2 / 43
本編
帰途
しおりを挟む
夜明けとともにエルフの村を後にする。
苦楽を共にした仲間の5人と、俺に代わってパーティに加わるフォルンの全員が俺を見送ってくれた。
パーティの持ち物は基本的に共有財産なのだが、俺が身に付けている物についてはそのまま譲ってくれた上に、少なくない額の路銀まで分けてくれた。
身勝手に離脱した俺に対する仲間からの最後の思いやりに心から感謝した。
イザからは道中の無事を祈って『火炎のロッド』を託されたが、これは彼女にこそ必要な道具だと思って固辞した。
道中では戦闘らしい戦闘も起こらなかった。既に俺達であらかたの魔物を討伐した道を引き返しているだけなので当然だった。
結果として、当初の見立てよりもだいぶ速いペースで峠を越え、まだ明るいうちに麓の村に着いた。
なお、往路では(中央都市から見て)ここより少し手前にある村を山越えの拠点にしていたので、この村に立ち寄るのは今回が初めてである。
以前拠点にした村には優秀な鍛冶屋や防具職人がいて、激戦続きの山越えにおいて武具の修繕に大変世話になったが、ここは単なる寒村に過ぎないようだ。
「大将、やってるか?」
することもないので、少し早めの夕食をいただくために酒場兼宿屋のドアを開けた。まだ他に客はいない。
「ああ、大したもんはねえけどな」
「温かい飯が食えれば十分だ」
「モツ入りの麦粥でいいかい?ちょいと時間はかかるけどよ」
「じゃあ、それをいただくよ」
今は晩秋。農村では冬に備えて豚を屠畜して保存食を作る季節である。よって、保存が利かない内臓はこの時期に食べる機会が多くなる。
長らく菜食主義のエルフの村に滞在していたので、モツとはいえ肉をまともに食べるのは久しぶりだ。
「へいお待ち」
麦粥が運ばれてきた。丁寧に下茹でをされたからなのか香草のおかげか、ほとんど臭みはない。
モツは非常に柔らかく煮込まれている。大麦の粒とともに、するすると胃袋に入っていった。
しばらくすると続々と客が入ってきた。旅人らしい姿はなく、村の住人のようだ。
「旅人とは珍しいな、どこから来たんだ?」
中年の男が尋ねてきた。
「中央都市からだ」
「へえ、遠いところから来たもんだなぁ」
「ところでこの麦粥旨いな。ここいらの名物なのかい?」
「ああ、屠畜の季節になるとおやっさんがモツをまとめて料理するんだ。いい時期に来たな」
「なるほど、それで処理が丁寧なわけだ」
「お兄さん、ギルドの冒険者だろ?魔の山へ行くのかい?一人旅とは珍しいが、合流待ちかね?」
麦粥を平らげて、ぬるいエールで喉を潤していると店主が尋ねてきた。
「いや、降りてきたところだ。これから戻る」
「まさか一人で山に入っていたのか?!」
「仲間のおかげだよ……」
「そうか……。まぁいいさ。気をつけて帰りなよ」
一人で帰ってきたことに何かを察したのか、周囲もそれ以上は追求しなかった。
「1泊したいんだが宿の用意はあるか?できれば個室がいいんだが」
個室と言っても他に泊まる客がいる気配もないのだが、夜中に冒険者が立ち寄る可能性はある。
「あいよ。メシ代と合わせて銀貨10枚だが大丈夫かね?」
おそらく、俺が中級以上の金回りのいい冒険者だと踏んで多少ふっかけた値段だろうと思う。
しかし懐には余裕があるし、厳しい冬を迎えるにあたって何かと物入りであろうから、麦粥に免じて値切らずに受け入れる。
「ああ、問題無い。明日は早く出発するから飯の用意を頼む」
「わかった。2階の奥の部屋を使ってくれ」
俺は支払いを済ませると部屋に向かった。
さて、これからどうしたものか……。藁が敷かれたベッドに転がりながら考える。
俺にはもはや神官としての成長の余地は無いようなので新たな道に進まなければならない。
斥候になれるほど器用でもないし、魔術を一から習うのでは実戦で使えるまでに何年かかるかわからない。
そうなると、戦士として白兵戦能力を高めるのが最も現実的に思われた。もともと武器での戦いは苦手ではない。
法術の使える戦士、まるで紛い物の聖騎士じゃないか。かえって俺には似合ってるかもな。
そんなことを考えているうちに俺は眠りにつき、鶏の鳴き声とともに目覚めた。
朝食は、少し硬いがカビは生えていない黒パン、豚脂入りのカブとキャベツのスープ、透けるくらい薄く切ったチーズが1枚。辺境の安宿にしてはなかなか上等だ。
携行食料にはだいぶ余裕があり、いざとなれば《不飢》の呪文も使えるのだが、人里にいる間はなるべく普通の食事を摂るようにしている。
神官にしては俗っぽいと言われるのだが、これは俺にとってささやかな旅の楽しみでもあるのだ。
「ありがとう、旨かったよ」
まだ寝ている父親に代わって食事を用意してくれた店主の息子にチップとして銅貨数枚と、おやつ代わりに携行食料を1包み渡す。
「ちょっと待って!」
少年はそう言って厨房に入ると、腸詰めとキュウリの酢漬け、それに厚めに切ったチーズを挟んだ黒パンをこしらえて俺にくれた。
「うちの腸詰めは絶品だからさ、弁当に持って行ってよ」
