僕が君を守る、そんな物語が紡がれる

ノア オリバー

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入学、自己紹介

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僕は1年A組だった。そこには、施設からの友達が二人いた。僕は安心した、
「あいつらがいないと、調子でないし、不安だからな。」
本当に良かった。


入学式が終わり、教室に戻ってきた。しばらくは、クラス全体は騒がしかった。チャイムがなるとみんな席に座る。取り敢えず出席番号順だが、多分席替えするだろう。頼む。あいつらと近くになってくれ。人見知りという訳ではないが、やはり最初は友達が近くにいた方がいい。そんなことを考えていると、
「はーい、ホームルーム始めます。今日は自己紹介をしましょう。」
そう言って、担任の女の先生は自己紹介を始めた。
33歳でゲームも外で遊ぶのも好きだそうだ。
知らんがな。小学生みたいな自己紹介だな。
そう思っていると。
「…とこんなもんかな。じゃあ次は、君たちの番だ、出席番号初めの人から行こうか。1番は…天良!(あまら)」
そう言うと、出席番号1番の奴がイヤイヤ教壇にたった。そんな顔するのも分かるよ。最初だもんね。
俺も中学では1番でほんと嫌だったなー。そいつの自己紹介が終わり、拍手が起こった。まぁ自己紹介はだいたい拍手はお決まりだよな。
「次!出席番号2番、石神!(いしがみ)」
「げ!」
俺だ。クソゥ、友達は中間位だ。中間とか羨ましいよほんとに。僕は、俯きながら教壇の方に歩いていき、僕は教壇に立って、
「…石神 鬼邪(いしがみ おにや)です。鬼に邪悪の邪でおにやです。僕は家族に忌み嫌われ、施設で育ちました。」
そうして僕は初めて顔を上げた。教室中にどよめきが起きた。教師も目を大きく見開いている。なぜなら、僕の目は…オッドアイだからだ。
「僕はこの目のせいで、親から悪魔だ、忌み子だ。そう言われて殴られました。こんな異形な僕でも皆さんは仲良くしてくれますか?」
教室中はシーンと静かになり、やがて
「「なる!!!」」
クラス全体がハモった。僕は瞬間、ニコッと笑って
「ありがとう」
そう言った。さて、高校生活、楽しみになってきたなー。







私は1年B組だった。 
皆から化け物でも見るような目で見られた。それから、
「気持ち悪いよな。」
「オッドアイだぜ。」
「悪魔の子ね。」
教室中からはそんな声が聞こえた。






チャイムがなり、皆座った。担任が入ってきて自己紹介が始まった。そうして私の番になった。
「…神咲 ミリアです。産まれつき片目が赤いです。
異形な私ですが、よろしくお願いします。」
担任は、何となく事情を察したのか心配そうに、見てきた。私は笑顔で返した。クラスからは、
「絶対無理だわ、悪魔の子なんて。」
ヒソヒソと話している声はしっかりと聞こえている。悪魔の子なんかじゃない…。私は席で俯き泣いていた。あぁまた虐められるのか、嫌だな。私は鬱になりそうだった。


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