僕の周りの人達には秘密がある

ノア オリバー

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第3章 幻世 夢叶の秘密

秘めた思い

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あれから3日が過ぎた。その間、隼歌は毎日お見舞いに来てくれた。少し心配しすぎじゃないか?でも轢かれたから心配してくれるのは当たり前なのかな…。それと、隼歌から聞いたのか愛澄花がお見舞いに来てくれた。すごい勢いで
「大丈夫!?痛くない!?何で轢かれたの?誰がやったの!?消すから、その人消すから。」
と言ってきたので僕は、
「大丈夫、大丈夫だから。不注意、不注意だから。けけ、決してスピード違反している大型トラックが信号無視してぶつかってきたとかじゃな、ないから。」
と返した。流石権力者の子供。本当にできることを言うから怖いんだよな。
「…、スピード違反している大型トラックが信号無視してぶつかってきたのね?」
「違うってーー。」
そんな楽しい会話をしたのだ。その人は逮捕されているだろうが…まぁ僕はお人好しなのだろう。轢かれた身だが…彼がこの世から消されないことを祈ろう。
今日は夢叶が誘ったデートに行く。おいおいちょっと待てって、お前事故って1週間経ってないだろって、思っている人もいるだろう。僕も思う。隼歌は全身骨折って言ってたから、僕は歩くこと、いや立つことすらできるはずがないのである。だが僕は立っている、足で床を蹴っている。詳しい検査をしたところ、何故か骨は全部元通りになっていたそうだ。何故治ってるのか自分でも分からないのに、先生は人外を見るような目で僕に、
「君、本当に人間?何で治ってるの?」
いや、だから
「人間ですよ!治ってるのなんて何で僕が知ってるんですか。きっと神様からのプレゼントですよ!」
「はえー奇跡ってあるんだねー」
と、信じていない目で言われてしまった。まぁ、一応、数日入院しとけということで入院してるんだが…。絶対次こんな病院行かねーと決意した日であった。








「ごめん、待たせたね。」
僕は、何故かあの変な医者に引き止められて待ち合わせの時間に遅れてしまった。一緒に病院から行けばいいのにと思ったのだが、何故か夢叶は、
「形から入るのよ。」
と聞かなかった。まぁ夢なんだからそういうこだわりはあって当然だよね。夢叶は余命があるが、動ける時に未練を無くすということで、外出許可は降りているそうだ。
「待ったけど、大丈夫!今日は楽しみましょ!」
そう言って夢叶は僕の手を握った。一瞬ビクッとして何で手を繋ぐかを聞こうとした。が、理由はすぐに分かり押しとどめることにした。夢だもんね。僕は頑張って平然を装うとしましょう。女の子と手を繋ぐのなんて初めてなんで。

僕らは一日を楽しんだ。映画を見たり、アクセサリーを買ったりもした。映画はホラー物で耐性がないのか、夢叶は目を潤ませていた。ハムスターみたいだったな…。可愛かった、と僕は映画を見終わったあとそんなことを考えるのだった。

アクセサリーは、お揃いのネックレスを買った。僕はウレキサイトという宝石のネックレスを、夢叶はアレキサンドライトという宝石のネックレスを買った。僕も夢叶も何故この宝石を選んだのか、その理由は単純で、自分にあってると思ったからだ。



僕らは一日を満喫した。そして遂に一日が終わる。楽しい一日が。
「今日はありがとう、お陰で夢は叶って、未練はないよ」
と夢叶は笑顔を見せてそう言った。
「…あぁ、僕も楽しかった。…夢叶。本当のことを話してくれないか…?」
彼女の笑顔はどこか痛々しかった。
「本当のこと?私はいつも本当のことを言ってるよ?」
彼女は作り笑いを浮かべ、僕の言った言葉を否定した。そんな彼女に僕は、抱きついてた。
「もう、隠さなくていい。本心を、心の底に秘めた思いを打ち明けてくれ!今日だけはお前の彼氏なんだ。今までの辛いことも隠してきた気持ちも全部僕が聞くから。君を救いたいから…」
僕はだからと一拍を置いて、さらに彼女を強く抱きしめて言った。
「僕に…話してくれよ。そんな痛々しい笑顔を浮かべないでくれよ」
と…。涙を流しながら言うのだった。


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