エニグマの教師録

ノア オリバー

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5人の生徒の情報

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僕はサツキが作ってくれた朝食を食べた後、カバンを持って家を出た。今日から学校生活が始まる。かと言って高校生活を楽しめる余裕はないだろう。学校が終わったら早速担当する家庭教師をする家に向かおう。
「…ってこの住所…!」
僕は予め渡されていた生徒の情報が書かれた紙を見て目を見開いた。なんと担当する3人の住所は一致していたのだ。しかも…
「栄ヶ丘って…。」
栄ヶ丘(えいがおか)。この地域に住む人達は金持ちばかりだ。富豪住宅街とも言われている。しかもほか2人もみんな栄ヶ丘だ。
「まぁ、家庭教師雇うくらいの金があるってことなのかな?」
あまりにも不自然な気もするけど…。まぁ、なんとかなるでしょう。
「とりあえず学校パッパと終わらせますか。」
僕は生徒の情報が書かれた紙を4つ折りにしてポケットに入れた。そして、慣れない通学路を歩くのだった。








学校は比較的に早く終わった。僕は特別進学クラスでもずば抜けていて、毎日学校に来ていれば普通の生徒より早く帰れるらしい。その分自分で頑張れってことなのかもしれない。…いやぁ~。廊下を歩く度にいろんな先生からジロジロ見られたなぁ。前代未聞だったらしい。僕は入試試験250点満点を叩き出した。成績も中学3年間オール5で生徒会長も3年連続で務めた。色々な学校の中、将来と学費免除の面、自由度の高いこの学校を選んだ。
「さて、もう1回生徒達を確認しておきますか。」
僕はポケットに入れていた紙を取り出し1人ずつ見ていった。




「1人目…。緋然 桜(ひぜん さくら)。年齢15歳。我栄学園(がえいがくえん)普通有段(ふつうゆうだん)
住所 栄ヶ丘湖鈴(こりん)地区ジュゼタワーマンション1209。緋然家の長女で、得意科目は英語と国語。中学最後のテストの点数は、国語65 英語60 数学10 理科13 社会39 …。」 
我栄学園とは僕が通う高校だ。我栄学園はそれぞれ勉強の能力で段分けされる。僕は最上位の特進栄段(とくしんえいだん)だが、この生徒は最下位の有段のようだ。…まぁ中学最後のテストで10点台2つは致命的だ。入れるのかよそれで。
「ええと次は…。」




「緋然 日葵(ひぜん ひまわり)。年齢15歳。我栄学園普通有段
住所 栄ヶ丘湖鈴(こりん)地区ジュゼタワーマンション1209。緋然家の次女で得意科目は理科と数学。
中学最後のテストの点数は、国語9  英語28 数学87 理科53 社会23…。」
まさかの1桁がありますよ。こりゃ大変だな。っていうか同じ年齢で次女ってことは双子?
「次…」

 



「緋然 紅葉(ひぜん もみじ)。年齢15歳。我栄学園普通有段
住所 栄ヶ丘湖鈴(こりん)地区ジュゼタワーマンション1209。緋然家の3女で得意科目は社会、副教科全部。
中学最後のテストの点数は、国語15 英語15 数学35 理科55 社会95。」
ここまで見て言いたいことがいくつもある。それは
「三つ子だと!?」
まず1つ目。三つ子。
2つ目、
「点数の差が激しすぎるって!何だよ国語15点で社会95点って!」
そして3つ目は
「三つ子全員得意科目違うの!?5教科3等分しちゃってるよ!」
ふぅ。言いたいこと言えたぜ(´-ω-`)
あと二人もいるよ…。

 




「真紀(まき) トルース  ストレンジ 年齢16歳。我栄学園普通夢段
住所 栄ヶ丘湖鈴(こりん)地区ジュゼタワーマンション1201。5人中唯一の外国人。得意科目は英語。話せる言語は英語、スペイン語、ドイツ語。
中学3年の夏に転校してきた為、日本語は話せない。
中学最後のテストの点数は、国語5 英語100 数学20 
 理科15 社会5(尚、テストは全て日本語表記)」
そりゃ日本語読めないのに日本語表記のテスト解けるわけないよ。っていうかよく0点じゃないな。もしかしたら賢いのかもしれないな。
「最後は…」







「美来 湖麻里(みらい こまり)年齢17歳。我栄学園普通夢段
住所 栄ヶ丘湖鈴(こりん)地区ジュゼタワーマンション1203。5人の中で最年長。高校2年最後のテストの点数は国語70 英語58 数学62 理科28 社会42 」
暗記系が苦手なのかな。でも5人の中で1番教えなくてよさそうな感じだな。





「ふぅ~。」
僕は今マンションを見上げている。この最上階…12階に彼女達がいる。家庭教師の仕事は給料が高い。そして僕の夢へ繋がるかもしれない仕事だ。今の僕にはまさしく天職。僕は自分の頬を叩く。そして、
「行くぞ。」
マンションに足を踏み入れるのだった。
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