「ああ、親父さんが作ったんなら期待できるな。お前も頑張って受け継ぐんだぞ」
俺は油紙でそれを包んで雑嚢に入れ、少年の頭を撫でてやると真っ直ぐな瞳で見つめ返された。
「それじゃ、行ってくる。豊穣神のご加護がありますように」
「兄ちゃん、気を付けてね!」
背中越しに手を振って答える。こんな爽やかな旅立ちも悪くないもんだ。
***
【用語集】
『携行食料』
ここでは携行食一般ではなく、長旅用に作られた特定の食物を指す。
小麦粉にナッツ類やドライフルーツ等を油脂とともに練り込んで焼き固めたもので、保存性と栄養価に優れている。
冒険者になるとすぐ食べ飽きてしまうが、甘いので一般人、特に子供には人気。分けてあげると喜ばれる。
具体的な製法や価格は季節や場所によっても異なるのだが、一般人にとってはそれなりに高級品である。
《不飢》
法術の一つ。自分自身や仲間に対して、1日程度の間だけ空腹と喉の乾きを忘れさせる活力を与える。
ただし血肉になるわけではないので、こればかりに頼って食事を怠ると代謝が滞って健康に悪影響が出る。
仮にこの呪文のみで生存しようとした場合、3日程度で肌荒れが目立つようになり、1週間もすれば体調不良を実感し、1ヶ月も経たないうちに死に至ると言われる。
餓死するよりはマシとはいえ、好んで使う冒険者はまずいない。まして成長期の若者であれば悪影響はなお大きい。
苦楽を共にした仲間の5人と、俺に代わってパーティに加わるフォルンの全員が俺を見送ってくれた。
パーティの持ち物は基本的に共有財産なのだが、俺が身に付けている物についてはそのまま譲ってくれた上に、少なくない額の路銀まで分けてくれた。
身勝手に離脱した俺に対する仲間からの最後の思いやりに心から感謝した。
イザからは道中の無事を祈って『火炎のロッド』を託されたが、これは彼女にこそ必要な道具だと思って固辞した。
道中では戦闘らしい戦闘も起こらなかった。既に俺達であらかたの魔物を討伐した道を引き返しているだけなので当然だった。
結果として、当初の見立てよりもだいぶ速いペースで峠を越え、まだ明るいうちに麓の村に着いた。
なお、往路では(中央都市から見て)ここより少し手前にある村を山越えの拠点にしていたので、この村に立ち寄るのは今回が初めてである。
以前拠点にした村には優秀な鍛冶屋や防具職人がいて、激戦続きの山越えにおいて武具の修繕に大変世話になったが、ここは単なる寒村に過ぎないようだ。
「大将、やってるか?」
することもないので、少し早めの夕食をいただくために酒場兼宿屋のドアを開けた。まだ他に客はいない。
「ああ、大したもんはねえけどな」
「温かい飯が食えれば十分だ」
「モツ入りの麦粥でいいかい?ちょいと時間はかかるけどよ」
「じゃあ、それをいただくよ」
今は晩秋。農村では冬に備えて豚を屠畜して保存食を作る季節である。よって、保存が利かない内臓はこの時期に食べる機会が多くなる。
長らく菜食主義のエルフの村に滞在していたので、モツとはいえ肉をまともに食べるのは久しぶりだ。
「へいお待ち」
麦粥が運ばれてきた。丁寧に下茹でをされたからなのか香草のおかげか、ほとんど臭みはない。
モツは非常に柔らかく煮込まれている。大麦の粒とともに、するすると胃袋に入っていった。
しばらくすると続々と客が入ってきた。旅人らしい姿はなく、村の住人のようだ。
「旅人とは珍しいな、どこから来たんだ?」
中年の男が尋ねてきた。
「中央都市からだ」
「へえ、遠いところから来たもんだなぁ」
「ところでこの麦粥旨いな。ここいらの名物なのかい?」
「ああ、屠畜の季節になるとおやっさんがモツをまとめて料理するんだ。いい時期に来たな」
「なるほど、それで処理が丁寧なわけだ」
「お兄さん、ギルドの冒険者だろ?魔の山へ行くのかい?一人旅とは珍しいが、合流待ちかね?」
麦粥を平らげて、ぬるいエールで喉を潤していると店主が尋ねてきた。
「いや、降りてきたところだ。これから戻る」
「まさか一人で山に入っていたのか?!」
「仲間のおかげだよ……」
「そうか……。まぁいいさ。気をつけて帰りなよ」
一人で帰ってきたことに何かを察したのか、周囲もそれ以上は追求しなかった。
「1泊したいんだが宿の用意はあるか?できれば個室がいいんだが」
個室と言っても他に泊まる客がいる気配もないのだが、夜中に冒険者が立ち寄る可能性はある。
「あいよ。メシ代と合わせて銀貨10枚だが大丈夫かね?」
おそらく、俺が中級以上の金回りのいい冒険者だと踏んで多少ふっかけた値段だろうと思う。
しかし懐には余裕があるし、厳しい冬を迎えるにあたって何かと物入りであろうから、麦粥に免じて値切らずに受け入れる。
「ああ、問題無い。明日は早く出発するから飯の用意を頼む」
「わかった。2階の奥の部屋を使ってくれ」
俺は支払いを済ませると部屋に向かった。
さて、これからどうしたものか……。藁が敷かれたベッドに転がりながら考える。
