【完結】究極のざまぁのために、俺を捨てた男の息子を育てています!

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第40話 俺の知らないテオドール

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「以前彼に関する報告書を読んだことがある。テオドール・ダンデスは、入学初日にそのオスマン騎士団長の息子から、喧嘩をふっかけられた。まあ、新入りによくある洗礼みたいなものだ」

「やっぱり!!」

 あの凶暴な目つき! やはりなにかやらかしていると思っていた! あんな危険人物を、初等部に放置しておいていいはずがない!!


「だが……、ものの数秒でのされたセルジュ・オスマンは、そのテオドールの強さに感服して、そのまま自身の所属する剣術部に勧誘した、と報告書にはあった」

「のさ、れた……? ものの、数秒、で……」

 劇場での、セルジュとテオドールのやり取りが脳裏に浮かぶ。

 たしかに、あの時、テオドールはセルジュの胸ぐらを掴んでなにか言っていたが……。

「そして、オーバン・ノアイユについてだが、彼もまた、入学してしばらくたったあと、確かにテオドールに個人的に接触している。これは、まあ、なんというか……、テオドールをそういう意味で誘惑した、らしい……」

「誘惑っ!!??」

 あのオーバンの美しい容貌を思い出し、俺はぞっとした。

 なんということだ。テオドールの底なしの魅力は、学園の女の子だけでなく、美少年まで惹きつけてしまっていたとは!!

 しかし、あんなに綺麗な子に言い寄られたら、男女関係なく、ふらっといってしまうこともあるかもしれない。
 俺は悔しさに歯ぎしりした。

 ーー許せない、俺のテオドールをっ!!



「だがこれも、ものの数秒で振られたようだ。そして、その後もオーバンはテオドールにつきまとっているらしいが、テオドールはあまり相手にしていない、と女性教員たちから聞いている」

「……」

 俺の頭は混乱していた。

「ジュール、熱心なのはわかるが、お前の勘違いだ。テオドールは、そんなにやわな男ではない。お前が思うほど、テオドールは子どもではないし、お前の庇護も必要としていない」

「でも……、でも……」

 あんなに可愛くてキラキラしたテオドール。はにかみ屋で、すぐに真っ赤になって、いつも自分のことより俺を優先してくれるテオドール。


 ーーそれが、あんな野蛮な生徒を一瞬でやっつけてしまうくらい、強くなっていたなんてっ!
 しかも、誰もが引っかかってしまいそうな危険な美少年すら寄せ付けないストイックぶり!!


 俺はすっくと立ちあがった。


「エリオット先輩! 俺が、間違っていました。テオドールは知らないうちに立派に成長していたんですねっ! 俺っ、感激しました!!」

「ジュール、シャンタルさんから聞いていはいたが、なかなかの親バカぶりだな……」

 エリオットは呆れたようにいうと、紅茶の入ったカップを手に取った。

「俺の勘違いでお騒がせして申し訳ありませんっ! でも良かったです。学園でのテオドールの様子がわかって! では失礼しますっ!」

 お辞儀をして、そそくさと退出しようとする俺。


 だが……、


「待て、話はまだ終わっていない!」


 俺はエリオットに呼び止められてしまった。


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