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第105話 エルフの里 お土産
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演劇が終わると、会場から拍手喝采が巻き起こる。
シェーナはキシャナを背負って会場を後にすると、皆と手配している宿にチェックインをする。
部屋割りは温泉と同じ組み合わせで分かれると、キシャナをベッドに寝かせる。
「夕食まで時間があるけど、グラナの本屋に付き合おうか」
「私は一人で十分だよ。シェーナはお土産を買いに行っておいで」
「そうか。お土産を選ぶのに時間がかかるかもしれないから、部屋の鍵はグラナに渡しておくよ」
「私の場合、鍵を掛けていても空間魔法を経由して出入りは自由だから、鍵はシェーナが持っていなよ」
便利な魔法だなと、シェーナは改めて感心すると、鍵は懐に閉まって、キシャナが目覚めた時にメモを一筆書いておく。
東エリアにある娯楽施設の一画に、お土産屋には里で収穫された食材やエルフ族に伝わる安全祈願を目的に作られたお守り等が売られている。
リィーシャがルトルスに無病息災を願って、お守りを頂いたことはあった。
精神的な心のケアは必要だが、おかげで健康を害するような大病を患うことはしていないので、お守りの効果は健在のようだ。
「まさか本当にあるとは驚いた。温泉場のお土産に饅頭が売られているのは異世界共通なのかな」
サリーニャにお土産を探していると、試食コーナーに温泉饅頭の姿があった。
シェーナは一口味見をしてみると、饅頭の中身はこしあんであった。
個人的にシェーナはつぶあん派だったが、甘さは控えめで当店一番人気の売れ行きと謳い文句がされている。
「限定や人気って言葉に弱いなぁ」
サリーニャのお土産は一番人気の温泉饅頭で決定すると、エルフの里に訪れた記念に商売繁盛が付与されているお守りを見つけて会計を済ませる。
シェーナはお土産を持って店を出ようとすると、ルトルスがそわそわした様子で入店してきた。
「ルトルスじゃないか。君もお土産を買いに?」
「そんなところだ。何か記念になる物でも買っておこうかと思ってな……」
「じゃあ一緒に見て回ろうか? ルトルスに似合いそうな髪飾りとかもあったし、何か欲しい物があったら買ってあげるよ」
「ありがとう。では、お言葉に甘えて頼むよ」
二人は並んで店内を見て回ると、ルトルスはシェーナの腰にそっと手を回す。
シェーナは照れながら、ルトルスに似合いそうな紅の花をモチーフにした髪飾りを選んで試着させる。
「赤々と情熱的な色合いがルトルスに似合っているよ」
「シェーナはこの蒼い花の髪飾りはどうだ?」
「どれ……付けてみるか」
ルトルスに勧められた蒼い髪飾りを試着すると、お互い鏡でどんなものか確認をする。
「ルトルスの兜や鎧姿は格好いいけど、洋服に髪飾りを付けた方が可愛らしくていいよ」
「そ……そうか。シェーナがそう言うのなら、この髪飾りを買って普段から付けてみようかな。シェーナも大人っぽい女性から印象が変わったな。そこにあるリボンも試して結んでみよう」
ルトルスは手際良くシェーナの頭にリボンを結ぶと、髪形をサイドテールにしてみせた。
普段から銀髪の長髪を腰までおろしていたが、髪形を変えただけで女性のイメージは大きく変化するのだなと己自身が体験するとは不思議な感覚だなとシェーナは思った。
「今度はルトルスもリボンを付けてみなよ」
今度はシェーナがリボンを取り出してルトルスの頭に付けると、髪形をツインテールにしてみせた。
そこに本屋から買い物を終えてシェーナと合流しようと、お土産屋に通りかかったグラナは二人を目撃する。
「シェーナは問題ないが、あの勇将と恐れられた暗黒騎士様のツインテールは……見なかったことにしておこう」
