永遠の鍵

佐野川ゆず

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異世界

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(やばい人に会ってしまったのかもしれない。おかーさん!助けて!)

「どうしたの?」
「う、ううん、なんでもない」

 なんでもないなんて事ない。だって、彼は銃を持っていて、それがどうやら当たり前のような感じで話していて、しかも悪魔だのなんだのと言っている。
 いや、これは夢で私が作っている夢の世界なんじゃ?なんて思う。

「あの、これって夢だと思うので、私の頬をつねってみてください」
「え?女の子に手なんて出せない」
「目を覚ましたいので!」

 それだけ言うと私は仕方が無しに自分の頬をパチンと叩いた。

「っつ!痛い」
「そりゃ痛いよ。大丈夫?」
「大丈夫じゃないです。今日私、どうすればいいのですか?」

 痛い。どうやらこれは夢ではないのかもしれない。じゃあ、今いる場所は一体どこだというのだろうか?
 私、このまま帰れないかもしれない。って言うか、ここどこ?帰るも何もここが何処かわからないと帰り様もないのだけれど…

 じわりと涙が出てきて、それは不安からいつの間にか声を上げて泣き出してしまっていた。
 男の子はびっくりしているだろう。びっくりして、逃げられて、私、こんな訳のわからない所で一人になってしまうかもしれない。
 不安で胸が押しつぶされそうだった。

ふわり

「え?」
「大丈夫だよ。君は僕が守ってあげる」
「守って?くれるの?」
「うん」
「こんな身も知らずの私を?」
「だって、このまま放っておく訳にも行かないじゃん」
「あの!私、怪しいけれど、怪しい人じゃないって言うか、あなたに危害を加えようなんて全く思っていないから!」
「うん。わかってる」
「でも、これからどうすればいいの?」
「じゃあ、とりあえず家に来る?」
「えええええええ?」
「大丈夫、家、教会だから」

 いきなり年頃の男の子に「家に来る?」なんて言われてびっくりしない訳がない。思わず大きな声が出る。
 でも、これを断ってしまうと行くところがないし…。
 私は目の前にいる彼の瞳をじっと見た。
 するとポケットの中が温かくなったと思うと頭の中に声が流れ込んできた。

(大丈夫。彼は信用できるから。あなたを悪くはしない)

「そうなの?」
「誰と話ししてるの?」
「ううん!誰でもない!」

 今までも変な言動が多かったのに、まさか心の中に知らない人の声が流れ込んで来たなんて言ったら何を言われるかわかんない。

「わかった。連れて言って」
「うん。そういえば自己紹介まだだったね?僕の名前は相楽千冬」
「相楽くん?」
「千冬でいいよ」
「わかった。千冬くん、よろしく。私は桐谷瑞希です」
「うん。よろしくね、瑞希」

 千冬くんはそう言って人の良さそうな笑顔で笑った。
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