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第四章
提示された選択肢ともう一つの大陸
しおりを挟むアリシアをガダル・ガジャの王宮から連れ去り、スーリーに乗って、ベルハルト王国との国境に向かいながら、ヴォルフは腕の中に納めたアリシアを強く抱き込んだ。
「全く……呼ぶのが遅いぞ。久しぶりだな?」
「……うん。会いたかった。近くに来てくれていたのは知ってたけど」
アリシアもヴォルフの背に手を回して、その胸に頬を寄せる。懐かしいヴォルフの匂いがして、ガラにもなく目の奥が熱くなった。
ずっとこの腕が恋しかった。
「ああ。3日前にこの街に来たからな。昨日の晩リーリアから連絡を貰って、今日はスーリーを呼んでここの近くの砂漠に来ていた」
「うん。ちゃんとヴォルフの事は感じてたよ」
アリシアは昨晩のうちにリーリアに頼んで、ヴォルフに「明日の昼、王宮を出て行くつもりだ」と伝言していた。
今、ガダル・ガジャには双子が潜伏していて、アリシアと連絡を取りながら、街の様子を探っている。ヴォルフが数日前に入国していることも、双子には伝えてあったのだ。
「無事だったか?」
「もちろん、この通り。ただ、魔法が自由に使えなかったからね。不便だった。鍛錬も充分出来なくてストレスが溜まったよ」
「ああ。頑張ったな。サルマンドのハレムにいたんだろ? すごい寵愛を受けてる女が、間もなく結婚だと街で噂になってるぞ」
「ハレムの警備に応募したら、なぜかハレムそのものに入れられて、毎日サルマンドが訪ねてきたんだよ」
「お前、まさか」
毎日訪ねてきた……のくだりで、ヴォルフが目を眇めてアリシアを見た。声も物騒なほど低くなる。
アリシアは慌てて首を横に振った。
「夫がいると言ったら、監禁状態になっただけ。
セフィロスと夫婦設定だったんだけど、無理やり離婚を迫られて、手切れ金も払われたらしいよ。婚姻まで手を出さない代わりに、一人では外にも出さないと言われてた。
結婚は無理だって、何度も断ったんだけどね。ちょうどいいからいろいろ調べてはみたけど、正直もう限界で」
「……サルマンドにどこまで許した?」
ヴォルフはどうやら納得していないらしい。アリシアの顎を捕らえてグイッと顔を上げさせると、その瞳を探るようにじっと覗き込む。
「だから婚姻までは、って……ちょっと、ヴォルフ」
口吻だけ……とは言い出せず、若干視線を泳がせたアリシアの首筋に、ヴォルフが噛み付くように唇を寄せる。
「駄目だ。俺の許容範囲を超えた。だいたい、その格好はなんだ? 他の男達の前で、露出が多すぎる……とりあえず一度お前を抱くから、宿に着いたら覚悟しとけ」
どうやら、今日のアリシアの装いも気に食わないらしい。確かに南部の衣装は、帝国のそれに比べて肌の露出は多い。襟ぐりも深いし、腹部も一部見えている。下半身のスカート部分は身体の線に沿うようなデザインだ。
でも、これはアリシアのせいじゃないし、南部ではごく一般的な格好である。これは少々華美なだけで。
アリシアは、ヴォルフの苛つきを理不尽だと思いながらも、どことなく嬉しい気持ちも湧いてきて、了承の代わりにヴォルフにギュッと抱き着いた。
「お前ら、遅いぞ」
宿に着いて、ヴォルフによる一通りの確認作業が終わると、アリシアは下階の食堂へと連れ出された。
するとそこには、セフィロスが酒盃を傾けながら待ち構えており、不機嫌な第一声が投げつけられる。
「悪い、少々確認事項があってな」
ちっとも悪びれずに答えたヴォルフに、ジトリと恨みがましい視線を向けたセフィロスだが、文句を言うのは諦めて防音結界と認識阻害魔法を掛け、二人に向かって顎をしゃくり向かいに座るように促した。
「……まあいい。とっとと始めるぞ。それぞれ持ってる情報を出し合って、最善を打つ」
「セフィロスとヴォルフが協力してる。なんかあった?」
これまで、ヴォルフとセフィロスのやり取りを、首を傾げて見ていたアリシアが尋ねると、セフィロスは苦虫を噛み潰したような表情で答えた。
「後でその男に聞け。まずはアリシア、お前からだ」
これはあまり踏み込まない方がよさそうだと、アリシアは頷いて、姿勢を正し口を開く。
「ガダル・ガジャは、聖石由来の魔法発動を無効化する魔道具を開発して、テイラーを使って実証試験を行っていた。結果、魔道具は機能して、テイラーは上級魔獣と戦闘中に魔法が発動せず、相討ちになって死亡。
実験成功で、魔道具は量産体制に入った。
ガダル・ガジャは、もともとレーヴェルランドを危険視してたけど、テイラーの一件で報復を警戒して、排斥することにした。今、軍備は整いつつあって、近く戦争を起こす予定。
