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第一章
第40話 英雄は日本人
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メイスの琥珀色の瞳がジッと私を見据える。
嫌われてしまうかもしれない恐怖と不安がひっきりなしに襲ってくるが、覚悟を決めた以上ここで尻込みなんかしていられない。
無意識のうちに、メイスを抱える両腕に力が籠る。
人気のない街道で一旦足を止めた私は、周囲を確認して防音壁を張ると語り始めた。
「……あのね、実は私、こことは違う世界の記憶を持っているの。簡単に言うと前世の記憶ってことになるんだけど、どうやら向こうで死んでこっちの世界に生まれ変わったみたいなの。……こんな話しメイスには信じられないかもしれないけど、噓でも何でもなくて本当のことなの。今まで話さずにいてごめんなさい……。頭がおかしいって思うかもしれないけど、メイスには打ち明けておきたかったんだ。あっ、別に無理して信じてくれなくて良いからね。私が話しておきたいと思っただけだから」
私が話しをしている間、メイスは視線を逸らさずに耳を傾けていた。
内心、心臓が口から飛び出してしまうんじゃないかというくらい鼓動が大きく波打ち、ギュッと握った拳も小刻みに震えていた。
『そうか。だから、年のわりに言動が大人びていたのだな。ようやく得心がいった』
そう返事をしたメイスは、うむうむと金色の耳飾りを揺らして頷いている。
想像していたような反応と違ったため、私は拍子抜けしてしまった。
「……え?それだけ?」
思わず心の声が口をついて出ていた。
そんな私を見上げてメイスは言った。
『長く生きていれば色んな事象を目の当たりにする機会もある。生まれ変わった人間が居たってそう不思議なことではないだろう。それに、俺は生まれ変わりをした人間を知っている』
「えぇぇぇ――!?」
思いもよらないメイスからの爆弾発言に、私の方が驚かされてしまった。
言葉を失い茫然と立ち尽くす私に、メイスは話しを切り出した。
『それでは俺から一つ面白い話しを教えてやろう。隣国の英雄と呼ばれた男は、先に話した生まれ変わりをした人間だ』
まるで私の反応を楽しむかのように琥珀色の瞳を細めたメイスは、爆弾発言に次ぐ爆弾発言を繰り出してきた。
「ええええ――!?」
生まれ変わりをした人間が英雄だなんて、驚き過ぎて言葉も出ない。
……まさか、その英雄も日本からの転生者なんてことは……ないよね?
ついさっきまで驚きのあまり思考を停止させていたが、途端に好奇心が顔を覗かせた。
「ねぇ、メイス。その英雄って異世界からの転生者だったりしないよね?」
その問いかけにメイスは即答した。
『ふむ。そう言えば、二ホンという国の記憶を持っていると言っていたな。その世界は魔法という認識はあっても魔力を持たないと聞いた。だから、ちぃと?とやらを授かったとかで生き生きと魔物討伐に励んでおったな』
英雄は日本人だった!
しかもチート持ち!
