しげ全開でサシオンを睨む。
彼は嘆息を挟み、気落ちした感じで声を出した。
「ふむ。それほどまでに、信用ないか」
「今までどんだけ面倒な仕事押しつけてきたと思ってんだよ。あると思ってんの?」
「それは残念だ」
全くもって残念感ゼロの声を出して、依頼に関係する資料を取り出してきた。
「実は身の程を弁えぬ、不浄の輩がジョウハクを狙っている」
「ほら、やっぱり厄介事じゃんっ」
「話は最後まで聞いてほしい、ヤツハ殿」
語気を強めて、諭してきた。
サシオンの表情は固く、とても冗談を続けてよさそうな雰囲気じゃない。
「わかった。真面目に聞くよ」
サシオンは現在の世界情勢を語っていく。
マヨマヨの襲撃により、権威が失墜したジョウハク国にちょっかいを掛けようとする国が、二国現れた。
一つは北方に位置する『ソルガム国』。
もう一つは南方に位置する『キシトル帝国』。
現在、ジョウハク国は王都復興に力を注いでいる。
そのため、各所の防衛が弱体化、力の空白を避けられない。
それを狙って、この二国は動いているそうだ。
特に、北方の『ソルガム』は血気盛んで、兵を集い、物資を固め、ジョウハクへの侵攻の意志を露わとしている。
だが、元々北方は常に『ソルガム』の侵略の脅威に晒されているため、物資は豊富。
さらには六龍の二人が守りを固めており、その守りは強固らしい。
西方、東方は共に同盟国や属国のため、大きな懸念はない。
問題は南方。
南方の『キシトル帝国』は目に見えてわかる野心をみせてはいないが、油断ならない国家と。
そして、彼の国にはあの黒騎士がいる。
俺は黒騎士について尋ねる。
「その黒騎士ってのは『強い奴を求めて』って感じで、よほどじゃないと戦場に出てこないんだろ?」
「ああ、六龍に匹敵する者が出て来なければ、動かぬだろうな」
「だから、南に六龍将軍を配置できない。だけど、六龍がいない南は手薄で不安、か」
「その通りだ。加え、南の関所は難所と言えど、現在復興に注力しているため物資が不足している。そこに、キシトル帝国が目を光らせている」
「だから、南のエヌエン関所だっけ? そこに物資を届けろと」
「その通りだ」
「因みに聞くけど、北方の『ソルガム国』や南方の『キシトル帝国』と戦争になる確率は?」
「北は80%以上。南は5%以下だな」
「北、たっかいなぁ」
「北は僅かでも機会があれば、ジョウハク国を脅かしているからな。大規模な戦闘になるかはともかく、必ず小競り合い程度は起こる。神経を尖らせるとすれば、それをどう終息させるかだ」
「それで、南はどんな感じなの?」
「堅実な国家だ。勝つと確信を持った時、彼らは動く」
「つまり、今は動かないと?」
「そのはずなのだが、奇妙な動きを見せている。今のところ、大規模な戦争への準備ではないが……しかし、彼らは二百年前の怨みを決して忘れていないからな」
「二百年前? ああ、ミズノって人が城砦落として、南方の豊かな土地を手に入れたって話か。だとしたらキシトル帝国は今ごろ、英雄祭がつぶれてザマーって思ってるんだろうね」
「さてな。彼らからの見舞いの使節は来たが」
「礼儀は通すってことか……とにかく、色々確執もあり、万が一のために南の防備を固めたいわけね」
「そういうことだ。頼まれてくれるか?」
「頼まれるも何も、断らせるつもりないくせに。まぁ、いいさ。プラリネ女王の権威を守らないと、異世界人としての俺の立場も危ういしね」
俺はぶっきらぼうに言葉を吐き出す。
それに対してサシオンは表情を引き締め、声に重き感情を籠める。
「戦禍が近づいているのは確かだ。ヤツハ殿、どうする?」
「え、どうするって?」
「今ならば、逃げ出すこともできる」
「それ、今言う? それにそんな風な口出しは、女神コトアを不機嫌にさせるんじゃ?」
「これは私個人の言葉と受け取ってほしい」
サシオンは静かに俺を見つめる。瞳は珍しく、優しさの光を宿している。
これは彼が俺に見せる、最初で最後の不器用な優しさなのかもしれない。
彼は言葉を重ねる。
「もっと、早く言葉にするべきことであった。だが、私個人の感情が邪魔をした」
「え?」
「いや、何でもない。ふふ、まったく見苦しい。君を利用しようとした奸物が、後ろを振り返るとは」
「……っ」
「身勝手なことかもしれぬが、退くという選択肢が最良と考える。君が君であり続けるために……」
「俺が俺として……」
たぶん、これは唯一にして無二の逃げ場。
ここから先の道は、己が選択し、覚悟をもって進まなければならない。
(戦争……か)
日本にいた頃は、戦争のことなんて身近に考えたことがなかった。
テレビやネットのニュースではミサイルの発射実験や核実験なんかの話が出てきていたけど、それを現実の恐怖として感じたことはない。
だけど、今は……。
(なんだろうね。つい最近まで、みんなとドタバタやって遊んでいたのに、気がつけば王宮などの権力闘争。戦争が起きるかもしれないって。あの日常はどこに行ったんだろう?)
