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おまけ:設定資料

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書いている間や、書いた後に思いついた本作の設定。
今後これをもとにスピンオフするかも知れないし、しないかも知れないが、忘れないうちに書き残しておく。

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『祝福』

いわゆるチート能力を、もう少しメタネタ抜きで作中の世界観内の言葉で表現したもの。
理由付けはあまり考えていない。一応、本人の立場で選ぶことはできない設定。

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『心眼』

移動中は敵やアイテム・罠の探知(ローグライクで敵やアイテム・罠が見えるようになった状態をイメージ)。
戦闘中はHP/MPの可視化といった感じの能力。
直接的な戦闘力アップにつながるわけではないが、能力は戦闘経験(レベルアップ)やアイテムで強化できることを考えると、長期的に見れば非常に強い「祝福」である。

勇者はこの祝福のおかげで危機を回避し、作中で披露したアイテム以外にも多数の秘宝を発見している。
また古文書や石版などから得た知識で、魔王すら知らないような魔族の秘密のようなものも把握している。

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『光の水晶』『闇の水晶』

人間界にも魔界にも伝承は伝わるが、長い間失われていたもの。
魔王も存在は知っていたが、実際にその力を目の当たりにするまでそれとは気づかなかった。

二つの水晶は、武器に埋め込めば相反する力を打ち砕き、防具に埋め込めば同質の力を吸収する。
光の水晶を埋め込んだ武器は、闇の力(物質・非物質問わず)を破壊することができる。
闇の水晶を埋め込んだ盾は、闇のエネルギーによる攻撃(闇を纏った炎や冷気・雷など)を吸収できる。大鎌などの実体化した武器は無理。
他にも波動を飛ばして遠隔攻撃したりするような能力もあるが、この勇者には使えない。

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『勇者の師匠』

たぶん謙虚なナイト。

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『大地の短刀』

忘れられた太古の信仰である地母神の加護を受けた短刀。武器としては役に立たないが雷に強い耐性がある。
魔王はこの存在をまったく知らなかったので、切り札とも言える稲妻を防がれたのは衝撃だった。
それでも魔王の稲妻を捌くことができたのは、勇者の動体視力と反射神経、反動に耐える筋力があってのもの。

なお、作中では誰も気づいていないが、実は魔王の祖先は地母神の系譜に連なっている。
武器が(農具である)大鎌であるし、稲妻は神話的にも科学的(窒素固定で田畑を肥やす)にも農業と密接な繋がりがある。
最終的に開拓地で農民になったのは当然の成り行きというわけである。

稲妻を弾くのは「地面に電気が効かない」的なイメージでもいいのだが、本質的には「稲妻は地母神の力の一部なので、同質ゆえに攻撃を防ぐ」といったニュアンスが強い。

改稿によって武器を持ち替えたり床に落としたりするシーンを追加したが、短刀は最後まで懐にある。
勇者にとっても何らかの親しみを感じる武器であり、結果として魔王と結ばれることにも繋がっている。

勇者と魔王が結ばれたことで、結果として本来あるべき位置(地母神の子孫の手)に戻ったことになる。開拓地に移住後は村の中心のほこらに祀られている。それにより地母神信仰自体が、種族を問わない宗教として復興する兆しを見せているおかげで、この村の作物は豊作である。

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『闇の衣』

本編において勇者と対峙したときのローブはいわば礼装モードで、ボンテージのような戦闘モードにも可変。
そちらであれば裾を狙って削るようなことはできなかったはずなので、いわば舐めプをしたから負けたようなものである。

魔王としてはあくまでも優雅な振る舞いで圧勝して勇者を絶望させるつもりだったのである。
実際は2つの水晶や大地の短刀だけでなく、パッシブ強化系のアクセサリなどを大量に装備していたため、魔王の見立てより勇者が遥かに強かった。

なお、最初の蹴りが結構入っていたことからわかるように、武器や魔法を使わない体術だけでも勇者と渡り合える。
というか魔力を温存しつつヒット&アウェイに徹していれば割と普通に勝てたかも知れない。
(勇者は飛び道具に関してはほとんど使えないため)
もっとも、格下の人間相手にこのような戦術をとることは彼女のプライドが許さなかっただろうが。

メタ的に言えば、戦闘中に衣服を破壊する理由としての設定であり、決着がついた時点で魔王を自然に(?)裸にするためにひねり出した発想。
敗北を認めて全てを勇者に委ねた魔王の裸体が月光に照らされるシーンは美しく書けただろうか。

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『婚礼』

勇者と魔王の婚礼自体は大々的に行われたが、その後は表舞台から完全に姿を消した。
このときの逃亡劇にも「心眼」の力は大いに役立っている。

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『魔界』

人間界とは物理的な繋がりがある。砂漠や大海を超えた先など、要は人間から見て未開・未踏の地というイメージ。
開拓地というのはいわば魔界との境界である。

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『混血児』

あまり設定を考えていない。どちらかの種族の性質が強く出るが、世代を重ねるごとに次第に均質になっていくようなイメージで。
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