サルマンドの様子だと、相当自信がある感じだった。リーリア達の調査でも、街ではレーヴェルランドは危険だから、って、進軍に前向きな世論らしい」
淡々と事実を話したアリシアに、隣で聞いていたヴォルフが、呆れたようにため息をついた。
「勝手に他国民を殺しといて、一方的に因縁つけて、進軍ってことか」
「こっちでは、レーヴェルランドに対する正確な情報が伝わってないからな。庶民だけじゃない、権力者の間でも、偏見があるんだろう」
それなりに長く南部を中心に活動していたセフィロスがそう言うと、アリシアは俯いて、ポツリとこぼす。
「それにしたって、代表者同士がまずは話し合う事だって出来たはずなのに……」
「こっちは純然たる男性優位社会だ。女性戦士が幅を利かすのも面白くないんだろう。魔鉱石もまとめて、手に入れたいんだろうな」
ヴォルフが、アリシアの頭を軽くたたきながら宥める。
そして、ストレージから数枚書類を取り出すと、テーブルに置いた。
「次は、俺だな。なにやら南部がきな臭い感じがしてたんでな。一応声をかけてきて、正解だった。アリシア、お前の選択肢の一つに、これも入れておけ」
「え?」
書類を手に取ったアリシアに、ヴォルフが補足する。
「北部地域連合、カルディス帝国、ベルハルト王国は、レーヴェルランドを支持し、全面的に協力するっていう、証書だ」
どの書類も、国主或いは最高責任者の印章が押されている。下手をすれば大陸南北を分ける大戦争になってしまいそうだが、やり方次第では、戦争回避の交渉に使えるだろう。
「これは、使い所を間違えないようにしないと。でも、ヴォルフ……ありがとう」
「いや。俺じゃない。お前がこれまでやってきた成果だ。誇れ」
アリシアがこれまで縁を繋ぎ、大陸の為にと動いてきた結果だ、とヴォルフは言う。
そして、二人の様子を見ていたセフィロスが、口を開く。
「俺からも、一つ選択肢を出せる。だが、その前にまず、俺の生まれた大陸について、話しておこうか」
「セフィロスの?」
「残念ながら、そこの男との賭けに負けてな」
「賭け?」
苦々しく言ったセフィロスに、アリシアは首を傾げたが、ヴォルフが横から口を挟んだ。
「今は、いい。アリシア、お前と一緒に聞く約束にしてある。いいか?」
「うん。セフィロス、聞かせてくれる?」
アリシアに否はない。頷いて、セフィロスを促した。
「俺の生まれた大陸の創造神は、男神でな。
神の命が消えたあと、その意志と力を継ぐものは、男巫の男性のみに認められたんだ。男巫の一族の長であった俺達のご先祖様は、神の力を多くのものが使えるようにと、男巫達に多くの女性と子を成すことを命じた。
お前達の聖石の代わりになる祝福の証は、俺達の場合瞳に出るんだが、片側が本来の自身の色で、もう片方が魔力属性の色を示す瞳になる。
そして、王の瞳は、片眼が紫、反対側が金色のオッド・アイだ。俺達の王もやはり血筋は関係なく、前代が死ぬと次代が生まれる仕組みだった。
だがな、お前達と違う事は、俺達には特に制約がなかったことだ。レーヴェルランドのように限定された聖地もない。
そして、子を成すための性差もあるせいで、徐々に血は薄まっていった。
一夫多妻文化が当たり前になって、長い間、子を増やし続けた結果、男巫一族の血は薄まり、力も弱まり、神の意志も感じることが出来なくなった。
ただ、王だけが、独り孤独に、王であり続ける。王が子を成しても、神の意志と力が広く分散されてしまった現在では、そう力の強い子が生まれるわけでもない」
アリシアが初めて知る話だった。
「神の意志と力って、王や女王を別にしたら、その他はまとめて一定量だったってこと?」
そんなこと考えたこともなかった概念だった。
アリシアの疑問に、セフィロスは肯定を返す。
「そういうことなんだろうな。
この大陸では、レーヴェルランドの民のように少数民族だったからこそ、神の力も継がれてきたんだろう。
俺の大陸ではもう、オッド・アイもハッキリとはわからない位にまで分かたれて、力も通常の魔法師とそう変わらなくなってきた。そのうち淘汰されて、男巫の歴史だけが残るんだろう。向こうの大陸は、神の手を離れたんだ」
セフィロスの表情はどこか寂しそうに見えた。
「だから、セフィロスはこの大陸に来たの?」
「ああ。俺はまだ神の意志を継いでるからな。こっちに興味があったのさ」
「そう……」
アリシアは考え込むように目を伏せた。
この世界にある二つの大陸は、根源は同じ筈だったのに、随分と在り方が変わってしまったらしい。
セフィロスは、もう向こうには帰らないんだろうか?
でも王の力は、セフィロスが命を落とせば、次代に引き継がれる。それは、この大陸にいても同様なんだろうか?