確かに、魔法が使える世界に来たのなら使いたい気持ちはよく分かる。
男性であれば、剣と魔法の世界に来たのなら魔物討伐をしてみたいと思うのだろう。
それにしても生き生きと魔物討伐に励んでいたのかぁ……。
ごめん、私には無理だわ。
「へぇ……。チートなら人生イージーモードだったんだろうねぇ……」
遠い目をしながら呟いた私の声を耳にしたメイスが、琥珀色の瞳を一瞬見開いて尋ねた。
『……アイツもチートとよく口にしていた。もしかして、お前も二ホンという国の記憶を持っているのか?』
さっきは『ちぃと』と言っていたが、はっきりと思い出したのか違和感なく発音がスムーズになっている。
そう言えば、メイスには前世の記憶があるとは伝えたけど、日本人とは話していなかったっけ。
メイスの様子だと全てを話しても問題は無いだろう。
そう判断した私は、メイスに打ち明けることにした。
「うん。私も前世は日本人だったよ。だから、チートって言葉も知っているし意味も分かる」
『……そうか。アイツと同じ故郷から……懐かしいな』
そう言ったメイスの声色は、どこか感慨に耽っているように聞こえた。
嫌われてしまうかもしれない恐怖と不安がひっきりなしに襲ってくるが、覚悟を決めた以上ここで尻込みなんかしていられない。
無意識のうちに、メイスを抱える両腕に力が籠る。
人気のない街道で一旦足を止めた私は、周囲を確認して防音壁を張ると語り始めた。
「……あのね、実は私、こことは違う世界の記憶を持っているの。簡単に言うと前世の記憶ってことになるんだけど、どうやら向こうで死んでこっちの世界に生まれ変わったみたいなの。……こんな話しメイスには信じられないかもしれないけど、噓でも何でもなくて本当のことなの。今まで話さずにいてごめんなさい……。頭がおかしいって思うかもしれないけど、メイスには打ち明けておきたかったんだ。あっ、別に無理して信じてくれなくて良いからね。私が話しておきたいと思っただけだから」
私が話しをしている間、メイスは視線を逸らさずに耳を傾けていた。
内心、心臓が口から飛び出してしまうんじゃないかというくらい鼓動が大きく波打ち、ギュッと握った拳も小刻みに震えていた。
『そうか。だから、年のわりに言動が大人びていたのだな。ようやく得心がいった』
そう返事をしたメイスは、うむうむと金色の耳飾りを揺らして頷いている。
想像していたような反応と違ったため、私は拍子抜けしてしまった。
「……え?それだけ?」
思わず心の声が口をついて出ていた。
そんな私を見上げてメイスは言った。
『長く生きていれば色んな事象を目の当たりにする機会もある。生まれ変わった人間が居たってそう不思議なことではないだろう。それに、俺は生まれ変わりをした人間を知っている』
「えぇぇぇ――!?」
思いもよらないメイスからの爆弾発言に、私の方が驚かされてしまった。
言葉を失い茫然と立ち尽くす私に、メイスは話しを切り出した。
『それでは俺から一つ面白い話しを教えてやろう。隣国の英雄と呼ばれた男は、先に話した生まれ変わりをした人間だ』
まるで私の反応を楽しむかのように琥珀色の瞳を細めたメイスは、爆弾発言に次ぐ爆弾発言を繰り出してきた。
「ええええ――!?」
生まれ変わりをした人間が英雄だなんて、驚き過ぎて言葉も出ない。
……まさか、その英雄も日本からの転生者なんてことは……ないよね?
ついさっきまで驚きのあまり思考を停止させていたが、途端に好奇心が顔を覗かせた。
「ねぇ、メイス。その英雄って異世界からの転生者だったりしないよね?」
その問いかけにメイスは即答した。
『ふむ。そう言えば、二ホンという国の記憶を持っていると言っていたな。その世界は魔法という認識はあっても魔力を持たないと聞いた。だから、ちぃと?とやらを授かったとかで生き生きと魔物討伐に励んでおったな』
英雄は日本人だった!
しかもチート持ち!
確かに、魔法が使える世界に来たのなら使いたい気持ちはよく分かる。
男性であれば、剣と魔法の世界に来たのなら魔物討伐をしてみたいと思うのだろう。
それにしても生き生きと魔物討伐に励んでいたのかぁ……。
ごめん、私には無理だわ。
「へぇ……。チートなら人生イージーモードだったんだろうねぇ……」
遠い目をしながら呟いた私の声を耳にしたメイスが、琥珀色の瞳を一瞬見開いて尋ねた。
『……アイツもチートとよく口にしていた。もしかして、お前も二ホンという国の記憶を持っているのか?』
さっきは『ちぃと』と言っていたが、はっきりと思い出したのか違和感なく発音がスムーズになっている。
そう言えば、メイスには前世の記憶があるとは伝えたけど、日本人とは話していなかったっけ。
メイスの様子だと全てを話しても問題は無いだろう。
そう判断した私は、メイスに打ち明けることにした。
「うん。私も前世は日本人だったよ。だから、チートって言葉も知っているし意味も分かる」
『……そうか。アイツと同じ故郷から……懐かしいな』
そう言ったメイスの声色は、どこか感慨に耽っているように聞こえた。
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