僕の周りの人達には秘密がある

第6章 谷海合 未咲紀の秘密

崩壊

｢そういえば未咲紀。お母さんっているのか？1度も会ったことないが。｣
と、僕は気になっていたことを質問する。
｢いるよ。部屋に篭もって仕事してるの。前までは部屋に入っても良かったんだけど…。最近は仕事が忙しくて入っちゃダメなんだ。｣
と未咲紀は寂しそうにそう言った。
｢そうなのか…。｣
そこで会話は止まった。気まずい雰囲気が流れるなか、僕は1度部屋に戻ることにした。




コンコンコンと、僕は部屋をノックした。返事はない。失礼しますと僕は言ってその部屋に入った。未咲紀の母親の部屋だ。ここは見てなかったな…。…。
｢この部屋…何か変だ。｣
机にはロープが、床には赤いシミがあった。赤黒いそれはまるで、血を彷彿とさせた。
｢おいおいまさか…。｣
僕は大人が2人くらい入れる金庫の前に立った。鍵がかかっていて、最新の超精密な金庫であろうそれを、僕は鍵穴を壊してこじ開けた。そこには
｢…はぁ？｣
ナイフの跡があり、首が締められた跡がある女性の遺体があった。死んでからまだあまり日は経っていない…と思う。
｢この館…谷海合財閥はなんなんだ…。何があるんだ。｣
僕は頭をフル回転させた。そして閃いた僕はもう一度館内を隅々まで見回った。そして見つけた。隠された部屋を、僕は見つけた。

図書館に明らかに大きい本があり、それを引っ張ると本棚が開いたのだ。僕は部屋に入った。そこには、
｢…やっぱりか…。｣
そこには白骨化した遺体があった。こちらはだいぶ日が経っている様だ。
｢…なるほど。そういう事か…。谷海合財閥はもう…






崩壊しているのか。｣










僕は未咲紀の父親の部屋に来ていた。
｢…その顔は…分かったようだね？｣
ニヤリとそいつは笑った。
｢あぁ。お前が本当は未咲紀の父親じゃないってことをな。｣
こいつには違和感や不自然さを感じていた。でも何も証拠がなかった。でも、あの死体を見て確心した。こいつが偽物だということに。
｢何が目的なんだよ。｣
僕がそいつに聞くと、そいつは気味の悪い笑い声を上げて言った。
｢谷海合財閥を潰すことだよ。｣
そいつは続けて、
｢谷海合財閥の関係者。血族は全て殺した。いや違うな、ただ1人を除いて…だな。｣
そのひとりは未咲紀だろう。
｢でも、思ってたよりも早かったね。驚いたよ。｣
｢…未咲紀をどうするつもりだ。返答次第…いや、なんて言ってもぐちゃぐちゃにしてやるよ。｣
僕が怒気を帯びた声で言うと、そいつはニヤリと笑って、
｢ボディーガードなのに…傍にいなくて大丈夫なのか？｣
｢…何？…！まさか。｣
｢俺1人だと思うなよ？｣
そいつは声を出して笑い、言った。
｢ほら。早く行かなきゃ死んじゃうよ？ボディーガードさん。｣
｢クッソ！｣
僕はプルプルと震える拳を跡が残るくらい握りしめて、廊下を走った。このままでは、

未咲紀が死ぬ…！