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第一章 ラスト=エゴ・アルター
第六話 天の加護
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☆アルトラ・ルーシャ
相手の横に放った殴りは止められた。次の手を考える。もう一度《太陽神》を使うか?いやいや、策がバレている時点で使い物にならない。魔法は跳ね返されるのでそもそも意味がない。
「《固化》!」
相手の動きを内側から固める魔法《固化》を使用する。これなら跳ね返されないはずだ。せいぜい止まるのは3~5秒程度。そのうちに決めておきたい。帯電した拳を握りしめ上から叩き込む。痛そうな音が響いた。が、まだ彼は立っている。クソ。倒れてくれればもう殴らないで済むのに。蹴りを入れようと足を動かした時、その形で時が止まったかのように動かなくなった。
「《固化》のフリに気が付かなかったみたいだね」
《固化》は反射されていたらしい。やばい、来る。彼も殴り続けるのは嫌なはずだ。一瞬で決めてくるだろう。どうにか振り切れないだろうか。乾いた口で詠唱をする。
「詠唱―光ガ求ム 天翔ケル 天使ノ守リ 正義ノ前ニ 現レヨ《加護》!」
まばゆい光が私を包み込む。古代魔法《加護》は、1時間運を良くするだけの魔法だ。ただそれだけでも、ギリギリのところで使えば意味があるはず。来る。固まっているせいで動けない。受けるのを待つだけだ。ドスッと私に叩き込まれた拳は、『運よく』急所を外れた。
「ふぅ……危なかった」
衝撃は残っているのでふらつくが、どうにか倒れずには済んだようだ。上手く立ち直す。
「《赤ノ女王》……」
味方を生み出す魔法《赤ノ女王》。魔法的なものなら全て跳ね返すというわけでもないという事は、「《固化》のフリ」の時に振り下ろした『《雷》を纏った拳』で確認済みだ。打撃攻撃は《反射》では跳ね返せない。
「首を刎ねよっ!」
合図によって《赤ノ女王》で生み出された魔法の兵士たちが彼に向って走っていく。彼は兵士たちを次々といなしていく……おとりだとも知らずに。
走りの勢いでぶつけた最後の一撃、私の拳で彼は倒れた。
「そこまで!」
終了の合図。勝てたことへの満足感と彼への心配が一度に感情に来た。
「ライフ!大丈夫⁉」
術式を展開し魔法《癒雨》を使う。自分の傷と彼の傷を魔法の雨によって同時回復する。
「負けちったか……はは」
彼は照れ笑いを浮かべた。
「ライフ強すぎだよー……今回は《加護》使えたから勝てたけど」
「あの時点で《加護》使おうってなる思考自体もう強いでしょ。てかそもそも古代魔法何度も使ってくる時点で魔力量多すぎー」
「私語は慎んで」
《翼》の幹部から怒られた。
「では、自室に戻り魔法学習に励むように」
「「はーい」」
《翼》からの指示で自室に戻ることになった私たちは、雑談をしながら歩いて帰ることにした。
相手の横に放った殴りは止められた。次の手を考える。もう一度《太陽神》を使うか?いやいや、策がバレている時点で使い物にならない。魔法は跳ね返されるのでそもそも意味がない。
「《固化》!」
相手の動きを内側から固める魔法《固化》を使用する。これなら跳ね返されないはずだ。せいぜい止まるのは3~5秒程度。そのうちに決めておきたい。帯電した拳を握りしめ上から叩き込む。痛そうな音が響いた。が、まだ彼は立っている。クソ。倒れてくれればもう殴らないで済むのに。蹴りを入れようと足を動かした時、その形で時が止まったかのように動かなくなった。
「《固化》のフリに気が付かなかったみたいだね」
《固化》は反射されていたらしい。やばい、来る。彼も殴り続けるのは嫌なはずだ。一瞬で決めてくるだろう。どうにか振り切れないだろうか。乾いた口で詠唱をする。
「詠唱―光ガ求ム 天翔ケル 天使ノ守リ 正義ノ前ニ 現レヨ《加護》!」
まばゆい光が私を包み込む。古代魔法《加護》は、1時間運を良くするだけの魔法だ。ただそれだけでも、ギリギリのところで使えば意味があるはず。来る。固まっているせいで動けない。受けるのを待つだけだ。ドスッと私に叩き込まれた拳は、『運よく』急所を外れた。
「ふぅ……危なかった」
衝撃は残っているのでふらつくが、どうにか倒れずには済んだようだ。上手く立ち直す。
「《赤ノ女王》……」
味方を生み出す魔法《赤ノ女王》。魔法的なものなら全て跳ね返すというわけでもないという事は、「《固化》のフリ」の時に振り下ろした『《雷》を纏った拳』で確認済みだ。打撃攻撃は《反射》では跳ね返せない。
「首を刎ねよっ!」
合図によって《赤ノ女王》で生み出された魔法の兵士たちが彼に向って走っていく。彼は兵士たちを次々といなしていく……おとりだとも知らずに。
走りの勢いでぶつけた最後の一撃、私の拳で彼は倒れた。
「そこまで!」
終了の合図。勝てたことへの満足感と彼への心配が一度に感情に来た。
「ライフ!大丈夫⁉」
術式を展開し魔法《癒雨》を使う。自分の傷と彼の傷を魔法の雨によって同時回復する。
「負けちったか……はは」
彼は照れ笑いを浮かべた。
「ライフ強すぎだよー……今回は《加護》使えたから勝てたけど」
「あの時点で《加護》使おうってなる思考自体もう強いでしょ。てかそもそも古代魔法何度も使ってくる時点で魔力量多すぎー」
「私語は慎んで」
《翼》の幹部から怒られた。
「では、自室に戻り魔法学習に励むように」
「「はーい」」
《翼》からの指示で自室に戻ることになった私たちは、雑談をしながら歩いて帰ることにした。
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