のんびりと時が流れる日常のコマは、悲劇の日常が足音を踏み鳴らしてすり替わらんとしている。
俺はじっと、自身の両手を広げ見つめる。
まだ、現実感はない。
だけど、ここで逃げないと、俺の手は真っ赤に染まる続ける。
(たしかにさ、いきなり刺してきた奴の目ん玉抉ったり、盗賊の顎先を蹴飛ばして殺しちゃったりしてるよ。それはひどいことさ。でも、頭にきて我を忘れて、自分を守るためにとっさにっていう理由があった。でも、今からやることは)
――明確な意思を持って、人を殺すということ……。
自分を守るために。大切な誰かを守るために。
だけど、それはもう、とっさにじゃない。
俺の意思を両手に宿し殺す!
日本で大した不自由もなく暮らしてきた俺が、人を殺す殺さないの選択をしている。
馬鹿げている。
逃げ出せるものなら逃げ出したい。
でも、それは……大切なものを失うこと。
(……それは…………いやだなぁ)
俺は、ゆっくりと両手を閉じて、ぐっと力を籠める。
「サシオン。依頼を受けるよ」
「よいのか?」
「うん……はは、現実は厳しよねぇ~、サシオン。失わないために誰かを傷つけなきゃならないなんて」
「そうだな。だが、私は修羅道を歩もうとも、守るべき価値があるものであれば、その道を歩むことは厭わぬ」
「それはあんたがタフだからそういうこと言えんのっ。ったく、十五のガキに迫るなよ、そんな選択。大人として情けなくない?」
「面目ない。だが、限界まで回避を試みる所存だ」
「その期待はどのくらい残ってるの?」
サシオンは緩やかに口角を上げた。
俺は、これほど悲しい笑顔を見たことがない。
「そっか。ま、可能性がゼロよりマシか。よっしゃ、全力で回避できるよう全開で頑張るかっ! まずは南のエヌエン関所の守りを固めて、南のスケベ心を折ることだなっ」
「ああ、そのとおりだ」
「メンツは?」
「フォレ、アマン、パティスリー、アプフェル」
「ゲストは無し。いつもの仲間たちか」
俺はみんなの姿を描き、頬を緩ませる。
そして、ゆっくり両手で顔を覆い、頬を延ばして、表情から色を消した。
「出発はいつ?」
「三日後。早朝」
「了解」
短い、返事。
それは修羅道を歩むための覚悟。
そうであるのに、サシオンは俺の覚悟をぶち壊すとんでもない言葉を返して台無しにする。
「頼んだぞ、ヘッド」
「ん? ちょ、ちょっと待て。いま、なんてっ?」
「フォレたちから聞き及んでいる。夜霧のヤツハ団のヘッドなのだろう?」
「あ、あの、おまえさぁ、俺、いまめっちゃ気合い入れたのに~。いま、そういうこという~」
「ふふ、今のヤツハ殿の方が君らしい」
「え? ふん、気負い過ぎるなってことか。わかったよ。いつも通り気楽なお使いで頑張りますよっと」
俺は床を蹴っ飛ばして、執務室から出ていく。
サシオンの気遣いが染み入る。
染み入ったのは感謝じゃない。
笑える時に笑え。
これから起きる、厳しい現実にくじけないために。
その諭しが染み入り、心の色が変わっていくのをはっきりと感じた。
――――執務室
サシオンは誰からも覗き見られぬように心を深く閉ざし、思う。
(ヤツハ殿がアクタに訪れたのは偶然ではない。いや、偶然を利用としたとみるべきか? 全次元の目を誤魔化すために……。虚無の女神コトアよ。あなたは創造と破壊の神々に挑もうというのか……)
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