トン……と軽くテーブルを叩く音がして、アリシアはハッと顔を上げた。
セフィロスが、じっとこちらを見つめていた。
「……で、俺の提案は、レーヴェルランドの民達の別大陸への移住だ。大陸の北部・中部地域と南部地域の間で、大陸を二分するような大戦争を回避するためにな。
レーヴェルランドいや、大陸を出て向こうで女達が結婚することになれば、巫女達は聖石を失い、只人になるだろ? そのうち淘汰されて、向こうの大陸でも普通に生きていける」
「でも、大陸間は簡単には越えられないよね?」
互いの大陸間に行き来はない。
二つの大陸を隔てる海には、強力な魔獣が多く、海や天候も荒れており、船が航行するには現実的ではないからだ。
「俺とお前がいれば問題ない」
だが、セフィロスは、そう一言で片付けた。
「でも、女王は生まれ続けるんじゃ」
セフィロスがたった一人の王として存在しているように。
「王はわからないが、俺達と違って女王は聖石を持つ女からしか産まれないんだろ? レーヴェルランド以外で結婚したり、子を産めば、聖石を失うんじゃなかったのか? 聖石を持つ誰かがレーヴェルランドに残らない限り、次代の女王は産まれない」
つまりそれは、女神の痕跡を全て失うということだ。
「ちょっと待ってくれ。アリシア、レーヴェルランドの民にとっての結婚って、どういうことなんだ? 別大陸に移住すれば、レーヴェルランドの民は只人になるってことなのか?」
レーヴェルランドの民の結婚や出産について、ヴォルフはほとんど知らされていない。
いい加減話についていけず、思わず二人の会話に割って入った。
アリシアはヴォルフに視線を向けると、彼が理解できるように言葉を選びながら説明する。
「結婚は、魂の契約。それぞれ相手と生涯添い遂げるという誓いを立てて、魔法契約を二人で結ぶということ。
契約を結ぶと、お互い他の異性と性的関係を持つことが出来なくなる、結構重いというか厳しい魔法契約だよ。
レーヴェルランドで行えば、男はエデンに住むことになる。
逆に、レーヴェルランド以外でこれに似たような婚姻契約を行うか、他国の家に嫁いでその姓名を乗ることになれば、聖石は失われる。ベルハルトの王妃のようにね。
もう一つ、子を授かった場合、レーヴェルランド以外の地で出産しても、母体の聖石は失われ、産まれた女児も聖石は持たない」
「まさしく、レーヴェルランドは、聖地ってことか」
「そう。特別な土地なんだ。ヴォルフと私のように外にいても、ただの恋人関係にある分には、制約は受けないけどね」
「つまり、移住すれば、お前と結婚の魔法契約は結べなくなるってことか」
ヴォルフは、アリシアをただの恋人にしておくのではなく、いずれは、ちゃんと妻にしたいとは思ってはいる。ただ、移住した場合、聖石を失うというのはアリシアにとってどういうことなのか?
「契約自体は結べるよ。でも私は聖石を失い、女王としての記憶と、身体強化以外の魔法を全て失うことになる」
「記憶を……か」
「多分、私に残るのは、ヴォルフへの想いだけ、かな」
アリシアに浮かんだのは、曖昧な微笑みだった。自嘲や寂寥の滲むその顔に、ヴォルフは安心させるように笑って見せる。
ヴォルフにとって、アリシアがアリシアであれば、それでいい。
「俺にとっては、それだけあれば充分なんだがな。
俺は、お前が何をどう選んでも、お前の一番近くで、一生お前を守ってやるぞ? だから、お前の選択に自信を持て」
ヴォルフの台詞に、セフィロスも笑う。
「随分と熱烈な男だな。ただアリシア、一つ忠告しておく。お前は神の操り人形じゃない。女王ではあるが、その前に一人の人間だ。
その聖石は確かに大きな力を持っているが、振り回されるなよ? あと過信はするな。その上で、お前自身とレーヴェルランド、そしてこの大陸の進む先を考えろ。
ま、そこにいる男が、半分持ってくれるんだろ? 選択肢は無数だが、何を選んでも、お前が背負うのは半分だ」
「すごいね。強烈な励ましをもらった気分。二人共、ありがとう。大丈夫。でも、そう時間はかけられない。3日後、国境付近でサルマンド達と会おう。手紙を書くから、セフィロス、明日届けてもらっても?」
アリシアが前を向く。
菫色の瞳と、額に現れた聖石が輝き出す。
アリシアの依頼にセフィロスは頷いた。
「いいだろう。サルマンドからは、手切れ金を山程出してもらったからな。悪いがお前の飛竜を借りてもいいか?」
それ返金しなくてもいいのかな?と思いながらも、アリシアはあえて聞き流した。
「もちろん。スーリーに言っておく」
そして3日後に、レーヴェルランドとガダル・ガジャの間で、会談が持たれることになった。
レーヴェルランドからはアリシアとヴォルフとセシル。
ガダル・ガジャからは、サルマンドと3人の側近達。
立会人としてベルハルト王国の王太子アルベルトとカルディス帝国の宰相となったクラウス。
そして、今回使者となったセフィロスも控えることになった。
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