永遠の鍵

佐野川ゆず

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異世界

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「ねえ、瑞希って不思議だよね?」
「何が?」
「だって、悪魔が見えるんだよね?」
「悪魔かはわかんないけれど、今も頭の上に黒い小さい蝙蝠みたいなものがついてきているのがわかる」
「…それが悪魔なんだよね」
「ひっ!取り憑かれているの?」
「いや、下級の悪魔だからいつもこうして飛んでる。人間のことが大好きで特に女の子が好きなんだ。きっと瑞希は気に入られたんだと思う」
「ええーー!気に入られなくてもいいよー」
「ははは」

 そんな話をしながら私は千冬くんと一緒に街中を歩く、今は春?だろうか?少しだけ肌寒いけれどもブレザーを着ているだけでもそんなに寒くはない。

「そういえば、瑞希はもう高校決まってるの?どこの学校?」
「え?まだ入試終わっていないよ」
「嘘でしょ?僕たちは秋に一斉に入試を終えて、そこからはこれから行く学校の復習をするんだよ」
「復習?!そんなにたくさん課題が出るの?」

 勉強嫌いの私には信じられない事だ。学校が早く決まるのはいいのだが、秋に入試とか?推薦の事?かな?

「私はまだ。中学を卒業してから試験受ける」
「ええ?そうなの?じゃあ、まだ決まってないの?」
「うん」
「それってやばいよね。僕、お父さんに相談してあげるよ」
「あ、うん」

 という話をして、何かおかしい事に気づく。
 お父さんに高校の話をしてくれるとかって少しだけ論点がずれていないかな?だって私は元の世界に戻りたいのであって、ここにずっと居たいわけではないのだ。

(もしかして…私、元居た場所に戻れない?戻してくれる気がないの?千冬くんは?)

「ねえ、千冬くん。私はいつ帰れるの?」
「わかんない」
「ええ?」
「僕が思うにね。千冬は時の狭間に迷い込んだんだと思う」
「時の狭間?」
「そう、そういう時にはこの世界で暮らしていくか、あちらの世界で特別なアイテムをもらっている場合なら戻れる可能性があるんだ」

 そうなんだ…って!ここはやっぱり異世界って事?!私の住んでいる日本に限りなく似ているけれど、全く別の世界なんだ。

「じゃあ、私、元の世界に戻れるかわかんないって事なの?」
「うーん。でも瑞希は大丈夫な気がするんだよね。百合婆の匂いがするというか。」
「百合婆?さん?」
「うん。僕らから見ると異世界に突然現れるお店があるんだ。そこで雑貨を売っているんだ」
「それって。この鍵と髪留め関係ある?」

 私は不思議なお婆さんに頂いた髪留めと鍵を千冬に見せた。

「あ、百合婆のお店の鍵と髪飾り」
「じゃあ!」
「うん。瑞希は帰れるよ!きっと!」

 そう言う千冬くんの目には嘘が見えなくて、私は彼を信じてみようと言い聞かせていた。
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