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72.サンカル・ダヤル
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審問室内のざわめきが一層大きくなる。
「二人は、恋人じゃなかったのか?」
俺の言葉に、ラムは俺の座った椅子に駆け寄ってきた。
「ごめんね、イーサン。僕たちが諜報部員であることは、この任務が終わるまでは絶対に隠し通さなければいけなかったんだ。
任務の一環で、舞台俳優のアリャンとちょくちょく情報交換をするために会う必要性があったから、上層部から秘密の恋人同士の設定でいけっていわれて! ほら、僕ってこんなにかわいい見た目だから!
でも僕は絶対嫌だったんだよ!! こんな女タラシの脳筋男っ!!」
ラムは憎々しげにアリャンを見やった。
「こっちだって、ごめんだよ。あー、これでようやく俺も、この鬱陶しい魔法使いから解放されるぜ!」
アリャンは俺ににやりと笑いかけた。
「ってことでイーサン、俺もアンタの恋人に立候補してもいいかな!?」
「アリャンっ!!」
「貴様っ!!」
ラムとシヴァが同時に叫んだ。
「ははっ、冗談だよ、冗談っ!
じゃあ、そこの金髪の護衛騎士さん、詳しく話を聞かせてもらおうか?」
アリャンの言葉に、サンカルは一歩後ずさった。
「なんなんだ、貴様たちは!
神聖な審問室にずかずかと勝手に入ってきて、話をかき回して!
法務長、こんなやつらの話に、耳を傾ける必要などありません!」
「えーっと、どこまで話はすすんだのだったかな?」
法務長も、なにがなにやら訳が分からなくなった様子で、手元の資料を見直している。
「ええーい、何をしているのですか、法務長!
とにかく、その忌々しい汚物が白魔導士から贈られたものだっとしても、
このイーサンの家のなかから『月光のアミュレット』が見つかったという事実は覆すことはできません!
早く、この男へ有罪判決を!」
いきり立つサンカルに、俺は目を向けた。
「あの……、俺にも発言を許させてください」
「なんだと? 平民の分際で……っ!」
サンカルが忌々しげに俺を見る。
俺の視線は、金色の髪、琥珀色の瞳、そして黒い護衛騎士の制服にゆっくりと降りていく。
「サンカル様……、あなたは、本物のサンカル・ダヤル様ではありませんよね?
本当のあなたのお名前は、何ですか?」
「二人は、恋人じゃなかったのか?」
俺の言葉に、ラムは俺の座った椅子に駆け寄ってきた。
「ごめんね、イーサン。僕たちが諜報部員であることは、この任務が終わるまでは絶対に隠し通さなければいけなかったんだ。
任務の一環で、舞台俳優のアリャンとちょくちょく情報交換をするために会う必要性があったから、上層部から秘密の恋人同士の設定でいけっていわれて! ほら、僕ってこんなにかわいい見た目だから!
でも僕は絶対嫌だったんだよ!! こんな女タラシの脳筋男っ!!」
ラムは憎々しげにアリャンを見やった。
「こっちだって、ごめんだよ。あー、これでようやく俺も、この鬱陶しい魔法使いから解放されるぜ!」
アリャンは俺ににやりと笑いかけた。
「ってことでイーサン、俺もアンタの恋人に立候補してもいいかな!?」
「アリャンっ!!」
「貴様っ!!」
ラムとシヴァが同時に叫んだ。
「ははっ、冗談だよ、冗談っ!
じゃあ、そこの金髪の護衛騎士さん、詳しく話を聞かせてもらおうか?」
アリャンの言葉に、サンカルは一歩後ずさった。
「なんなんだ、貴様たちは!
神聖な審問室にずかずかと勝手に入ってきて、話をかき回して!
法務長、こんなやつらの話に、耳を傾ける必要などありません!」
「えーっと、どこまで話はすすんだのだったかな?」
法務長も、なにがなにやら訳が分からなくなった様子で、手元の資料を見直している。
「ええーい、何をしているのですか、法務長!
とにかく、その忌々しい汚物が白魔導士から贈られたものだっとしても、
このイーサンの家のなかから『月光のアミュレット』が見つかったという事実は覆すことはできません!
早く、この男へ有罪判決を!」
いきり立つサンカルに、俺は目を向けた。
「あの……、俺にも発言を許させてください」
「なんだと? 平民の分際で……っ!」
サンカルが忌々しげに俺を見る。
俺の視線は、金色の髪、琥珀色の瞳、そして黒い護衛騎士の制服にゆっくりと降りていく。
「サンカル様……、あなたは、本物のサンカル・ダヤル様ではありませんよね?
本当のあなたのお名前は、何ですか?」
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