グラナは二人に声を掛けずに、そのまま店を後にした。
シェーナはキシャナを背負って会場を後にすると、皆と手配している宿にチェックインをする。
部屋割りは温泉と同じ組み合わせで分かれると、キシャナをベッドに寝かせる。
「夕食まで時間があるけど、グラナの本屋に付き合おうか」
「私は一人で十分だよ。シェーナはお土産を買いに行っておいで」
「そうか。お土産を選ぶのに時間がかかるかもしれないから、部屋の鍵はグラナに渡しておくよ」
「私の場合、鍵を掛けていても空間魔法を経由して出入りは自由だから、鍵はシェーナが持っていなよ」
便利な魔法だなと、シェーナは改めて感心すると、鍵は懐に閉まって、キシャナが目覚めた時にメモを一筆書いておく。
東エリアにある娯楽施設の一画に、お土産屋には里で収穫された食材やエルフ族に伝わる安全祈願を目的に作られたお守り等が売られている。
リィーシャがルトルスに無病息災を願って、お守りを頂いたことはあった。
精神的な心のケアは必要だが、おかげで健康を害するような大病を患うことはしていないので、お守りの効果は健在のようだ。
「まさか本当にあるとは驚いた。温泉場のお土産に饅頭が売られているのは異世界共通なのかな」
サリーニャにお土産を探していると、試食コーナーに温泉饅頭の姿があった。
シェーナは一口味見をしてみると、饅頭の中身はこしあんであった。
個人的にシェーナはつぶあん派だったが、甘さは控えめで当店一番人気の売れ行きと謳い文句がされている。
「限定や人気って言葉に弱いなぁ」
サリーニャのお土産は一番人気の温泉饅頭で決定すると、エルフの里に訪れた記念に商売繁盛が付与されているお守りを見つけて会計を済ませる。
シェーナはお土産を持って店を出ようとすると、ルトルスがそわそわした様子で入店してきた。
「ルトルスじゃないか。君もお土産を買いに?」
「そんなところだ。何か記念になる物でも買っておこうかと思ってな……」
「じゃあ一緒に見て回ろうか? ルトルスに似合いそうな髪飾りとかもあったし、何か欲しい物があったら買ってあげるよ」
「ありがとう。では、お言葉に甘えて頼むよ」
二人は並んで店内を見て回ると、ルトルスはシェーナの腰にそっと手を回す。
シェーナは照れながら、ルトルスに似合いそうな紅の花をモチーフにした髪飾りを選んで試着させる。
「赤々と情熱的な色合いがルトルスに似合っているよ」
「シェーナはこの蒼い花の髪飾りはどうだ?」
「どれ……付けてみるか」
ルトルスに勧められた蒼い髪飾りを試着すると、お互い鏡でどんなものか確認をする。
「ルトルスの兜や鎧姿は格好いいけど、洋服に髪飾りを付けた方が可愛らしくていいよ」
「そ……そうか。シェーナがそう言うのなら、この髪飾りを買って普段から付けてみようかな。シェーナも大人っぽい女性から印象が変わったな。そこにあるリボンも試して結んでみよう」
ルトルスは手際良くシェーナの頭にリボンを結ぶと、髪形をサイドテールにしてみせた。
普段から銀髪の長髪を腰までおろしていたが、髪形を変えただけで女性のイメージは大きく変化するのだなと己自身が体験するとは不思議な感覚だなとシェーナは思った。
「今度はルトルスもリボンを付けてみなよ」
今度はシェーナがリボンを取り出してルトルスの頭に付けると、髪形をツインテールにしてみせた。
そこに本屋から買い物を終えてシェーナと合流しようと、お土産屋に通りかかったグラナは二人を目撃する。
「シェーナは問題ないが、あの勇将と恐れられた暗黒騎士様のツインテールは……見なかったことにしておこう」
グラナは二人に声を掛けずに、そのまま店を後にした。
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