僕の周りの人達には秘密がある

ノア オリバー

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第6章 谷海合 未咲紀の秘密

不自然

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未咲紀のボディーガードになって数日。何事も無く時は流れた。未咲紀と呼んでいる理由はただ単純にそう読んだ方が呼びやすいからだ。谷海合と呼ぶのは何か嫌だった。最高峰の財閥の名を呼び捨てで呼んでいいのかというのもあり僕は下の名前で呼ぶことにした。








今日は学校の創立記念日だ。そしてしばらくの間は学校はない。何故なら…あの1件があったからだ。あの後僕達は警察に事情を話した。誘拐されたと、銃口を向けられたから反抗したと、そう説明した。正当防衛だ、僕は悪くない。誘拐というのが大きく学校に伝わったようだ。学校は危ないと判断し、2週間の休校を決意した。なお、親からのクレームもあったとのこと。

僕達はカフェにいた。公園で待ち合わせをし、合流した後カフェへ向かった。いくらボディーガードでも、流石に僕は学生だ。それは何がなんでも変わらないのである。だから僕は1日中付きっきりで護衛することは出来ない。だが今日から長期休暇。今日から未咲紀の家で住み込みのボディーガードになることになった。期間は長期休暇が終わるまで。カフェで少し休憩したあと、僕達は谷海合邸に向かうのだった。











「デカすぎるよ…。」
僕は未咲紀の家に着いたとき、思わずそう零した。大きい、あまりにも大きすぎる。あのショッピングモールくらいあるぞ…。財閥ってすごいな…。未咲紀に案内されるがまま、僕は敷地内を歩き、豪邸の中に入った。先ずは荷物を置いてくれとの事だ。僕は案内された部屋に荷物を置き、また未咲紀について行った。







コンコンコンと、ノックを3回した未咲紀は、
「お父様、入ります。」
と言ってその部屋に入った。僕は失礼しますと言い未咲紀に続いた。
「ほう。君が未咲紀のボディーガードかね?」
「は、はい。ボディーガードの雨流射 霊也です。」
「未咲紀は命を狙われている。しっかり護ってやってくれ。」
「はい。」
僕は何か違和感を感じていた。どこか他人行儀だ。自分の娘のことなのにもっと心配するんじゃないか?そう僕は思った。
「では失礼します。」
と霊夏が部屋を出た。僕も続けて出ようとしたが、未咲紀の父親に引き留められた。
「雨流射 霊也。この館に爆弾等危険物が仕掛けられているかもしれない。万が一のことを考えて調査してくれないか?」
と頼まれた。僕はそれに
「了解しました。」
と返すのだった。






あの後一通り館内を案内された僕は主(未咲紀の父親)の依頼通り館内を隅々まで調べた。僕は最後の一室にいた。
「?日記帳か?」
その部屋には古びた日記帳が落ちていた。僕は一通り読み、違和感を感じた。ボディーガード任命証を見た。これは主が、自らの手で書いたものだ。そしてこの日記帳も主が書いたものと思われる。
「おかしい。」
筆跡がまるで違う。どちらも特徴的な字だ。こんなに筆跡が変化するのはあまりにも不自然だ。
「なんなんだ?」
この館には…谷海合家には何が隠されているんだ…。





「ボディーガードは厄介だが…。後は未咲紀だけだ。」
闇の中、薄気味悪く光るデスク。その横には、ニヤリと笑うヒトがいた。





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