俺にはもはや神官としての成長の余地は無いようなので新たな道に進まなければならない。
斥候になれるほど器用でもないし、魔術を一から習うのでは実戦で使えるまでに何年かかるかわからない。
そうなると、戦士として白兵戦能力を高めるのが最も現実的に思われた。もともと武器での戦いは苦手ではない。
法術の使える戦士、まるで紛い物の聖騎士じゃないか。かえって俺には似合ってるかもな。
そんなことを考えているうちに俺は眠りにつき、鶏の鳴き声とともに目覚めた。
朝食は、少し硬いがカビは生えていない黒パン、豚脂入りのカブとキャベツのスープ、透けるくらい薄く切ったチーズが1枚。辺境の安宿にしてはなかなか上等だ。
携行食料にはだいぶ余裕があり、いざとなれば《不飢》の呪文も使えるのだが、人里にいる間はなるべく普通の食事を摂るようにしている。
神官にしては俗っぽいと言われるのだが、これは俺にとってささやかな旅の楽しみでもあるのだ。
「ありがとう、旨かったよ」
まだ寝ている父親に代わって食事を用意してくれた店主の息子にチップとして銅貨数枚と、おやつ代わりに携行食料を1包み渡す。
「ちょっと待って!」
少年はそう言って厨房に入ると、腸詰めとキュウリの酢漬け、それに厚めに切ったチーズを挟んだ黒パンをこしらえて俺にくれた。
「うちの腸詰めは絶品だからさ、弁当に持って行ってよ」
「ああ、親父さんが作ったんなら期待できるな。お前も頑張って受け継ぐんだぞ」
俺は油紙でそれを包んで雑嚢に入れ、少年の頭を撫でてやると真っ直ぐな瞳で見つめ返された。
「それじゃ、行ってくる。豊穣神のご加護がありますように」
「兄ちゃん、気を付けてね!」
背中越しに手を振って答える。こんな爽やかな旅立ちも悪くないもんだ。
***
【用語集】
『携行食料』
ここでは携行食一般ではなく、長旅用に作られた特定の食物を指す。
小麦粉にナッツ類やドライフルーツ等を油脂とともに練り込んで焼き固めたもので、保存性と栄養価に優れている。
冒険者になるとすぐ食べ飽きてしまうが、甘いので一般人、特に子供には人気。分けてあげると喜ばれる。
具体的な製法や価格は季節や場所によっても異なるのだが、一般人にとってはそれなりに高級品である。
《不飢》
法術の一つ。自分自身や仲間に対して、1日程度の間だけ空腹と喉の乾きを忘れさせる活力を与える。
ただし血肉になるわけではないので、こればかりに頼って食事を怠ると代謝が滞って健康に悪影響が出る。
仮にこの呪文のみで生存しようとした場合、3日程度で肌荒れが目立つようになり、1週間もすれば体調不良を実感し、1ヶ月も経たないうちに死に至ると言われる。
餓死するよりはマシとはいえ、好んで使う冒険者はまずいない。まして成長期の若者であれば悪影響はなお大きい。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
わたしにしか懐かない龍神の子供(?)を拾いました~可愛いんで育てたいと思います
あきた
ファンタジー
明治大正風味のファンタジー恋愛もの。
化物みたいな能力を持ったせいでいじめられていたキイロは、強引に知らない家へ嫁入りすることに。
所が嫁入り先は火事だし、なんか子供を拾ってしまうしで、友人宅へ一旦避難。
親もいなさそうだし子供は私が育てようかな、どうせすぐに離縁されるだろうし。
そう呑気に考えていたキイロ、ところが嫁ぎ先の夫はキイロが行方不明で発狂寸前。
実は夫になる『薄氷の君』と呼ばれる銀髪の軍人、やんごとなき御家柄のしかも軍でも出世頭。
おまけに超美形。その彼はキイロに夢中。どうやら過去になにかあったようなのだが。
そしてその彼は、怒ったらとんでもない存在になってしまって。
※タイトルはそのうち変更するかもしれません※
※お気に入り登録お願いします!※
27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?
藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。
結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの?
もう、みんな、うるさい!
私は私。好きに生きさせてよね。
この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。
彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。
私の人生に彩りをくれる、その人。
その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。
⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。
⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる