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ハッピーエンド
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年末の社内は慌ただしく、普段なら入り浸っている喫煙所にも中々駆け込めなくなってきた。
相変わらず瑠璃子さんは暇そうにしているけど私のデスクに積み上がった書類を見ては少し手伝ってくれたりもする。
仕事納めまであと2日。
今年は本社の都合だかなんだかで年始の休みが長い分、年末ギリギリまで働かされる。
実家帰省組は既に有給を取っている人もいるけど、私は実家が近い分休みも取りづらくみんなと同じように働いている。
あの人からのメッセージには、一言だけ『元気です。』とだけ返した。
もちろん、そんな返事には返答もなく、既読マークがついただけで、期待できるような展開にはならなかった。
むしろ展開を望まないからこその一言だった。
8年も経てばお互いいい歳で、気軽に会えてた昔とは違う。
駆け引きのようなものが始まってしまうように思えたから、余計に冷たく返した。
「堀江さん、会議室でこの後打ち合わせあるからお茶持ってきてもらってもいい?お客様3人と僕ね。」
「かしこまりました。」
お茶汲みは女の仕事、なんていうのは平成までの話でいまは男女平等の社会。
私が女だから、などではなくただこの部長が頼める人が私しかいないだけ。
タイミングよく瑠璃子さんは電話に出ているし、他の社員とは話している所すらみたことない。
嫌われるのかは知らないけど慕われていないのは事実だろう。
仕事は出来るがいかんせん愛想がない笑わない昔気質の上司って感じの人。
開いていたファイルを閉じ、席を立つとフロアには私以上に慌ただしい人達が忙しなくキーボードを叩いていた。
そんな人達を目の端で見ながら、フロア奥の給湯室にのんびりと向かった。
給湯室は年末の忙しさからなのか普段からなのか、捨てられた紙コップが溢れていた。
戸棚から4客のカップを出し、普段より少しいいコーヒーにお湯を注いだ時にお茶、と言われたことを思い出した。
でも、どうせ形だけで誰も口をつけないんだろうと思って手を止めずにお湯を注ぎ続けた。
私だったらコンポタとか出して欲しいよな、とかくだらないことを考えてお盆に乗せたコーヒーを少しこぼしながら会議室へ向かった。
溢れたコーヒーは部長に出せばいいだろう。
相変わらず瑠璃子さんは暇そうにしているけど私のデスクに積み上がった書類を見ては少し手伝ってくれたりもする。
仕事納めまであと2日。
今年は本社の都合だかなんだかで年始の休みが長い分、年末ギリギリまで働かされる。
実家帰省組は既に有給を取っている人もいるけど、私は実家が近い分休みも取りづらくみんなと同じように働いている。
あの人からのメッセージには、一言だけ『元気です。』とだけ返した。
もちろん、そんな返事には返答もなく、既読マークがついただけで、期待できるような展開にはならなかった。
むしろ展開を望まないからこその一言だった。
8年も経てばお互いいい歳で、気軽に会えてた昔とは違う。
駆け引きのようなものが始まってしまうように思えたから、余計に冷たく返した。
「堀江さん、会議室でこの後打ち合わせあるからお茶持ってきてもらってもいい?お客様3人と僕ね。」
「かしこまりました。」
お茶汲みは女の仕事、なんていうのは平成までの話でいまは男女平等の社会。
私が女だから、などではなくただこの部長が頼める人が私しかいないだけ。
タイミングよく瑠璃子さんは電話に出ているし、他の社員とは話している所すらみたことない。
嫌われるのかは知らないけど慕われていないのは事実だろう。
仕事は出来るがいかんせん愛想がない笑わない昔気質の上司って感じの人。
開いていたファイルを閉じ、席を立つとフロアには私以上に慌ただしい人達が忙しなくキーボードを叩いていた。
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でも、どうせ形だけで誰も口をつけないんだろうと思って手を止めずにお湯を注ぎ続けた。
私だったらコンポタとか出して欲しいよな、とかくだらないことを考えてお盆に乗せたコーヒーを少しこぼしながら会議室へ向かった。
溢れたコーヒーは部長に出せばいいだろう。
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